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049. キャントビリーヴ ---- 「何ダカ騒ガシイ、ネ」 「何ダカ風ガイツモト違ウ、ネ」 「デモ僕達ハ、イツモ通リ」 「流レルママニ、羽バタクダケ」 「変ワラナイ、ネ」 「平和ダネ」 「・・・いいなぁ、鳥さん達は・・・自由で」 「鳥さん?」 歩きながらふと聞こえた、鳥達の会話に、そんなひとり言が漏れた。はっと口元を覆うが、出てしまった言葉は返ってくるはずもない。少し前を歩くスーパーノービスの少女が、不思議そうな顔で振り返っている。あぅぅ恥ずかしい。 「そうですねー、私達も鳥さんになれたら、こんな島からは自由に飛んでけるんですけどね」 くすりと微笑を浮かべ、スーパーノービスはまた前を向いて歩き始めた。 てこてこと後をついて歩きながら、ふと思った。 「・・・あ、あの」 再びスーパーノービスの足が止まる。振り返り、例の如くきょとんとした顔。 実はあたし、鳥の言葉が解るんだ。そう、言ってみようかな。折角だから、この子には解って貰いたい、かも。でも、変な人だと思われる、よね。教えたところで何か、変わるわけでもないし。 それに、ハンターの心の底に深く根を張っている他人への恐怖は、スーパーノービスの少女のことをも完全に信頼させることは許さなかった。 結局言い出せないままに、でももうあの、とか言っちゃったし。何か、言わないと、えっと。 「あの・・・・・・えっと、さっきは・・・あり、ありがとう、・・・」 「いえいえ。どういたしまして~」 にっこりと微笑むスーパーノービス。一方的な溝が勝手に距離を作っている女ハンターにとって、その笑顔は眩し過ぎる。 「え、えっと・・・これから、どうするんです、か・・・?」 「そうですねー。考えることは色々ありますけど、やっぱりとりあえずは安全の確保、が第一だと思うんですね」 少女は懐から地図を取り出すと、目の前に広げた。 「森とか小屋とか、結構いろんなとこに点在してるみたいですけど、隠れ場所ではあるけど奇襲を受けた場合の逃げ場がないから、隠れるとするとこれ結構リスクも大きいと思うのですよ。で、今いる位置は多分この辺り・・・だから、そうすると」 地図の一点を指差し、 「一番近くだと、ココ。が、私はベストだと思いますよ」   *  *  * 突然、歩いていたスーパーノービスの歩みが止まると、ぱきんと音を立てて彼女の周辺の空気が張り詰めた。 「・・・人、がいますね」 「ひ」 条件反射で出てしまった、なさけない声。思わずぎゅっと、手の中のスパナを強く握り締める。 スーパーノービスの少女は、丘の上に見える小さな林の辺りを指差していた。 「どうしよう・・・敵かどうかだけでも、私が確認してきましょうかー?」 ぶんぶんと激しく首を横に振る。やだやだ、それでもし何かあったらどうするの。敵じゃなくても、信用なんかできるわけないじゃない。目の前にいるスーパーノービスでさえも、出逢い方がああじゃなければきっと逃げ出していたに違いないのだから。 「でもホラ、なんとかこの状況から逃げ出すには、協力者は多いほうがいいとか・・・思いません?」 「ダメ・・・・・・嫌・・・・・・信用できない・・・・・・・・・」 女ハンターはその場に屈み込み、両手で頭を覆った。身体はがたがたと震え出している。 ハンターがこの状態では、本当に隠れている人が敵だった場合が危険だ。無理もないか、この島で一番はじめに遭遇した人間が、あんなウィザードだったんだから(作者注-♀スパノビは<♀ハンタは根本的に人を恐れる>という事実を知らないためにこう解釈している)。 「わかりました、じゃあとりあえず私達だけでも、早く安全なところを見つけましょ?」 へたり込んでいるハンターの肩にそっとスーパーノービスの手が触れた瞬間、彼女はびくっと一際大きく身体を震わせた。が、こくこくと小さく何度も頷くと力無く立ち上がり、差し出された手をおずおずと掴むと、そのままスーパーノービスに手を引かれ歩き出した。 傍から見れば、気丈な妹に手を引かれる気弱な姉。いや、構図的には大差はないか。   *  *  * だんだんと遠ざかっていく女ハンターとスーパーノービスの姿を、既に木陰に隠れていた彼女――女アサシンは視界に捉えていた。 向かってくるならさてどうするかねぇ、と考えていたが杞憂だったか。とりあえず、今はこれで良し。 しかしあのスーパーノービスのほうは真っ直ぐこっちの方を指さしてたし、気付かれていたのは確かだろう。もうちょっと見つかり難い場所まで移動した方がいいのかねぇ。それとも、夜を待たずにそろそろちょっと張り切ってみちゃうのもアリか? もう一度、所持品を確認してみる。 赤、青、黄色のジェムストーン。使い道は今のところないが、とりあえず懐に忍ばせておく。武器は弓が一本。弓なぞ扱ったこともないし、こんな軽いものじゃ鈍器として使ってもすぐ折れてしまうに決まっている。考えた末、首を絞めたりするには有用かと至った弦の部分だけを取り外して使うことにした。弓身はかさばるために捨て置く。誰かが拾ったとしても、使い物にはならないだろうし問題は無い。矢筒に大量に入っているオリデオコンの矢も、突き刺して使おうとすれば使えなくはない・・・か。しかし矢張り、弦を使うにせよ矢を使うにせよ、如何せんリーチが短すぎる。相手が得物を使ってくるならば、圧倒的に自分が不利だ。まずは、何か刃物を調達したい。 「んー、さて・・・」 <♀ハンター 現在位置・・・丘の木立を臨める平原からある場所へ移動中(C-6→?) <所持品・・・スパナ 古い紫色の箱> <備考・・・対人恐怖症 鳥と会話が出来る ステ=純鷹師 弓の扱いは???> <状態・・・♀スパノビと同行。但し、完全に信頼はできていない。♀スパノビ以外の人間は完全に拒否> <♀スーパーノービス 現在位置・・・丘の木立を臨める平原からある場所へ移動中(C-6→?)> <所持品・・・S3ダマスカス シルクリボン(無理矢理装着) 古いカード帖(本人気付いていない)> <備考・・・外見とは裏腹に場数を踏んでいる(短剣型) 集中力向上習得済> <状態・・・♀ハンターと同行> <♀アサシン 現在位置・・・(丘の木立)D-6> <所持品・・・各色ジェムストーン×5、即席ピアノ線、オリデオコンの矢筒> <備考・・・顔に血化粧(005より)> ---- |[[戻る>2-048]] | [[目次>第二回目次]] |[[進む>2-050]]|
049. キャントビリーヴ ---- 「何ダカ騒ガシイ、ネ」 「何ダカ風ガイツモト違ウ、ネ」 「デモ僕達ハ、イツモ通リ」 「流レルママニ、羽バタクダケ」 「変ワラナイ、ネ」 「平和ダネ」 「・・・いいなぁ、鳥さん達は・・・自由で」 「鳥さん?」 歩きながらふと聞こえた、鳥達の会話に、そんなひとり言が漏れた。はっと口元を覆うが、出てしまった言葉は返ってくるはずもない。少し前を歩くスーパーノービスの少女が、不思議そうな顔で振り返っている。あぅぅ恥ずかしい。 「そうですねー、私達も鳥さんになれたら、こんな島からは自由に飛んでけるんですけどね」 くすりと微笑を浮かべ、スーパーノービスはまた前を向いて歩き始めた。 てこてこと後をついて歩きながら、ふと思った。 「・・・あ、あの」 再びスーパーノービスの足が止まる。振り返り、例の如くきょとんとした顔。 実はあたし、鳥の言葉が解るんだ。そう、言ってみようかな。折角だから、この子には解って貰いたい、かも。でも、変な人だと思われる、よね。教えたところで何か、変わるわけでもないし。 それに、ハンターの心の底に深く根を張っている他人への恐怖は、スーパーノービスの少女のことをも完全に信頼させることは許さなかった。 結局言い出せないままに、でももうあの、とか言っちゃったし。何か、言わないと、えっと。 「あの・・・・・・えっと、さっきは・・・あり、ありがとう、・・・」 「いえいえ。どういたしまして~」 にっこりと微笑むスーパーノービス。一方的な溝が勝手に距離を作っている女ハンターにとって、その笑顔は眩し過ぎる。 「え、えっと・・・これから、どうするんです、か・・・?」 「そうですねー。考えることは色々ありますけど、やっぱりとりあえずは安全の確保、が第一だと思うんですね」 少女は懐から地図を取り出すと、目の前に広げた。 「森とか小屋とか、結構いろんなとこに点在してるみたいですけど、隠れ場所ではあるけど奇襲を受けた場合の逃げ場がないから、隠れるとするとこれ結構リスクも大きいと思うのですよ。で、今いる位置は多分この辺り・・・だから、そうすると」 地図の一点を指差し、 「一番近くだと、ココ。が、私はベストだと思いますよ」   *  *  * 突然、歩いていたスーパーノービスの歩みが止まると、ぱきんと音を立てて彼女の周辺の空気が張り詰めた。 「・・・人、がいますね」 「ひ」 条件反射で出てしまった、なさけない声。思わずぎゅっと、手の中のスパナを強く握り締める。 スーパーノービスの少女は、丘の上に見える小さな林の辺りを指差していた。 「どうしよう・・・敵かどうかだけでも、私が確認してきましょうかー?」 ぶんぶんと激しく首を横に振る。やだやだ、それでもし何かあったらどうするの。敵じゃなくても、信用なんかできるわけないじゃない。目の前にいるスーパーノービスでさえも、出逢い方がああじゃなければきっと逃げ出していたに違いないのだから。 「でもホラ、なんとかこの状況から逃げ出すには、協力者は多いほうがいいとか・・・思いません?」 「ダメ・・・・・・嫌・・・・・・信用できない・・・・・・・・・」 女ハンターはその場に屈み込み、両手で頭を覆った。身体はがたがたと震え出している。 ハンターがこの状態では、本当に隠れている人が敵だった場合が危険だ。無理もないか、この島で一番はじめに遭遇した人間が、あんなウィザードだったんだから(作者注-♀スパノビは<♀ハンタは根本的に人を恐れる>という事実を知らないためにこう解釈している)。 「わかりました、じゃあとりあえず私達だけでも、早く安全なところを見つけましょ?」 へたり込んでいるハンターの肩にそっとスーパーノービスの手が触れた瞬間、彼女はびくっと一際大きく身体を震わせた。が、こくこくと小さく何度も頷くと力無く立ち上がり、差し出された手をおずおずと掴むと、そのままスーパーノービスに手を引かれ歩き出した。 傍から見れば、気丈な妹に手を引かれる気弱な姉。いや、構図的には大差はないか。   *  *  * だんだんと遠ざかっていく女ハンターとスーパーノービスの姿を、既に木陰に隠れていた彼女――女アサシンは視界に捉えていた。 向かってくるならさてどうするかねぇ、と考えていたが杞憂だったか。とりあえず、今はこれで良し。 しかしあのスーパーノービスのほうは真っ直ぐこっちの方を指さしてたし、気付かれていたのは確かだろう。もうちょっと見つかり難い場所まで移動した方がいいのかねぇ。それとも、夜を待たずにそろそろちょっと張り切ってみちゃうのもアリか? もう一度、所持品を確認してみる。 赤、青、黄色のジェムストーン。使い道は今のところないが、とりあえず懐に忍ばせておく。武器は弓が一本。弓なぞ扱ったこともないし、こんな軽いものじゃ鈍器として使ってもすぐ折れてしまうに決まっている。考えた末、首を絞めたりするには有用かと至った弦の部分だけを取り外して使うことにした。弓身はかさばるために捨て置く。誰かが拾ったとしても、使い物にはならないだろうし問題は無い。矢筒に大量に入っているオリデオコンの矢も、突き刺して使おうとすれば使えなくはない・・・か。しかし矢張り、弦を使うにせよ矢を使うにせよ、如何せんリーチが短すぎる。相手が得物を使ってくるならば、圧倒的に自分が不利だ。まずは、何か刃物を調達したい。 「んー、さて・・・」 <♀ハンター 現在位置・・・丘の木立を臨める平原からある場所へ移動中(C-6→?) <所持品・・・スパナ 古い紫色の箱> <備考・・・対人恐怖症 鳥と会話が出来る ステ=純鷹師 弓の扱いは???> <状態・・・♀スパノビと同行。但し、完全に信頼はできていない。♀スパノビ以外の人間は完全に拒否> <♀スーパーノービス 現在位置・・・丘の木立を臨める平原からある場所へ移動中(C-6→?)> <所持品・・・S2ダマスカス シルクリボン(無理矢理装着) 古いカード帖(本人気付いていない)> <備考・・・外見とは裏腹に場数を踏んでいる(短剣型) 集中力向上習得済> <状態・・・♀ハンターと同行> <♀アサシン 現在位置・・・(丘の木立)D-6> <所持品・・・各色ジェムストーン×5、即席ピアノ線、オリデオコンの矢筒> <備考・・・顔に血化粧(005より)> ---- |[[戻る>2-048]] | [[目次>第二回目次]] |[[進む>2-050]]|

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