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019.利用するものされるもの ---- さて、なぜ俺様がここにいるのか? 突然拉致されて、ここでいきなり殺しあえと言われた。 ただ気がついたらこの会場にいただけだ。 状況はなんとなくわかっている。俺様マジ危ないっていうことだけは。 『愉しい悦しい殺し合いゲームの始まりです!』 そんな趣味ないんだけどな…。 俺様はただちょっと稼いでちょっと贅沢してちょっときれいな嫁さんもらって ちょっときれいな家を買ってちょっと可愛い子供をもうけて… ただの並みの人生送りたいだけの、平凡で善良なただのBSなんだけどなあ。 そして今、現実離れした、『現実』が目の前にある。 「お願い…助けてぇ…許してぇ…ごめんなさい…」 ♀ケミが必死に彼に助けを乞うていた。 特筆すべきは彼女のプロポーションで、ピッチリとしたアルケミストの服装が、 彼女のボディラインを浮き立たせていた。 豊満な胸に細いウェスト。太すぎず細すぎずの太腿…。 彫刻のようなとても美しい作りの顔は今は涙でくしゃくしゃに濡れていた。 その涙でさえ、男性の理性を狂わせそうな色香を放っている。 「ごめんなさいごめんなさい。怖くて…私怖くて…」 か細い声で懇願する。 先に攻撃を仕掛けてきたのは彼女のほうだった。 既に手から遠くの場所に彼女の手持ちの武器…ただのグラディウスだが…は 遠くに投げ出されている。 突然後ろから切りかかってきたものだから、咄嗟に身を翻し鳩尾に一発お見舞いしてやった。 倒れこみ激しく咳き込んだ後、彼女は命乞いを始めたのだ。 「殺さないで」 涙を流しながら懇願する♀ケミ。 おいおい、これは何ですか。俺様に対する試練ですか。 なんですかこのとびきり美人のアルケミ姉ちゃんは。 いや、俺様Sじゃないよ。こんなんで興奮は…その素質はあったってことか?新しい感覚に目覚めたってことか!? て、待てよ、それじゃあ俺様Mってこと?ちげーって。 いやいやいやいや。まてまてまてまて。落ち着け俺よ。 「お前殺すつもりないから、うん」 辛うじて搾り出された声は、情けないほどに上ずっていた。    ―――――――――――――――――――――――――――――― ♀ケミは内心舌打ちした。 転送されてからすぐに、支給されたものを確認した。 それが自らの命に第一に関わるものだとすぐさま理解したからだ。 幸運にも武器であったが―彼女のにとって幸か不幸か短剣グラディウスだった― 贅沢は言っていられないと思い、行動を開始した。 第一に見つけた標的が♂BSだったのだが、奇襲作戦は見事失敗した。 やっぱり戦闘に関してはだめね。わたし。性に合ってないわ。 次からは気をつけなくっちゃね。 私も運がよかったとしか言いようがないわ。 容赦なく殺るタイプの男だったら、危なかったかもしれないしね。 生まれてすぐに道端に捨てられ、粗悪な孤児院で育った彼女は物心がつく頃にそこを脱走した。 乞食となっていた彼女を拾った男に散々弄ばれた後 男のギルドに性奴隷扱いで加入させられた。 フェイヨン近郊で最大勢力のギルドに私は飼われる形となった。 男たちの夜の相手をしているうちに、自らの肉体の魅力に気がつく。 肉体が、最大の武器になる…。 彼女は大いにそれを利用した。そして、そのギルドを実質乗っ取ることに成功した。 それは容易いことであり、なんら苦ではなかった。 男達を梯子のように伝い、ギルドの下っ端から上にのし上がりギルドマスターを誘惑しただけの話だ。 すっかり彼女に魅了されてしまったギルドマスターは彼女の言いなりだった。 そしてそれは等価だと思った。長年弄ばれた身体の等価だと。 私を抱いてきた代金をギルドに支払ってもらうだけだと。 その矢先のことだ。このゲームに参加させられたのは。 やっとこれからだというのに。 これから私の時代が始まるというのに。 ギルドを思いのままに操り、好き放題やりたい放題できるはずなのに。 目の前にいる男は頬を染め、私の身体を凝視している。 そして吐いた言葉が 「俺様、お前殺すつもりないから、うん」 殺すつもりはなくても犯すつもりはあるんだろうか。 「本当?」 「あ、ああ。こんなゲームに乗りたいとはおもわねぇよ。」 「よかった…安心した…本当によかった。一人で心細かったの。どうしたらいいかわからなくて…」 「俺様と一緒にここから脱出する術を探さないか?別に正義感とかそういうんじゃないんだけどさ 死にたくないだろ?お前もさ」 この男は結構な腕前の男だと思う。 先程の身のこなしを見ている限りおそらく戦闘に特化したBSだろう。 ここで殺してしまうのは…実に惜しい。利用価値は高い男だと判断できる。 しかも私に仲間であることを望んでいる。 これを断るような勿体ないことはしない。 ピンチになれば男を盾にして逃げればいい。 仲間が増えるなら私はそれに溶け込めばいい。 最後に残ったら容赦なく殺せばいい。 利用できるものは、なんでも利用しなくちゃ。それが生き残る秘訣。 「私のほうこそ、お願いします…それと、本当にさっきはごめんなさい」 「いいっていいって。怖かったからやっちゃったんだろ?気持ちはわかるって。 まあ俺様がいるから安心してくれ。ハッハッハッハ」 場違いな笑い声を上げる♂BSに、一瞬呆気にとられた。 バカな男で本当によかった。 まあ役に立ってくれれば一度ぐらいさせてあげてもいいかな? 死ぬ前に気持ちよくさせてあげる。私にだって慈悲の心ぐらいあるわよ? だからせいぜい役に立って死んで頂戴。 私のために。 <♀ケミ 所持品:店売りグラディウス 青箱 備考:とてつもない美人で素晴らしいプロポーションで策略家                             戦闘能力は並以下(製薬型ケミのステータス)> <♂BS 所持品:青箱2個(未開封)備考:戦闘型BS。ガサツ。むっつりスケベ。楽天家> <二人は同行> | [[戻る>2-018]] | [[目次>第二回目次]] | [[進む>2-020]] |
019.利用するものされるもの ---- さて、なぜ俺様がここにいるのか? 突然拉致されて、ここでいきなり殺しあえと言われた。 ただ気がついたらこの会場にいただけだ。 状況はなんとなくわかっている。俺様マジ危ないっていうことだけは。 『愉しい悦しい殺し合いゲームの始まりです!』 そんな趣味ないんだけどな…。 俺様はただちょっと稼いでちょっと贅沢してちょっときれいな嫁さんもらって ちょっときれいな家を買ってちょっと可愛い子供をもうけて… ただの並みの人生送りたいだけの、平凡で善良なただのBSなんだけどなあ。 そして今、現実離れした、『現実』が目の前にある。 「お願い…助けてぇ…許してぇ…ごめんなさい…」 ♀ケミが必死に彼に助けを乞うていた。 特筆すべきは彼女のプロポーションで、ピッチリとしたアルケミストの服装が、 彼女のボディラインを浮き立たせていた。 豊満な胸に細いウェスト。太すぎず細すぎずの太腿…。 彫刻のようなとても美しい作りの顔は今は涙でくしゃくしゃに濡れていた。 その涙でさえ、男性の理性を狂わせそうな色香を放っている。 「ごめんなさいごめんなさい。怖くて…私怖くて…」 か細い声で懇願する。 先に攻撃を仕掛けてきたのは彼女のほうだった。 既に手から遠くの場所に彼女の手持ちの武器…ただのグラディウスだが…は 遠くに投げ出されている。 突然後ろから切りかかってきたものだから、咄嗟に身を翻し鳩尾に一発お見舞いしてやった。 倒れこみ激しく咳き込んだ後、彼女は命乞いを始めたのだ。 「殺さないで」 涙を流しながら懇願する♀ケミ。 おいおい、これは何ですか。俺様に対する試練ですか。 なんですかこのとびきり美人のアルケミ姉ちゃんは。 いや、俺様Sじゃないよ。こんなんで興奮は…その素質はあったってことか?新しい感覚に目覚めたってことか!? て、待てよ、それじゃあ俺様Mってこと?ちげーって。 いやいやいやいや。まてまてまてまて。落ち着け俺よ。 「お前殺すつもりないから、うん」 辛うじて搾り出された声は、情けないほどに上ずっていた。    ―――――――――――――――――――――――――――――― ♀ケミは内心舌打ちした。 転送されてからすぐに、支給されたものを確認した。 それが自らの命に第一に関わるものだとすぐさま理解したからだ。 幸運にも武器であったが―彼女のにとって幸か不幸か短剣グラディウスだった― 贅沢は言っていられないと思い、行動を開始した。 第一に見つけた標的が♂BSだったのだが、奇襲作戦は見事失敗した。 やっぱり戦闘に関してはだめね。わたし。性に合ってないわ。 次からは気をつけなくっちゃね。 私も運がよかったとしか言いようがないわ。 容赦なく殺るタイプの男だったら、危なかったかもしれないしね。 生まれてすぐに道端に捨てられ、粗悪な孤児院で育った彼女は物心がつく頃にそこを脱走した。 乞食となっていた彼女を拾った男に散々弄ばれた後 男のギルドに性奴隷扱いで加入させられた。 フェイヨン近郊で最大勢力のギルドに私は飼われる形となった。 男たちの夜の相手をしているうちに、自らの肉体の魅力に気がつく。 肉体が、最大の武器になる…。 彼女は大いにそれを利用した。そして、そのギルドを実質乗っ取ることに成功した。 それは容易いことであり、なんら苦ではなかった。 男達を梯子のように伝い、ギルドの下っ端から上にのし上がりギルドマスターを誘惑しただけの話だ。 すっかり彼女に魅了されてしまったギルドマスターは彼女の言いなりだった。 そしてそれは等価だと思った。長年弄ばれた身体の等価だと。 私を抱いてきた代金をギルドに支払ってもらうだけだと。 その矢先のことだ。このゲームに参加させられたのは。 やっとこれからだというのに。 これから私の時代が始まるというのに。 ギルドを思いのままに操り、好き放題やりたい放題できるはずなのに。 目の前にいる男は頬を染め、私の身体を凝視している。 そして吐いた言葉が 「俺様、お前殺すつもりないから、うん」 殺すつもりはなくても犯すつもりはあるんだろうか。 「本当?」 「あ、ああ。こんなゲームに乗りたいとはおもわねぇよ。」 「よかった…安心した…本当によかった。一人で心細かったの。どうしたらいいかわからなくて…」 「俺様と一緒にここから脱出する術を探さないか?別に正義感とかそういうんじゃないんだけどさ 死にたくないだろ?お前もさ」 この男は結構な腕前の男だと思う。 先程の身のこなしを見ている限りおそらく戦闘に特化したBSだろう。 ここで殺してしまうのは…実に惜しい。利用価値は高い男だと判断できる。 しかも私に仲間であることを望んでいる。 これを断るような勿体ないことはしない。 ピンチになれば男を盾にして逃げればいい。 仲間が増えるなら私はそれに溶け込めばいい。 最後に残ったら容赦なく殺せばいい。 利用できるものは、なんでも利用しなくちゃ。それが生き残る秘訣。 「私のほうこそ、お願いします…それと、本当にさっきはごめんなさい」 「いいっていいって。怖かったからやっちゃったんだろ?気持ちはわかるって。 まあ俺様がいるから安心してくれ。ハッハッハッハ」 場違いな笑い声を上げる♂BSに、一瞬呆気にとられた。 バカな男で本当によかった。 まあ役に立ってくれれば一度ぐらいさせてあげてもいいかな? 死ぬ前に気持ちよくさせてあげる。私にだって慈悲の心ぐらいあるわよ? だからせいぜい役に立って死んで頂戴。 私のために。 <♀ケミ 所持品:店売りグラディウス 青箱 備考:とてつもない美人で素晴らしいプロポーションで策略家                             戦闘能力は並以下(製薬型ケミのステータス)> <♂BS 所持品:青箱2個(未開封)備考:戦闘型BS。ガサツ。むっつりスケベ。楽天家> <二人は同行> ---- | [[戻る>2-018]] | [[目次>第二回目次]] | [[進む>2-020]] |

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