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101 覚悟と決意 ---- 振るわれたソードを、俺は簡単に避けた。 「うぁぁぁぁぁぁっ!」 ♀ノービスは叫ぶ。 何度もソードを俺を狙い振るう。 ……俺はコイツを殺すか迷っているのに、コイツは決断出来たらしい。 恐慌状態ではあるが……上出来だ。 俺なんかよりずっと良い。 俺には、出来ない。 先に決めたのはコイツ、俺はノービスよりも殺しに消極的なアサシン。 どんな切っ掛けにしろ。 コイツは俺を殺せる。 そして俺には、もう生きる価値は無い。 アサシンとして生きてきて、アサシンとしてしか生きられない俺には。 「もうイヤッ!こんな所イヤァァァァァッ!」 ♀ノービスの剣は俺には当たらない。 避けているから当たらない。 俺が避けるのを止めれば当たる。 だがそうやってコイツに俺が殺されれば、コイツはもう今度こそ戻れない。 俺があの時繋ぎとめたコイツの理性は、今度こそ消えてしまうだろうか。 こんな状態で誰かを殺してしまえばそうなるかもしれない。 俺から離れるにはまだ、コイツは熟していない。 「…………止めろ」 そう言うが、やはりそれくらいで止まりはしない。 まだその剣は俺を斬るべく振るわれる。 「……止めろッ!!」 横なぎに振るわれたソードを飛んで避け、それを思い切り踏み付ける。 「あっ」 ♀ノービスの手からソードは取り落とされ、俺はすぐにそれを拾った。 それを見た♀ノービスの顔を俺は見る。 「……泣くんじゃねぇ、武器を無くそうがお前はまだ死んじゃいない」 地面にへたりと座り込まれ。 「……うわぁぁぁぁぁぁぁん!」 うずくまって泣き出されてしまった。 「勝ち目が無くなったら逃げろ、命のやり取りじゃ泣かれたからって同情なんかしやしない」 聞こえていないだろう。 ♀ノービスはわんわん泣き喚き、泣き止む気配が無い。 泣き止ませたいところだがこんな経験は一度も無い。 ……面倒だ。 「ぁ、んッ!あ、あ……え?」 うずくまっているのを起こし、俺は。 思い切り♀ノービスを。 抱きしめた。 「心配するな、怖がるな。お前は死なせない」 「え……え?」 「最後までお前は死なせない、アサシンにしてやる。二人で帰る手段を見つけてやる」 「……で、でも……でも、わたし、今……」 「どうにもならないなら最後の二人になった時、俺が死ぬ。お前には生きる価値がある」 「……」 ♀ノービスは押し黙る。 やり方が強引過ぎただろうか。 「……えぐっ……ひっく、ひっく」 すすり泣かれる。 「あぁ、クソ……だから泣くな」 客観的に見て何かおかしいぞこの構図は。 年端もいかない少女を抱きしめる男。 そしてすすり泣く少女。 またある単語が浮かぶ。 「……だから違うって、違うんだよ」 そう呟きつつもこの状態は心地良いと思ってしまう。 暫くそんな時間を過ごしていたかった、だが。 ふと見た南方の森の上空に、見覚えのある火球が見えた。 次は火柱も上がった。 「荷物纏めろッ!とりあえず西だ!」 「……は、はいっ!」 ♀剣士は先の放送で死亡が報告された。 ならば、今度こそマジシャン系統かあるいはヘルファイアを何者かが手に入れたか。 何にしても、よその戦闘に積極的に関わるのは好ましくない。 とにかくここは逃げる。 鞄を持ち二人で駆け出そうとするが、その前に。 「……いいか?」 「あ……はい」 なんとなく深呼吸。 「お前は俺が護る、絶対に此処から帰す……忘れるな」 「……!はいっ!」 良い返事だ。 にやりと笑い、♂アサシンと♀ノービスは駆け出した。 <♂アサシン><現在位置:草原地帯、小さな木の下(F-6)> <所持品:フード[S]、レッドジェムストーン×1、未開封青箱×2> <スキル:クローキングLv10> <備考:♀ノービスを生き残らせると決意> <状態:西へ移動> <♀ノービス><現在位置:草原地帯、小さな木の下(F-6)> <所持品:ソード、未開封青箱×1> <スキル:死んだふり> <外見:ノビデフォ金髪> <状態:西へ移動> <残り37名> ---- | [[戻る>2-100]] | [[目次>第二回目次2]] | [[進む>2-102]] |
101 覚悟と決意 ---- 振るわれたソードを、俺は簡単に避けた。 「うぁぁぁぁぁぁっ!」 ♀ノービスは叫ぶ。 何度もソードを俺を狙い振るう。 ……俺はコイツを殺すか迷っているのに、コイツは決断出来たらしい。 恐慌状態ではあるが……上出来だ。 俺なんかよりずっと良い。 俺には、出来ない。 先に決めたのはコイツ、俺はノービスよりも殺しに消極的なアサシン。 どんな切っ掛けにしろ。 コイツは俺を殺せる。 そして俺には、もう生きる価値は無い。 アサシンとして生きてきて、アサシンとしてしか生きられない俺には。 「もうイヤッ!こんな所イヤァァァァァッ!」 ♀ノービスの剣は俺には当たらない。 避けているから当たらない。 俺が避けるのを止めれば当たる。 だがそうやってコイツに俺が殺されれば、コイツはもう今度こそ戻れない。 俺があの時繋ぎとめたコイツの理性は、今度こそ消えてしまうだろうか。 こんな状態で誰かを殺してしまえばそうなるかもしれない。 俺から離れるにはまだ、コイツは熟していない。 「…………止めろ」 そう言うが、やはりそれくらいで止まりはしない。 まだその剣は俺を斬るべく振るわれる。 「……止めろッ!!」 横なぎに振るわれたソードを飛んで避け、それを思い切り踏み付ける。 「あっ」 ♀ノービスの手からソードは取り落とされ、俺はすぐにそれを拾った。 それを見た♀ノービスの顔を俺は見る。 「……泣くんじゃねぇ、武器を無くそうがお前はまだ死んじゃいない」 地面にへたりと座り込まれ。 「……うわぁぁぁぁぁぁぁん!」 うずくまって泣き出されてしまった。 「勝ち目が無くなったら逃げろ、命のやり取りじゃ泣かれたからって同情なんかしやしない」 聞こえていないだろう。 ♀ノービスはわんわん泣き喚き、泣き止む気配が無い。 泣き止ませたいところだがこんな経験は一度も無い。 ……面倒だ。 「ぁ、んッ!あ、あ……え?」 うずくまっているのを起こし、俺は。 思い切り♀ノービスを。 抱きしめた。 「心配するな、怖がるな。お前は死なせない」 「え……え?」 「最後までお前は死なせない、アサシンにしてやる。二人で帰る手段を見つけてやる」 「……で、でも……でも、わたし、今……」 「どうにもならないなら最後の二人になった時、俺が死ぬ。お前には生きる価値がある」 「……」 ♀ノービスは押し黙る。 やり方が強引過ぎただろうか。 「……えぐっ……ひっく、ひっく」 すすり泣かれる。 「あぁ、クソ……だから泣くな」 客観的に見て何かおかしいぞこの構図は。 年端もいかない少女を抱きしめる男。 そしてすすり泣く少女。 またある単語が浮かぶ。 「……だから違うって、違うんだよ」 そう呟きつつもこの状態は心地良いと思ってしまう。 暫くそんな時間を過ごしていたかった、だが。 ふと見た南方の森の上空に、見覚えのある火球が見えた。 次は火柱も上がった。 「荷物纏めろッ!とりあえず西だ!」 「……は、はいっ!」 ♀剣士がまた暴れているのだろうか。 あるいは、今度こそマジシャンの類か。 何にしても、よその戦闘に積極的に関わるのは好ましくない。 とにかくここは逃げる。 鞄を持ち二人で駆け出そうとするが、その前に。 「……いいか?」 「あ……はい」 なんとなく深呼吸。 「お前は俺が護る、絶対に此処から帰す……忘れるな」 「……!はいっ!」 良い返事だ。 にやりと笑い、♂アサシンと♀ノービスは駆け出した。 <♂アサシン><現在位置:草原地帯、小さな木の下(F-6)> <所持品:フード[S]、レッドジェムストーン×1、未開封青箱×2> <スキル:クローキングLv10> <備考:♀ノービスを生き残らせると決意> <状態:西へ移動> <♀ノービス><現在位置:草原地帯、小さな木の下(F-6)> <所持品:ソード、未開封青箱×1> <スキル:死んだふり> <外見:ノビデフォ金髪> <状態:西へ移動> <残り37名> ---- | [[戻る>2-100]] | [[目次>第二回目次2]] | [[進む>2-102]] |

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