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112.彼の長い夜【定時放送後~深夜】 ---- ――ピ、ピ、ピ 無様に木々の間を疾走しながら、追われる狐は今にも自分の肩を叩こうとしている死の気配を無理矢理に押しとどめる。 大丈夫だ、このエリアは確か陸地が半分もなかった。 こうして海に背を向けてひた走っているのだから、必ず出られるはず、と自身に言い聞かせながら。 ――ピピ、ピピ、ピピ、ピ 「ちく……ショオッ! まだ一匹しか刻んでねえっつーんだよ!」 先程より一段早くなった音の間隔の意味を、狐は本能で察知する。 もうあと10分も猶予があるだろうか?いや、やめよう。残り時間のことを考えている余裕はない。 さっきまで居た小屋が東よりなのか西よりなのかを思い出す余裕もまた、ない。 この区画を抜けられなければ即ち、死を迎えるだけなのだ。 彼はひたすら、南に走る。今はとにかく確実に生き延びることだけを考えろ。 ――ピピピピ、ピピピ、ピピピピ 「クソが!カウントダウンのつもりか!」 音が忌々しくて思わず悪態をつく。と、突然体に重力を感じた。さっきまで足裏に伝わっていた固い地面を走る感覚が 途端に砂地を蹴るように重くなり、あまりの変異に足を取られた。このままでは転ぶ。そうして速度を落せば、そのまま死ぬ。 反射的に馬碑をもう一つ握りつぶし、瞬間弾き飛ばされるように加速する自分の体に 猛烈な吐き気と耳鳴りを覚えながらも、ひた走る。走る、走る、走る。 ――ピピピピピピピピピピピピピピピピピ 潅木を乗り越えゆるい上り坂を駆け抜け湿った地面をしっかりと蹴りながら。 走れ 走れ 走れ 走れ 走れ 止まるな 止まるな 止まるな 行け 行け 生きろ! 「うらぁぁぁぁ!!」 ボン、と彼には到底聞こえ得ない場所で憐れな男が盛大な最期の声を上げ ――ピ ――ピピピ ピピピ ピピピ そうして追われる獣の生への執着は、呆れるほどに強い   ――ピピ ピピ 完全に木立ちから森へと風景が変わった頃、気付けば首元から聞こえる音に切迫した響きはなくなっていた。 それでもやはりどこか恐ろしくてそのまま走り続ければ、やがて音は止まってしまう。 「抜け、た……か…?」 呟きまろぶように足を止め、馬鹿馬鹿しいことに自分の首が繋がっていることをその手で確かめて、 そうして♂ローグはどう、と受け身もとらずにその場に倒れ伏した。 彼の体が発揮できる速力をさらに超え駆け続けたために、 足はおろか上体、腕までも――つまり全身が緊張状態を放棄した結果だった。 *** ――ピ ピ ピ 「はーん、近づいても警告音ってわけか」 しばらく突っ伏していた♂ローグが漸く動けるようになったのは、月がその身二つ分傾いてからだった。 まだ体のはしばしに鈍い痛みは残るが、だからといってそのまま転がっているわけにもいかない。 地図で現在地を確認してから、ふと道中首輪の警告音が段々と消えていった事に思い当たり 自分が走ってきた方向に戻ってみれば、やはりしばらく歩くうちに例の電子音が鳴り出した。 どこまで踏み込めば禁止区域なのか、とも思ったが確証がないためこれ以上は近づけない。 こんな場所では死ねない。彼の命は、もっともっと他の肉を陵辱するために今この島にある。 危ない時には音が鳴る、それが分かれば今は充分と探索はそれまでにした。 音が鳴り出す場所より半歩南側に腰を据え、体を休める。禁止区域にほど近いこの場所ならわざわざ 突っ込んでくる馬鹿もそう居ないだろう、と。本来なら殺し合いの場において仕掛けの一つでも用意 しておくべきなのだが、あいにく罠を張って待つ事は彼の性分には合わなかったので採用されなかった。 「普通ならぶっ殺すのは夜、だが…」 せっかく合法で狩りが出来るとあっちゃぁ、断然昼間楽しんだほうが得だよなぁ、呟いて殊更楽しそうに笑う。 第一、寝込みを襲ったところでたいして面白くもないし、あまり暗くては引きつった表情も鑑賞できない。 「やっぱ血は赤くねぇとな」 包丁を拭き、支給された薬品でここまで走る間に負った細かい傷の処置をしていた彼は、 ズボンに付着した中年男の血を一瞥する。月が出ているとはいえ深夜の森の中では 血の汚れはただの黒い染みでしかなかった。あんな豚を嬲ったところで面白くもなんともない。 彼が聞きたいのは、人間の悲鳴だ。人間が殺されるときにその肉から搾り出される、命が上げる悲鳴だ。 逃がした4人はまだそう遠く離れていないだろうし。そして恐らく少なくとも二手に分かれているはず。 これはもう明日にでも殺そう、と♂ローグは口元を歪ませる。 「朝になったら気合入れてハンティングといくか」 一先ず休息を取り明日の仕事に備えよう、そう方針を決めた彼は、 元々自分の支給品である食料――それを3日分にわけておいたもの――を取り出し渋々頬張る。 これでは4日目の朝には尽きる計算になるのだが、いかんせん4日分で分けていては一食がかなり少ないのだ。 最終日に足りなくなった分は……そこら辺のヘビでもカエルでも捕まえて食べればいいだけのことだろう。 「ぁー。明日から殺す奴はとりあえず食ってみるかぁ?」 禁忌の味であるとされるそれは、筋張ったサベージなどより余程美味いと聞くが、果たして真偽の程はどうなのだろうか。 半ば本気で現地調達する食事の算段を立てながらも、商人と脂肪から奪ったものには手をつけずにおく。 正直、支給された食事についてはさほどに心配することもないだろうと彼は踏んでいる。 このゲームは、曰くイカレた年増の鬱憤晴らしだ。毒を仕込んで参加者を殺すなど そこらの刑罰と何も変わらないではないか。芸が無いにも程がある。他の参加者にしたって、自分が 死ぬことを想定して毒を仕込むはずもない――とは思うものの、欺瞞と嘲笑の充満する世界で生きてきた ♂ローグにとっては、自身への支給品を口にすることが彼の本能の許す最大限の譲歩だった。 もごもごといかにも居心地が悪そうに干し肉を咀嚼し、無理矢理水を含み流し込む。とにかく食事は終わりだ。 さて、と荷物を見やる。視線の先には子供が持っていた菓子が2つ残っている。 あの豚野郎は特に体調に異常をきたしてはいなかったようだが、しかし。 即効性の致死毒でないことは分かったし、幻覚を見せるものでもなさそうだった。 けれど、たかだか半日のことでこれが無害であるとの断定もできないだろう。 ……の前に、あのクソピエロが仕込んだモンがただの食い物なわきゃねぇンだよ。 そうごちて、今更ながらぶつけようのない苛立ちがこみ上げる。 首輪の件もある。あの男とこの島、どこまでがフェイクなのか分かったものではない。 「この地図は…俺が死なねぇところを見ると位置なんかは正確なんだろうがなぁ。 つーかどういう原理だよ、こりゃ」 胸くそ悪い、そう思いながらもこれを捨てるわけには行かない。今後殺し続け、最後にクソピエロもぶっ殺すためには どうしても必要なものだ、そう自分に言い聞かせて広げた荷物を纏めはじめる。 包丁は厚手の布(元は最初のガキのズボンだ)で包んでおく。食事は自分の分と拾った物を別にして 仕舞い、次は、と手を動かして馬碑に指が当たった。コト、と転げ出たそれは2つ。 その魔力のほどは身をもって体験したが、しかし反動は決して軽いものではではない。 立て続けに二度使用した所為であるかもしれないが、一度の使用で副作用が出ない保証はなく。 いちいちランニングの度に寝っ転がっていたのでは意味が無い、のだ、が。やはりあればあったで何かの役には立つか。 この島では、移動の邪魔にならない限り物を持っていたほうがいいだろう。 荷物の整理を終え腰の高さまである茂みの中に寝床を作る。気配を感じればすぐに覚醒できるよう訓練はされたが、 やはりこのように特殊な環境下では少々不安が残る。ひとまずこの場所ならば、周りの茂みを乗り越えて 近づこうとすれば派手な音が立つだろう。弓を持ち出しても遮蔽物の多さでとても狙えまい。 悲鳴を上げる体を休めながら見上げた空は、彼が疎んだ世界と変わらず星が瞬いている。 ただ、決定的に違う流れる死の気配と漂う血の匂い。それはまさしく日常に厭いた♂ローグが望んでやまないものだった。 全く散々な一日だ、と彼は今日の出来事を反芻する。まずは蝿の止まるほどトロい女からか、とやる気を出したところで逃げられる。 気を取り直して女連れのボケっとした騎士を襲えば邪魔が入る。そうして先程見つけたせっかくの斬りごたえのある獲物を2匹も逃がした。 決して装備に恵まれていないわけではない。だのに、切り刻めた肉はたったの一塊。 ん、一つと半分か?…いや、あの中年は脂肪だらけで嬲り甲斐のない体だったから、やはり一つ、だ。 放送で知らされた内容によれば確か、参加者は残り約40人。すでに彼が殺せる獲物は10近くも減ってしまった。 自分以外にも殺しまわっている奴が居る以上、ここからの殺戮は早い者勝ちになるだろう。 明日から何が何でも始まらせてやるめくるめく虐殺の数々を夢見ながら、彼は眠りについた。 <♂ローグ> <所持品:包丁、クロスボウ、望遠鏡、寄生虫の卵入り保存食×2、馬牌×2、青箱×1> <外見:片目に大きな古傷> <性格:殺人快楽至上主義> <状態:体が軋む(たぶん筋肉痛)が眠れば問題なさそう?(I-6)> <備考:GMと多少のコンタクト有、自分を騙したGMジョーカーも殺す> ---- | [[戻る>2-111]] | [[目次>第二回目次2]] | [[進む>2-113]] |
112.彼の長い夜【定時放送後~深夜】 ---- ――ピ、ピ、ピ 無様に木々の間を疾走しながら、追われる狐は今にも自分の肩を叩こうとしている死の気配を無理矢理に押しとどめる。 大丈夫だ、このエリアは確か陸地が半分もなかった。 こうして海に背を向けてひた走っているのだから、必ず出られるはず、と自身に言い聞かせながら。 ――ピピ、ピピ、ピピ、ピ 「ちく……ショオッ! まだ一匹しか刻んでねえっつーんだよ!」 先程より一段早くなった音の間隔の意味を、狐は本能で察知する。 もうあと10分も猶予があるだろうか?いや、やめよう。残り時間のことを考えている余裕はない。 さっきまで居た小屋が東よりなのか西よりなのかを思い出す余裕もまた、ない。 この区画を抜けられなければ即ち、死を迎えるだけなのだ。 彼はひたすら、南に走る。今はとにかく確実に生き延びることだけを考えろ。 ――ピピピピ、ピピピ、ピピピピ 「クソが!カウントダウンのつもりか!」 音が忌々しくて思わず悪態をつく。と、突然体に重力を感じた。さっきまで足裏に伝わっていた固い地面を走る感覚が 途端に砂地を蹴るように重くなり、あまりの変異に足を取られた。このままでは転ぶ。そうして速度を落せば、そのまま死ぬ。 反射的に馬碑をもう一つ握りつぶし、瞬間弾き飛ばされるように加速する自分の体に 猛烈な吐き気と耳鳴りを覚えながらも、ひた走る。走る、走る、走る。 ――ピピピピピピピピピピピピピピピピピ 潅木を乗り越えゆるい上り坂を駆け抜け湿った地面をしっかりと蹴りながら。 走れ 走れ 走れ 走れ 走れ 止まるな 止まるな 止まるな 行け 行け 生きろ! 「うらぁぁぁぁ!!」 ボン、と彼には到底聞こえ得ない場所で憐れな男が盛大な最期の声を上げ ――ピ ――ピピピ ピピピ ピピピ そうして追われる獣の生への執着は、呆れるほどに強い   ――ピピ ピピ 完全に木立ちから森へと風景が変わった頃、気付けば首元から聞こえる音に切迫した響きはなくなっていた。 それでもやはりどこか恐ろしくてそのまま走り続ければ、やがて音は止まってしまう。 「抜け、た……か…?」 呟きまろぶように足を止め、馬鹿馬鹿しいことに自分の首が繋がっていることをその手で確かめて、 そうして♂ローグはどう、と受け身もとらずにその場に倒れ伏した。 彼の体が発揮できる速力をさらに超え駆け続けたために、 足はおろか上体、腕までも――つまり全身が緊張状態を放棄した結果だった。 +++ ――ピ ピ ピ 「はーん、近づいても警告音ってわけか」 しばらく突っ伏していた♂ローグが漸く動けるようになったのは、月がその身二つ分傾いてからだった。 まだ体のはしばしに鈍い痛みは残るが、だからといってそのまま転がっているわけにもいかない。 地図で現在地を確認してから、ふと道中首輪の警告音が段々と消えていった事に思い当たり 自分が走ってきた方向に戻ってみれば、やはりしばらく歩くうちに例の電子音が鳴り出した。 どこまで踏み込めば禁止区域なのか、とも思ったが確証がないためこれ以上は近づけない。 こんな場所では死ねない。彼の命は、もっともっと他の肉を陵辱するために今この島にある。 危ない時には音が鳴る、それが分かれば今は充分と探索はそれまでにした。 音が鳴り出す場所より半歩南側に腰を据え、体を休める。禁止区域にほど近いこの場所ならわざわざ 突っ込んでくる馬鹿もそう居ないだろう、と。本来なら殺し合いの場において仕掛けの一つでも用意 しておくべきなのだが、あいにく罠を張って待つ事は彼の性分には合わなかったので採用されなかった。 「普通ならぶっ殺すのは夜、だが…」 せっかく合法で狩りが出来るとあっちゃぁ、断然昼間楽しんだほうが得だよなぁ、呟いて殊更楽しそうに笑う。 第一、寝込みを襲ったところでたいして面白くもないし、あまり暗くては引きつった表情も鑑賞できない。 「やっぱ血は赤くねぇとな」 包丁を拭き、支給された薬品でここまで走る間に負った細かい傷の処置をしていた彼は、 ズボンに付着した中年男の血を一瞥する。月が出ているとはいえ深夜の森の中では 血の汚れはただの黒い染みでしかなかった。あんな豚を嬲ったところで面白くもなんともない。 彼が聞きたいのは、人間の悲鳴だ。人間が殺されるときにその肉から搾り出される、命が上げる悲鳴だ。 逃がした4人はまだそう遠く離れていないだろうし。そして恐らく少なくとも二手に分かれているはず。 これはもう明日にでも殺そう、と♂ローグは口元を歪ませる。 「朝になったら気合入れてハンティングといくか」 一先ず休息を取り明日の仕事に備えよう、そう方針を決めた彼は、 元々自分の支給品である食料――それを3日分にわけておいたもの――を取り出し渋々頬張る。 これでは4日目の朝には尽きる計算になるのだが、いかんせん4日分で分けていては一食がかなり少ないのだ。 最終日に足りなくなった分は……そこら辺のヘビでもカエルでも捕まえて食べればいいだけのことだろう。 「ぁー。明日から殺す奴はとりあえず食ってみるかぁ?」 禁忌の味であるとされるそれは、筋張ったサベージなどより余程美味いと聞くが、果たして真偽の程はどうなのだろうか。 半ば本気で現地調達する食事の算段を立てながらも、商人と脂肪から奪ったものには手をつけずにおく。 正直、支給された食事についてはさほどに心配することもないだろうと彼は踏んでいる。 このゲームは、曰くイカレた年増の鬱憤晴らしだ。毒を仕込んで参加者を殺すなど そこらの刑罰と何も変わらないではないか。芸が無いにも程がある。他の参加者にしたって、自分が 死ぬことを想定して毒を仕込むはずもない――とは思うものの、欺瞞と嘲笑の充満する世界で生きてきた ♂ローグにとっては、自身への支給品を口にすることが彼の本能の許す最大限の譲歩だった。 もごもごといかにも居心地が悪そうに干し肉を咀嚼し、無理矢理水を含み流し込む。とにかく食事は終わりだ。 さて、と荷物を見やる。視線の先には子供が持っていた菓子が2つ残っている。 あの豚野郎は特に体調に異常をきたしてはいなかったようだが、しかし。 即効性の致死毒でないことは分かったし、幻覚を見せるものでもなさそうだった。 けれど、たかだか半日のことでこれが無害であるとの断定もできないだろう。 ……の前に、あのクソピエロが仕込んだモンがただの食い物なわきゃねぇンだよ。 そうごちて、今更ながらぶつけようのない苛立ちがこみ上げる。 首輪の件もある。あの男とこの島、どこまでがフェイクなのか分かったものではない。 「この地図は…俺が死なねぇところを見ると位置なんかは正確なんだろうがなぁ。 つーかどういう原理だよ、こりゃ」 胸くそ悪い、そう思いながらもこれを捨てるわけには行かない。今後殺し続け、最後にクソピエロもぶっ殺すためには どうしても必要なものだ、そう自分に言い聞かせて広げた荷物を纏めはじめる。 包丁は厚手の布(元は最初のガキのズボンだ)で包んでおく。食事は自分の分と拾った物を別にして 仕舞い、次は、と手を動かして馬碑に指が当たった。コト、と転げ出たそれは2つ。 その魔力のほどは身をもって体験したが、しかし反動は決して軽いものではではない。 立て続けに二度使用した所為であるかもしれないが、一度の使用で副作用が出ない保証はなく。 いちいちランニングの度に寝っ転がっていたのでは意味が無い、のだ、が。やはりあればあったで何かの役には立つか。 この島では、移動の邪魔にならない限り物を持っていたほうがいいだろう。 荷物の整理を終え腰の高さまである茂みの中に寝床を作る。気配を感じればすぐに覚醒できるよう訓練はされたが、 やはりこのように特殊な環境下では少々不安が残る。ひとまずこの場所ならば、周りの茂みを乗り越えて 近づこうとすれば派手な音が立つだろう。弓を持ち出しても遮蔽物の多さでとても狙えまい。 悲鳴を上げる体を休めながら見上げた空は、彼が疎んだ世界と変わらず星が瞬いている。 ただ、決定的に違う流れる死の気配と漂う血の匂い。それはまさしく日常に厭いた♂ローグが望んでやまないものだった。 全く散々な一日だ、と彼は今日の出来事を反芻する。まずは蝿の止まるほどトロい女からか、とやる気を出したところで逃げられる。 気を取り直して女連れのボケっとした騎士を襲えば邪魔が入る。そうして先程見つけたせっかくの斬りごたえのある獲物を2匹も逃がした。 決して装備に恵まれていないわけではない。だのに、切り刻めた肉はたったの一塊。 ん、一つと半分か?…いや、あの中年は脂肪だらけで嬲り甲斐のない体だったから、やはり一つ、だ。 放送で知らされた内容によれば確か、参加者は残り約40人。すでに彼が殺せる獲物は10近くも減ってしまった。 自分以外にも殺しまわっている奴が居る以上、ここからの殺戮は早い者勝ちになるだろう。 明日から何が何でも始まらせてやるめくるめく虐殺の数々を夢見ながら、彼は眠りについた。 <♂ローグ> <所持品:包丁、クロスボウ、望遠鏡、寄生虫の卵入り保存食×2、馬牌×2、青箱×1> <外見:片目に大きな古傷> <性格:殺人快楽至上主義> <状態:体が軋む(たぶん筋肉痛)が眠れば問題なさそう?(I-6)> <備考:GMと多少のコンタクト有、自分を騙したGMジョーカーも殺す> ---- | [[戻る>2-111]] | [[目次>第二回目次2]] | [[進む>2-113]] |

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