「2-111」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

2-111」(2006/08/09 (水) 14:50:14) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

111. 妄想渦巻く夜の姫 【定時放送後~夜】 ---- 「はぁ・・・・・・はぁ・・・、多分・・・もう、ここまで来れば・・・・・・大丈夫・・・な、はず・・・」 息を切らせながら、♂ハンターは痛む腕で地図を取り出し、現在位置を確認する。地図の中で一際目立つ赤い輝きは、自分達のいるこの場所が地点G-5であることを示していた。見渡せば砂地交じりの草原が広がっており、ぽつりぽつりとまばらに木々が立ち並んでいる。 見晴らしは悪くないし、こちらには遠くから攻撃ができる武器もある。幸いにして俺もこの子も弓使いだ。研ぎ澄まされた“梟の目”により、夜目は効く。もし近くにゲームに乗り気な奴がいても、襲われる前に手は打てる筈だ。陽も落ちた今、他の参加者達も日中ほど活動は活発ではないだろう。ヘタに動いて誰かとハチ合わせる危険を冒すよりは、こういった視界のいい場所でとりあえず体を休めよう。そう判断し、♂ハンターは草地の真ん中に腰を下ろした。 「王子様っ、大丈夫ですか・・・あたしの、あたしのために・・・・・・」 ♀アーチャーはここまで走ってくる道中から、こればかりだ。そこまで心配してくれるのは嬉しいが、傷自体は浅く、痛みも大したものではない。この程度ならば弓を引くにも不自由はしないだろう。それに今は、そんなことよりも他に心配することが多すぎる。 既に、忌まわしいジョーカーの読み上げた定時放送から、30分は経過している。♂アコライトとジルタスはうまく逃げることができただろうか。あの時ジルタスがいなければ、俺はあそこでやられていたかもしれないんだ。何とか、無事でいて欲しい。 そしてあの♂ローグはどうなったのか。禁止エリアに引っかかってどうにかなってくれればいいんだが・・・もしあいつも無事だとすれば、この辺りまでやって来る可能性もある。とにかく、接近者には厳重に注意しないと・・・。 ぐるぐると♂ハンターがまとまらない思考を巡らせている時、♀アーチャーのほうも、彼女は彼女で何やら唸りながら考え込んでいた。 「どうしよう、このままじゃ王子様が・・・・・・ううん、今こそあたしが頑張る時・・・、そうなんですね・・・王子様! 見ていてくださいっ」 「はぁ・・・?」 「そう、王子様の傷を治すためにはもう私が魔女のお婆さんからどんな怪我にも効く魔法の秘薬を受け取ってくるしかないわ・・・! でも・・・でも・・・・・・・・・!! お、王子様っ、もし・・・もしあたしが悪い魔女にカエルにされちゃっても、ずっとずっと、あたしの王子様でいてくれますか・・・・・・?」 「あのなぁ・・・俺は腕、怪我してんだから、あんまりツッコミ入れさせないでくれよ・・・」 本気で涙目になりながらそんな突拍子もない事を言う♀アーチャーに、痛む右手で律儀にびしっと突っ込みながら、♂ハンターは溜息。 「さっきから言ってるだろ、この程度の怪我なら気にするほどでもないって。それに、支給品の中に赤ぽも入ってたから、あとで塗っとくさ。それよりも・・・はい、ここから大事な話に入るぞ」 空中に横線を引くように両手を動かした。♀アーチャーに伝わったかは定かではないが、妄想cat lineということだろう。ぐつぐつにゃーにゃー。 「俺達はこれからどうするか、だ」 「あ、あたしは王子様についていきますっ!」 ささっと草の上に正座しながら答える♀アーチャーに苦笑しつつ、 「だからさ・・・勿論、二人でこれからどうしようか、って話だよ」 ♂アコライトやジルタスの安全を確認しに行きたいのは山々だが、一度はぐれてしまった彼等と出会うのは容易ではないだろう。それに♂ローグに出くわす危険性、そして―― (考えたくはないけど・・・もう、やられてしまってる可能性だって・・・) 不安を打ち消すように、♂ハンターはすっくと立ち上がった。 「とりあえず、そうだな・・・もう夜なんだし、君も疲れてるだろう? ちょっと、横になって休んどくといいよ。 見張りは交代で、ってことで・・・先に俺がやるからさ」 「え、でも王子様が一緒に寝てくれないと、あたし眠れません・・・」 「そんな事したら二人とも寝てる時に誰かに襲われたらひとたまりもないでしょッ!」 びしっ、ずきぃ。ツッコミを入れた右手がやっぱり痛む。 「疲れは取れる時に取っとかないと、明日持たなくなるから・・・ね。寝ときなって」 本当は一番疲れてるのは♂ハンターだったが、顔には出さず、代わりに微笑んでみせる。 「でも・・・」 「眠れそうにない・・・?」 「寝てる時に王子様に襲われたら、あたし・・・まだ心の準備が・・・(*ノノ)」 「誰が襲うかッ!」 びっしぃ・・・・・・ずきん。 <♂ハンター> <現在地:G-5(G-6境界付近)> <所持品・・・アーバレスト、大量の矢、ナイフ> <外見:マジデフォ金髪 顔に気苦労が滲み出ている> <性格:お人よしで苦労性 意思は強い> <備考:極度の不幸体質 D-A二極ハンタ > <状態:右腕に傷、しかし浅い> <♀アーチャー> <現在地:G-5(G-6境界付近)> <所持品:プリンセスナイフ> <外見:アチャデフォピンク(公式どおり) 見かけは可愛い> <性格:思い込みが激しく電波気味> <備考:弓の扱いがど下手(弓が嫌い?) 妄想癖あり ♂ハンターを慕う> <状態:仮眠> ---- | [[戻る>2-110]] | [[目次>第二回目次2]] | [[進む>2-112]] |
111. 妄想渦巻く夜の姫 【定時放送後~夜】 ---- 「はぁ・・・・・・はぁ・・・、多分・・・もう、ここまで来れば・・・・・・大丈夫・・・な、はず・・・」 息を切らせながら、♂ハンターは痛む腕で地図を取り出し、現在位置を確認する。地図の中で一際目立つ赤い輝きは、自分達のいるこの場所が地点G-5であることを示していた。見渡せば砂地交じりの草原が広がっており、ぽつりぽつりとまばらに木々が立ち並んでいる。 見晴らしは悪くないし、こちらには遠くから攻撃ができる武器もある。幸いにして俺もこの子も弓使いだ。研ぎ澄まされた“梟の目”により、夜目は効く。もし近くにゲームに乗り気な奴がいても、襲われる前に手は打てる筈だ。陽も落ちた今、他の参加者達も日中ほど活動は活発ではないだろう。ヘタに動いて誰かとハチ合わせる危険を冒すよりは、こういった視界のいい場所でとりあえず体を休めよう。そう判断し、♂ハンターは草地の真ん中に腰を下ろした。 「王子様っ、大丈夫ですか・・・あたしの、あたしのために・・・・・・」 ♀アーチャーはここまで走ってくる道中から、こればかりだ。そこまで心配してくれるのは嬉しいが、傷自体は浅く、痛みも大したものではない。この程度ならば弓を引くにも不自由はしないだろう。それに今は、そんなことよりも他に心配することが多すぎる。 既に、忌まわしいジョーカーの読み上げた定時放送から、30分は経過している。♂アコライトとジルタスはうまく逃げることができただろうか。あの時ジルタスがいなければ、俺はあそこでやられていたかもしれないんだ。何とか、無事でいて欲しい。 そしてあの♂ローグはどうなったのか。禁止エリアに引っかかってどうにかなってくれればいいんだが・・・もしあいつも無事だとすれば、この辺りまでやって来る可能性もある。とにかく、接近者には厳重に注意しないと・・・。 ぐるぐると♂ハンターがまとまらない思考を巡らせている時、♀アーチャーのほうも、彼女は彼女で何やら唸りながら考え込んでいた。 「どうしよう、このままじゃ王子様が・・・・・・ううん、今こそあたしが頑張る時・・・、そうなんですね・・・王子様! 見ていてくださいっ」 「はぁ・・・?」 「そう、王子様の傷を治すためにはもう私が魔女のお婆さんからどんな怪我にも効く魔法の秘薬を受け取ってくるしかないわ・・・! でも・・・でも・・・・・・・・・!! お、王子様っ、もし・・・もしあたしが悪い魔女にカエルにされちゃっても、ずっとずっと、あたしの王子様でいてくれますか・・・・・・?」 「あのなぁ・・・俺は腕、怪我してんだから、あんまりツッコミ入れさせないでくれよ・・・」 本気で涙目になりながらそんな突拍子もない事を言う♀アーチャーに、痛む右手で律儀にびしっと突っ込みながら、♂ハンターは溜息。 「さっきから言ってるだろ、この程度の怪我なら気にするほどでもないって。それに、支給品の中に赤ぽも入ってたから、あとで塗っとくさ。それよりも・・・はい、ここから大事な話に入るぞ」 空中に横線を引くように両手を動かした。♀アーチャーに伝わったかは定かではないが、妄想cat lineということだろう。ぐつぐつにゃーにゃー。 「俺達はこれからどうするか、だ」 「あ、あたしは王子様についていきますっ!」 ささっと草の上に正座しながら答える♀アーチャーに苦笑しつつ、 「だからさ・・・勿論、二人でこれからどうしようか、って話だよ」 ♂アコライトやジルタスの安全を確認しに行きたいのは山々だが、一度はぐれてしまった彼等と出会うのは容易ではないだろう。それに♂ローグに出くわす危険性、そして―― (考えたくはないけど・・・もう、やられてしまってる可能性だって・・・) 不安を打ち消すように、♂ハンターはすっくと立ち上がった。 「とりあえず、そうだな・・・もう夜なんだし、君も疲れてるだろう? ちょっと、横になって休んどくといいよ。 見張りは交代で、ってことで・・・先に俺がやるからさ」 「え、でも王子様が一緒に寝てくれないと、あたし眠れません・・・」 「そんな事したら二人とも寝てる時に誰かに襲われたらひとたまりもないでしょッ!」 びしっ、ずきぃ。ツッコミを入れた右手がやっぱり痛む。 「疲れは取れる時に取っとかないと、明日持たなくなるから・・・ね。寝ときなって」 本当は一番疲れてるのは♂ハンターだったが、顔には出さず、代わりに微笑んでみせる。 「でも・・・」 「眠れそうにない・・・?」 「寝てる時に王子様に襲われたら、あたし・・・まだ心の準備が・・・(*ノノ)」 「誰が襲うかッ!」 びっしぃ・・・・・・ずきん。 &lt;♂ハンター&gt; &lt;現在地:G-5(G-6境界付近)&gt; &lt;所持品・・・アーバレスト、大量の矢、ナイフ&gt; &lt;外見:マジデフォ金髪 顔に気苦労が滲み出ている&gt; &lt;性格:お人よしで苦労性 意思は強い&gt; &lt;備考:極度の不幸体質 D-A二極ハンタ &gt; &lt;状態:右腕に傷、しかし浅い&gt; &lt;♀アーチャー&gt; &lt;現在地:G-5(G-6境界付近)&gt; &lt;所持品:プリンセスナイフ&gt; &lt;外見:アチャデフォピンク(公式どおり) 見かけは可愛い&gt; &lt;性格:思い込みが激しく電波気味&gt; &lt;備考:弓の扱いがど下手(弓が嫌い?) 妄想癖あり ♂ハンターを慕う&gt; &lt;状態:仮眠&gt; ---- | [[戻る>2-110]] | [[目次>第二回目次2]] | [[進む>2-112]] |

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
人気記事ランキング
目安箱バナー