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127 定時放送② ----  あー、あー・・・こほん。こもった低い声が島全体を包む朝靄に混じる。すぐにその声は、悪意に満ち満ちた聴き覚えのある男の口調に変わった。 「はい皆様、素敵な朝をお過ごしでしょうか? お早うございます。流石にもう覚えられましたよね? ジョーカーです。まだお目覚めになっていない方もおられるかもしれませんが、早く起きて頂かないと、大切な情報をお聞き逃しになってしまわれますよ?」  参加者達の反応を窺うように、ジョーカーの声はそこで一旦止まった。そのまま二度と声が聴こえなくなってくれればいいと、果たして何人の参加者がそう思ったことか。 「さて、まずはここまでの死亡者の発表ですね。いやですね、夜とはいえ全っ然誰も死んでくれなかったので、柄にもなく焦っちゃったんですよ、私。最終的には何とか、そこそこの人数には達しましたがね。  では、読み上げますよー」 一拍置いて、 「まずは・・・♀剣士さん。  続きまして、♀セージさん。  バードさん。  我が国の工務大臣様。彼は非常にこのゲームに参加したがっていたので、女王様が特別に参加を許したのですがね。もう少し頑張って貰いたかったものです。  ええ、さらに続きます。♀クルセイダーさん。  ♂ブラックスミスさん。  ダンサーさん。  ♂剣士さん。  ・・・・・・(あ、この方は違う、確かジルタスさんが代わりに入ってくれたんでしたね)ええと・・・じゃあ、以上8名ですね。そうそう、工務大臣様の死因もこれに関係してるんですが、禁止区域に踏み入りかけてた方が何人かいらっしゃいましたよ。くれぐれも、気を付けてくださいね~」 くっくっくっと喉の奥から漏れる笑いを隠そうともせず、ジョーカーは続けた。 「では次に、禁止エリアの発表に移りたいと思います。あ、先に弁明しておきますが、この禁止エリアの決定基準については全く、私個人の意志は働いておりません。ダーツによってランダムに決定されておりますゆえ・・・いやあ、確かにそのダーツを投げているのは私なんですがね。恥ずかしいんですがこれがまた私、ヘタでヘタで・・・。外しちゃった本数が結構多くてですね、今回の禁止エリアはたった3箇所なんです・・・申し訳ない。  さ、それでは地図の方を御覧下さい。今、禁止エリアを示しますので・・・」  真っ黒い血が湧いてくるようにじわじわと、闇の色に変色した3つのエリア。  A-5。  F-2。  H-8。 「・・・お判りになりましたか? もし御自分の現在位置が禁止エリアに重なっていたら。・・・時間は30分ですよ、早く離れないとっ。  さぁさ、実は私も寝起きでしてね。ちょいと顔でも洗って参りますかね。それじゃあ皆様、今日も一日元気に、頑張って殺し合いましょう!」  そうして途絶える道化師の声。  陽の光に晒される孤島に、再び静寂が戻った。 <残り33名> ---- | [[戻る>2-126]] | [[目次>第二回目次2]] | [[進む>2-128]] |

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