「NG2-10」(2005/11/19 (土) 13:16:52) の最新版変更点
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シを司る者
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静寂に満ちた夜の街。
道化師は笑う、顔を悦の感情に歪ませて笑う。
彼の右手には神の力を刀身に宿したといわれる宝剣バルムンが、
そして左手には獰猛な獣でも飼いならすつもりなのだろうか、
人の首のサイズに比べるとやや大き目の首輪がそれぞれ握られていた。
「困りますね、アナタが了承してくれないと私、女王様に怒られちゃいますよ」
道化師に向かって振り下ろされる槍状の斧、ポールアクス。
それをおどけるような姿勢で回避しながら道化師は言葉を続ける。
「うーん、本当に困るんですけどね。
このままだと私はアナタだけでなく、アナタの大切なお嬢様にまで参加状を届けなければいけなくなってしまいます」
困った困った、と道化師は言う。
けれど表情には少しも困った様子など、無い。
二度、三度と薙ぎ払われるポールアクスを、目を閉じていても避けられるとでも言わんばかりに軽々といなす。
「やれやれ、強情ですね。仕方がありません、死なない程度に遊んで差し上げますよ」
ダークストライクと呼ばれる闇の精霊を弾丸のように射出する魔法が騎士から放たれる。
その弾丸の軌道をバルムンの刃先で逸らしながら、道化師は跳躍した。
彼の攻撃は例えるならば白い稲妻。
雷鳴がとどろくような斬撃の音とともにポールアクスは中空を舞う。
持ち主の右腕と共に。
右腕を肩から切り落とされた騎士がたまらず呻く。
ギシリと歯噛みし、睨む先には先ほどまで騎乗していた愛馬の首と、
つまらなさそうにその首を踏みつけながらバルムンを突きつけるGMジョーカーの姿があった。
「・・・道化よ、貴様なにゆえに・・・死者の街を侵す?」
まともな人間なら聞いただけですくみあがってしまうほどの威圧に満ちた声。
「何度も説明したのですけどね、困ったお方だ。
腕一本切り落とされてようやく話を聞く気になったということですか。
ですが、残念ながら私の中ではもう話し合いの時間は終わってるんですね」
アヒャヒャと狂ったかのように笑い始めるGMジョーカー。
ジョーカーの豹変を受けて白銀の鎧を纏いし騎士は、
背面の腰あたりに備えていたウォーアクスを左手で取り出し、握り締め、大地を蹴る。
「コロ、殺して、さしあげ、あげなーい。
お前は、お、お、オモチャ、大切な、オモチャ」
バルムンを構え、騎士を迎え撃つGMジョーカー。
ぶつかり合うバルムンとウォーアクス。
刃を交えること数合。
響き渡る剣戟の音、飛び散る火花。
口からこぼれ出るよだれをぬぐう素振りも見せないジョーカー、振るう剣の軌跡が十字を描く。
聖なる力を宿したクルセイダーが剣技、ホーリークロス。
そして、その攻撃を受けきることが騎士のできる精一杯であった。
再びとどろく雷鳴。
あわれ騎士は右腕だけでなく左腕までも切り落とされ、両膝を大地に着けた。
おそらく戦意喪失したのであろう。
「お、お前は、よ、よ、用済み。
女王様の命令に背いた、アヒャヒャ、哀れなシの街の王」
ガチリ
騎士の首に首輪がはめられる。
呪いの首輪、ひとたび外せば持ち主の命を喰らう悪魔の首輪。
「おっと、いけません、私としたことが興奮しすぎてしまいましたね♪」
GMジョーカーは自分のよだれでべとべとになった口もとをどこからか取り出したハンカチでぬぐうと、
そのへんに転がっていた騎士の左腕をひょいと拾い上げる。
「さすがに両手を返してあげるわけにはいきませーん。
アナタには片手くらいのハンデがあってこそゲームが楽しくなるというものです」
騎士の体と左腕、切断面を重ね合わせ、そこに自身の右手をあてるGMジョーカー。
淡い白光が騎士の体を癒して行く。
それでも騎士は死んだように動かなかった。
それほどまでの敗北を心に刻まれたのだ。
「別にアナタがこの先あの島でこんな調子でも、私は構わないんですけどね」
言ってワープポータルの詠唱始める。
眩い光が騎士を、死者の街の王ロードオブデスを包み込む。
「そうそう最後にひとつだけ♪
あとでアナタのお嬢様もそちらに送って差し上げますのでせいぜいそれまでくらいは生き抜いてくださいね」
GMジョーカーの言葉に騎士王の目が再び赤く燃える。
けれどポータルの光は止められない。
消え行く中で声を荒げ叫ぶ騎士王。
その絶望と憤怒が交錯した声を聞いてGMジョーカーは静かに笑った。
<ロードオブデス(フリー枠消費キャラ)>
現在位置-不明
所持品-なし
外見特徴-赤い目
備考-右腕を失っている、
<ロリルリ(フリー枠消費キャラ)>
現在位置-不明
所持品-不明
外見特徴-不明
備考-ロードオブデスの娘
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