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061 過去の夢 ---- 遠くに最初の獲物を見つける。 服装からしてアサシンとアルケミストらしい。 その場ですかさず気を練る。 二対一では分が悪いため、アサシンよりは仕留められる確率の高いであろうアルケミストを狙い撃った。 初弾は見事命中。そのまま吹っ飛んだためよく見えなかったが、胸部を貫通して即死だろう。 そして間髪入れずもう1人のアサシンへ狙いを定める。 さすがに避けられた。 奇襲の1人目はともかく2人目の、しかもアサシンまで一撃で始末できるとは考えていない。 だが、次の指弾を撃つも避けられた。 思ったより身のこなしがいい。先にアルケミを殺せてよかった。 そんなことを考えながら、体の周囲に浮かぶ淡い光球を次々と撃ち、反撃に備えて岩場に隠れ気を具現化し充填する。 気を練る以外は、常に移動しつつもちろん相手から視線は逸らさない。 そうして再度指弾を撃つが全て避けられる。 落ち着いて再び岩の陰で気を練り、岩から身を乗り出した瞬間、目前に石が飛んできた。 「読まれている!?」 それを辛うじてかわすと、そいつはもうそこにいた。 "あの人"も速かったが、こいつはそれ以上に疾すぎる。 「く、お前はいったい……」 そこでオレの意識は途絶えた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ねぇ」 声が聞こえる。 その声は今でもはっきりと覚えている。"あの人"の声。 「強くなったね。もうわたしなんかじゃ敵わないくらいに。」 「いえ、まだまだです。あなたにくらべたらオレなんて。」 「ふふ、謙遜することないのよ。」 あの頃と同じ笑顔を向けてくれていたが、少し真面目な表情になる。 「ねぇ、もういいのよ?わたしの仇撃ちなんて。」 「え?」 「それよりもここで殺し合いを望まない人達を助けてあげて。  今の君ならできるはず、強くなった君なら。」 そこで"あの子"の声が割ってはいる。 「私守ってくれたみたいに守ってあげて。きっと助けて欲しいと思ってる人がいるよ。」 もうずっと忘れていた。 "あの人"が死んだとき、それでも何かを守りたかったオレは本当はプリーストになるつもりだった。 "あの子"が目の前で殺されてからはモンクになって、ずっと復讐を誓っていたけれど。 そうしてオレが戸惑っていると… 「だいじょうぶ。君ならできるよ。」 「ここからずっと見守ってるからね。」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2人が微笑んだところで目が覚めた。 どうやら気絶していたらしい。 いつも見ていた悪夢と違い、温かく包まれるような夢だったな。 っと、慌てて今おかれている状況を確認する。 今いるこの島はいつ殺されてもおかしくない無法地帯だ。 なのにオレが生きているってことは、あの2人もここへは殺し合いに来たわけではないということ。 それなのにオレは…。 ふと先ほどの戦闘を思い出し、アルケミを殺したことを自責しかけたとき、腹部に鈍痛が走った。 とっさに手を当てる。 睡眠をとった(とらされた)ため体力は回復していたが負傷はヒールをかけねば治らない。 「!?」 明らかに治りが小さい。このくらいの打撲なら一度で痛みすらもなくなるのに。 「もしや先程の衝撃で…?」 立ち上がり、精神を集中して気を練る。 そうして自らの気を具現化したその淡く光る球を、早速目に付いた手ごろな岩に向かって撃ってみる。 いつもならばそれは粉々に砕け散るか、もしくはコルクを抜いたようにきれいに貫通する。 気が岩に着弾し、霧散した。いつもと手ごたえはかわらない。 だが今しがた撃った指弾は、着弾部分を抉りはしたものの岩を破壊するには至らなかった。 そのままヒールと指弾を数回試してみたが、やはり威力が落ちている。 恐らくあのアサシンにやられたせいであろう。 スキルがなくても戦えるが、それでも辛い。 弓や魔法といった遠距離攻撃をしてくる相手に対しては、特に苦戦するであろう。 そこで先程殺したアルケミストのことを思い出した。きっと自分をやったアサシンが埋葬しているだろう。 でももしそのままならせめて葬ってやりたいと思い、彼女が倒れた位置に向かった。 しかし、そこには遺体はなかった。やはりあのアサシンが…とそこで思考が止まった。 血の跡が全くない。周囲に水場もないし、雨が降った形跡もない。でも確かに指弾は命中した。 ということは、あのアルケミはオレの指弾を受けながらもまだ生きている! そうなるとオレのスキルが弱くなった原因がわからなくなってくるが、とりあえずアルケミが生きているだろうことに安堵する。 心地よい風が辺りを静かに吹き抜ける。 そして視界の隅に落ちていたサングラスに気づいてかけなおす。 もうギルドの指令は関係ない。 ここで望まぬ戦いを強いられている人を助けるために戦おう。 陽の傾いた空を仰いで、オレは"あの"2人に誓った。 <グラサンモンク> 現在位置:岩場(G-7) 所持品:緑ポーション5個 インソムニアックサングラス 外見的特徴:csm:4r0l6010i2 備考:特別枠    右心臓    ヒール、気功、白刃取り、指弾、金剛、阿修羅使用可能    気絶させられただけで死んではいない→目覚める(時間軸は056の後から日が暮れるよりは前)    助けを求める人達を守りたい 参考スレ:【18歳未満進入禁止】リアル・グRO妄想スレッド【閲覧注意】      作品「雨の日」「青空に響く鎮魂歌」よりモンク(♂モンクと区別するため便宜的にグラサンモンクと表記) | [[戻る>2-060]] | [[目次>第二回目次]] | [[進む>2-062]] |
061 過去の夢 ---- 遠くに最初の獲物を見つける。 服装からしてアサシンとアルケミストらしい。 その場ですかさず気を練る。 二対一では分が悪いため、アサシンよりは仕留められる確率の高いであろうアルケミストを狙い撃った。 初弾は見事命中。そのまま吹っ飛んだためよく見えなかったが、胸部を貫通して即死だろう。 そして間髪入れずもう1人のアサシンへ狙いを定める。 さすがに避けられた。 奇襲の1人目はともかく2人目の、しかもアサシンまで一撃で始末できるとは考えていない。 だが、次の指弾を撃つも避けられた。 思ったより身のこなしがいい。先にアルケミを殺せてよかった。 そんなことを考えながら、体の周囲に浮かぶ淡い光球を次々と撃ち、反撃に備えて岩場に隠れ気を具現化し充填する。 気を練る以外は、常に移動しつつもちろん相手から視線は逸らさない。 そうして再度指弾を撃つが全て避けられる。 落ち着いて再び岩の陰で気を練り、岩から身を乗り出した瞬間、目前に石が飛んできた。 「読まれている!?」 それを辛うじてかわすと、そいつはもうそこにいた。 "あの人"も速かったが、こいつはそれ以上に疾すぎる。 「く、お前はいったい……」 そこでオレの意識は途絶えた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「ねぇ」 声が聞こえる。 その声は今でもはっきりと覚えている。"あの人"の声。 「強くなったね。もうわたしなんかじゃ敵わないくらいに。」 「いえ、まだまだです。あなたにくらべたらオレなんて。」 「ふふ、謙遜することないのよ。」 あの頃と同じ笑顔を向けてくれていたが、少し真面目な表情になる。 「ねぇ、もういいのよ?わたしの仇撃ちなんて。」 「え?」 「それよりもここで殺し合いを望まない人達を助けてあげて。  今の君ならできるはず、強くなった君なら。」 そこで"あの子"の声が割ってはいる。 「私守ってくれたみたいに守ってあげて。きっと助けて欲しいと思ってる人がいるよ。」 もうずっと忘れていた。 "あの人"が死んだとき、それでも何かを守りたかったオレは本当はプリーストになるつもりだった。 "あの子"が目の前で殺されてからはモンクになって、ずっと復讐を誓っていたけれど。 そうしてオレが戸惑っていると… 「だいじょうぶ。君ならできるよ。」 「ここからずっと見守ってるからね。」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2人が微笑んだところで目が覚めた。 どうやら気絶していたらしい。 いつも見ていた悪夢と違い、温かく包まれるような夢だったな。 っと、慌てて今おかれている状況を確認する。 今いるこの島はいつ殺されてもおかしくない無法地帯だ。 なのにオレが生きているってことは、あの2人もここへは殺し合いに来たわけではないということ。 それなのにオレは…。 ふと先ほどの戦闘を思い出し、アルケミを殺したことを自責しかけたとき、腹部に鈍痛が走った。 とっさに手を当てる。 睡眠をとった(とらされた)ため体力は回復していたが負傷はヒールをかけねば治らない。 「!?」 明らかに治りが小さい。このくらいの打撲なら一度で痛みすらもなくなるのに。 「もしや先程の衝撃で…?」 立ち上がり、精神を集中して気を練る。 そうして自らの気を具現化したその淡く光る球を、早速目に付いた手ごろな岩に向かって撃ってみる。 いつもならばそれは粉々に砕け散るか、もしくはコルクを抜いたようにきれいに貫通する。 気が岩に着弾し、霧散した。いつもと手ごたえはかわらない。 だが今しがた撃った指弾は、着弾部分を抉りはしたものの岩を破壊するには至らなかった。 そのままヒールと指弾を数回試してみたが、やはり威力が落ちている。 恐らくあのアサシンにやられたせいであろう。 スキルがなくても戦えるが、それでも辛い。 弓や魔法といった遠距離攻撃をしてくる相手に対しては、特に苦戦するであろう。 そこで先程殺したアルケミストのことを思い出した。きっと自分をやったアサシンが埋葬しているだろう。 でももしそのままならせめて葬ってやりたいと思い、彼女が倒れた位置に向かった。 しかし、そこには遺体はなかった。やはりあのアサシンが…とそこで思考が止まった。 血の跡が全くない。周囲に水場もないし、雨が降った形跡もない。でも確かに指弾は命中した。 ということは、あのアルケミはオレの指弾を受けながらもまだ生きている! そうなるとオレのスキルが弱くなった原因がわからなくなってくるが、とりあえずアルケミが生きているだろうことに安堵する。 心地よい風が辺りを静かに吹き抜ける。 そして視界の隅に落ちていたサングラスに気づいてかけなおす。 もうギルドの指令は関係ない。 ここで望まぬ戦いを強いられている人を助けるために戦おう。 陽の傾いた空を仰いで、オレは"あの"2人に誓った。 <グラサンモンク> 現在位置:岩場(G-7) 所持品:緑ポーション5個 インソムニアックサングラス 外見的特徴:csm:4r0l6010i2 備考:特別枠    右心臓    ヒール、気功、白刃取り、指弾、金剛、阿修羅使用可能    気絶させられただけで死んではいない→目覚める(時間軸は056の後から日が暮れるよりは前)    助けを求める人達を守りたい 参考スレ:【18歳未満進入禁止】リアル・グRO妄想スレッド【閲覧注意】      作品「雨の日」「青空に響く鎮魂歌」よりモンク(♂モンクと区別するため便宜的にグラサンモンクと表記) ---- | [[戻る>2-060]] | [[目次>第二回目次]] | [[進む>2-062]] |

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