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009.ゲーム ---- 「ふむぅ、どうしたものですか…」 幼さの残る顔付きと、それとは裏腹に落ち着いた口調。 少女の服装はノービスに近いものだが―それとは違うもので。 その服装は、スーパーノービスと呼ばれている者が身につける服だった。 少女は座り込み支給された鞄をがさごそ、と漁る。 「ん、食料と水とコンパスと地図…古く青い箱…に似たケースが2つ」 中に入っているアイテムを冷静に数え、少女はそれらを取り出した。 食料を均等に数日分に分けて、コンパスと地図を自分の右隣に。 古く青い箱に似た、ケースを2つ並べ…じっくりとそれを見つめる。 元々、ギャンブル精神は全然無い少女だが、今は開けるしか道が無い。 ここで何が出るかによって、自分の運命は大きく変わるんだろう。 「…普段、愛用してるスティレットが出てくれたら嬉しいんですけど」 そう呟きつつ、少女は1つ目ケースに手を伸ばす。 軽く力を入れると、そのケースはあっさりと開き― そこから現れたのは短剣。 だが、彼女が普段愛用してる短剣とは違っていた。 ケースの中身は、スーパーノービスの使用が禁止されているダマスカスだった。 普段使っているスティレットよりも鋭く。 相手に大きなダメージを与えることが出来るだろう武器。 少女はふむ、とその短剣を握って ―利き腕の右手で一振り。 ヒュッ、とダマスカスが風を切る。 使用感はスティレットと大差ない。 「武器はこれで良し、と」 これは、あくまで護身用。 相手にこちらを襲う気が無ければ、使用するつもりはない。 こう見えて場数は踏んでいる…多少の殺気くらいは判断出来るから。 出会った人間が協力を求めてきても最初は疑うつもり。表には出さないけど。 信頼と信用の出来る仲間を探す。 彼女はゲームに乗る気はない。 だけど、死ぬ気も無い…生き残るつもりだ。 その為に、役に立つ可能性があるもう1つの箱も開けておく。 「………うわぁ、可愛い…んだけどもこれはなぁ」 中に入っていたのは、何の変哲も無いリボンではなく。 いや、リボンならまだ良かった。 だがそこにあったのはシルクリボン。 ペットとして飼われているルナティックが装備しているそのリボン。 「………うん」 少女はそのリボンをどうするか迷ったのだが… リボンは少女の頭に(無理矢理)付けられていた。 ただ、違和感を感じないのは少女の容姿のお陰か。 シルクリボンを付けた、スーパーノービスの少女は取り出していた荷物を鞄に入れた。 コンパスと地図だけはポケットの中に入れて。 「じゃあ、そろそろ出発するかな!」 元気な声を上げ、少女は歩き始めた。 その外見と裏腹に、秘めた力は数知れない。 彼女は短剣を振る事を決めた。 止むを得ない場合は…仕方ないかもしれないけども。 短剣を振るのはそれは誰かを殺すためじゃなくて生き残る為に。 同じ考えを持つ者がいれば、その者を守る為に。 これはゲームだ。 ゲームには、必ずドコかバグがつき物で。 テストプレイを繰り返し、バグは少なくなっていくんだろうけど。 それでも、どこかにバグがある。 バグという名の穴が。 …それを探せばいい。 考えて、考えて、考えて。 向かうのはとりあえず北。 ドコでもイイ。 まずは歩きださないと、何も始まらないんだから。 「よしっ、がんばりますかっ!」 この場に不似合いな笑みを浮かべて、スーパーノービスの少女は歩き始めた。 …ただ少女は、1つだけ見逃していた。 自分の鞄の中にランダムで支給されるというカード帳がある事に。 <♀スパノビ:現在地不明→北に向かって歩く 備考:外見とは裏腹に場数を踏んでいる(短剣型)> <所持品:s3ダマスカス シルクリボン(無理矢理装着)カード帳(本人気づいていない)> <残り:49名> ---- | [[戻る>2-008]] | [[目次>第二回目次]] | [[進む>2-010]] |
009.ゲーム ---- 「ふむぅ、どうしたものですか…」 幼さの残る顔付きと、それとは裏腹に落ち着いた口調。 少女の服装はノービスに近いものだが―それとは違うもので。 その服装は、スーパーノービスと呼ばれている者が身につける服だった。 少女は座り込み支給された鞄をがさごそ、と漁る。 「ん、食料と水とコンパスと地図…古く青い箱…に似たケースが2つ」 中に入っているアイテムを冷静に数え、少女はそれらを取り出した。 食料を均等に数日分に分けて、コンパスと地図を自分の右隣に。 古く青い箱に似た、ケースを2つ並べ…じっくりとそれを見つめる。 元々、ギャンブル精神は全然無い少女だが、今は開けるしか道が無い。 ここで何が出るかによって、自分の運命は大きく変わるんだろう。 「…普段、愛用してるスティレットが出てくれたら嬉しいんですけど」 そう呟きつつ、少女は1つ目ケースに手を伸ばす。 軽く力を入れると、そのケースはあっさりと開き― そこから現れたのは短剣。 だが、彼女が普段愛用してる短剣とは違っていた。 ケースの中身は、スーパーノービスの使用が禁止されているダマスカスだった。 普段使っているスティレットよりも鋭く。 相手に大きなダメージを与えることが出来るだろう武器。 少女はふむ、とその短剣を握って ―利き腕の右手で一振り。 ヒュッ、とダマスカスが風を切る。 使用感はスティレットと大差ない。 「武器はこれで良し、と」 これは、あくまで護身用。 相手にこちらを襲う気が無ければ、使用するつもりはない。 こう見えて場数は踏んでいる…多少の殺気くらいは判断出来るから。 出会った人間が協力を求めてきても最初は疑うつもり。表には出さないけど。 信頼と信用の出来る仲間を探す。 彼女はゲームに乗る気はない。 だけど、死ぬ気も無い…生き残るつもりだ。 その為に、役に立つ可能性があるもう1つの箱も開けておく。 「………うわぁ、可愛い…んだけどもこれはなぁ」 中に入っていたのは、何の変哲も無いリボンではなく。 いや、リボンならまだ良かった。 だがそこにあったのはシルクリボン。 ペットとして飼われているルナティックが装備しているそのリボン。 「………うん」 少女はそのリボンをどうするか迷ったのだが… リボンは少女の頭に(無理矢理)付けられていた。 ただ、違和感を感じないのは少女の容姿のお陰か。 シルクリボンを付けた、スーパーノービスの少女は取り出していた荷物を鞄に入れた。 コンパスと地図だけはポケットの中に入れて。 「じゃあ、そろそろ出発するかな!」 元気な声を上げ、少女は歩き始めた。 その外見と裏腹に、秘めた力は数知れない。 彼女は短剣を振る事を決めた。 止むを得ない場合は…仕方ないかもしれないけども。 短剣を振るのはそれは誰かを殺すためじゃなくて生き残る為に。 同じ考えを持つ者がいれば、その者を守る為に。 これはゲームだ。 ゲームには、必ずドコかバグがつき物で。 テストプレイを繰り返し、バグは少なくなっていくんだろうけど。 それでも、どこかにバグがある。 バグという名の穴が。 …それを探せばいい。 考えて、考えて、考えて。 向かうのはとりあえず北。 ドコでもイイ。 まずは歩きださないと、何も始まらないんだから。 「よしっ、がんばりますかっ!」 この場に不似合いな笑みを浮かべて、スーパーノービスの少女は歩き始めた。 …ただ少女は、1つだけ見逃していた。 自分の鞄の中にランダムで支給されるというカード帳がある事に。 <♀スパノビ:現在地不明→北に向かって歩く 備考:外見とは裏腹に場数を踏んでいる(短剣型)> <所持品:s2ダマスカス シルクリボン(無理矢理装着)カード帳(本人気づいていない)> <残り:49名> ---- | [[戻る>2-008]] | [[目次>第二回目次]] | [[進む>2-010]] |

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