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106.種族を超えた絆 【夕方】 ---- …間違いない、アイツだ。俺達の言葉がわかる人間なんて世界のどこ探したって1人しかいねぇ。 最近さっぱり見かけないからどこほっつき歩いてんだと思ってたら…そんなものに巻き込まれていやがったか。 全く世話の焼けるヤツだ、昔から。 「しょおおおがねぇなぁ。めんどくせーがちょいと行って来るわ。なんせアイツはオレサマがいないとなんにもできないヤツだからナ!」 と、アイツの話をしてくれた仲間の鷹に言った。そう、アイツはオレサマがいてやらなきゃだめなのだ。 『ねぇ、あなたのお名前は?』 そんなもんねぇよ悪いか?オレサマはオレサマ、しがない鷹の一羽(ヒトリ)だよ。 『名前ないの?じゃああたしがつけてあげる。んーとねぇ……ファルコンだからふぁるでいい?』 おいおい安直だナ。それにもっとこうオレサマにふさわしいカッコいい… 『じゃあ今日からあなたはふぁるねー。』(ぎゅー) おいこらやめろっ。オレサマの美しい羽が乱れるだろう! それに誰もいいなんて言ってな… 『わーい、ふぁるーふぁるー。』 『あ、ヘアバンド落としたよ?やったー!』 ふっ、オレサマに感謝しろよ。オレサマの日頃の行いが良かったからだからナ。 『うん。ふぁるーありがとね。』 そうそう、ちゃんとわかってるじゃねぇか…っておいまてこら、何をする!? 『え?ふぁるにつけてあげるんだよ?』 い、いらん、そんなもの。それに頭に付けたら自分でとれねーじゃねーか! 『遠慮しなくていいから…ほらやっぱりかわいー』(ぎゅー) だからそれはやめろっていつも言ってるだろう! 『わーい、ふぁるーふぁるー。』 『ふぁるぅ…』 なんだよ、情けない声出してんじゃねぇよ。 『あのね、矢がなくなっちゃったんだけど…どうしよう?』 あのな、オレサマは冗談は好かんぞ。 ダンジョンのど真ん中でそんな下らないこと言ってんじゃねぇ。 『ごめんね、ほんとなの。どーしよ、どーしよー?』 …知らん。オレサマは飛べるし一羽(ヒトリ)でも帰れるから別に困らねぇしナ。 まぁここらの亡者達も新しい仲間ができてさぞかしうれし… 『うう……ぐす……ひっく…』 ああもう泣いてんじゃねぇよ、泣いて助かるんならケーサツはいらねー(!?)っての! 『ぐすっ…えうう』 ……ったく、しょうがねーなー。今夜は肉奮発しろよ? 『ぐす…え?』 あのな、次やったらホントに見捨てるが今日は大サービスだ、しっかりついて来いよ! 『う、うんっ』 おーらおらおらー!この嘴のサビになりたくないヤツはそこをどきやがれ! 確かあの後は羽をまた揉みくちゃにされた挙句、そのまま寝やがったからオレサマは晩飯にありつけなかったんだ。 でもまぁ翌日の晩飯は上等な肉だったからココロの広いオレサマは許してやったけどナ。 そんなことを思い出しながらアイツの倉庫を引っ掻き回す。 モンスターの人形やら、大量の白い毛、色とりどりのハーブ、変な耳みたいな飾りがついたヘアバンドなど全くロクなもんがない。 それでも奥のほうにアイツが昔使っていたらしい使い古しの弓があったので、早速それを両足の爪に食い込ませて赤い空に飛び立つ。 せっかくこのオレサマがわざわざ助けに行ってやるんだ!生きてなきゃ許さねぇからな! <ふぁる 現在位置…フェイヨン上空> <所持品:+2バイタルシュールドボウ[3]、リボンのヘアバンド> <スキル:ブリッツビート スチールクロウ> <備考:なんだかんだいいながら♀ハンターが心配で堪らない。ツンデレ?> <状態:♀ハンターが行方不明で心配していた。居所がわかり居ても立ってもいられず島へ向かう。 島までの距離=島に着くまでの時間は他の人にお任せします。> ---- | [[戻る>2-105]] | [[目次>第二回目次2]] | [[進む>2-107]] |

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