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013.究極の知能の融合 ----   オレはこいつらと生きて帰る…。 将来を夢見てひたすら修練に励んだ日々を、あのバカなGM達によって崩されると思っていた。 しかし、天はまだオレを見放していなかったようだ…必ず、復讐してやる…。 時は少し遡る… あてもなく、生きることを諦めた人形のように、オレは歩いていた。 的にでもされて、自分でも気付かずに死ねれば、それはどんなに楽なことだろうか。 視界が暗転する。 どうやら、草で編まれた単純な罠に引っかかったようだ。 「両手をあげて、おとなしくせぇや」 頭上から声がした。 ああ、オレはここで死ぬんだな…と思いながら、両手をあげてその場に棒立ちになる。 今まで神を信じたこともなかったが、目を瞑って、最期に思いきり空気を味わおうとした。 「って、あんた…支給品あけてすらいないんだ?」 突然の声に、はっと息を呑む。 いつものオレなら、後ろに人がいるのに気付かないわけがなかったのに。 ふと、前から近づいてきた商人――いや、アルケミストか――と思しき女が声をかけてきた。 「ホンマかいな、あんさん…もしかして、生きるん諦めてたりしたんか?」 「ああ、そうだよ…悪いか」 早く殺せ、と唾を吐きながら声のする方へ顔を向――― ドゴッ 鈍い音が耳元で弾ける。最初は何が起こったのかわからなかった。 「アホいうんも大概にせぇ。…ま、あんさんがこんなゲームに乗ってなかったんやから、そこは喜ぶべきかいな」 頬を拳で殴られたらしい。ふらふらとする感覚から戻ってみると痛みだけが残っていた。 「っ…なんで殺さないんだよ…」 なまじ半端な痛みなため、苦しい。 オレはアーチャー。一流の狩人、狙撃手になるため日々を弓とともに生きてきた。 基本的な体術は会得していたものの、不意に殴られるのなど初めてだった。 そして、差し出されるのは右手。 「あんさんの力…うちらに貸してくれへんか?」 差し出される手に困惑するオレ。 戸惑いながら手を差し出そうとするオレに、後ろから鋭く突き刺さる声。 「でもあんた、生き延びる気力がないならここで人生終了しときな… 私らがやろうとしてることは生半可な覚悟じゃついて来れんよ?」 「やろうと、してること…?」 振り向いて声の主を見る。 容姿から…いや、雰囲気全てが、彼女が常人と違うというオーラを発していることに気付く。 「ああ…詳しくはまだ言えんがな…」 言うと、彼女は手に持つ短剣で近くの木に文字を彫る 『私らの会話は盗聴されていると踏んだ方がいい』 驚いた。オレにはそんなことを思う余裕すらなかったというのに。 「そうか…じゃ、まぁ…支給品とやらにオレの運命を託してみるか…」 かばんの中から小さい箱を取り出し、開ける。 中からは白い葉っぱが一枚、ふわりと出てきた。 「わ…白ハーブかぁ…生憎、製薬の道具は取り上げられてしもたがなぁ」 アルケミストの彼女が苦笑した。 「大事なのはそっちの大きい箱じゃないのかい?」 少しも温かみを感じさせない声で、セージは言う。 「そうだな…これに運命をたくすか…」 大きい箱を開ける…目を瞑り、中の物を手探りで掴む。 懐かしい感触。 その感触に触発されるように、オレの中で生き残るための気力が沸いて来た。 「…ビンゴ♪」 まだ何も言ってないのに、アルケミストの少女は嬉しそうに飛び跳ねる。 「これで、一緒に来てくれるよね?」 下から覗き込まれ、少したじろいだが、嘘偽り無くいえた。 「ああ…なんだってやってやるさ」 「で、盛り上がってるとこ悪いんだけど。あんた矢もなく弓持ってて意味あんの?」 その言葉に、一気に下がるオレとアルケミストのテンション。 「あはは、悪い悪い…これ、あんたなら使えるでしょ?」 その手に渡されたのは、ひとかけらのジャルゴン。 <♂アーチャー アーバレスト[2]、白ハーブ1個獲得。> <♀セージ ジャルゴン、ダマスカス[2]1個獲得> <♀アルケミスト 不明。> ---- | 戻る | 目次 | 進む | | [[012]] | [[目次]] | [[014]] |

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