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155.誤算 ---- ♂WIZは慎重に後をつけていた。距離を十分に取り、姿を見られぬように木々を盾にする。 ♂WIZが追いかけているのは、♂アサシンと♀ノービスである。慎重にならざるをえないだろう。 時折、♂アサシンと♀ノービスが話し合う。距離を空けているので、声は当然聞こえない。 口元もかすかに動いているのが分る程度である。だが、その度に立ち止まるので、 遅々として進まない。かれこれ一時間は彼らを追跡しているが、今だ森の中である。 「また、おしゃべりですか・・・。見た目よりも随分仲がいいのですね。」 ♂WIZはつい一人ごちてしまう。だが、それも仕方ない。この殺しあうための島で、 一時間に6回も立ち止まって、しゃべっているのである。♂アサシンの戦闘力を見た後では、 この事は意外と言うほかない。 「しかし、このペースでは、あの二人が他の者たちと出会うのは、相当先になりそうですね・・・。」 1分ほど立ってから、二人が動き出す。♂WIZも少しため息をついて、後を追う。 今度は10分ほど移動しただろうか、またもや二人は話し始めたようだ。 ♂WIZは多少いらつきながら、辺りを見渡す。右手側に少し開けた場所があるようだ。 薄暗い木々の合間から、草原が反射させる光が、垣間見える。 もう一度♂WIZは二人を見た。まだ話し合っているようだ。♂アサシンは木の陰で見えないが、 ♀ノービスはいるであろう♂アサシンの方を向いて話しかけている。 「やれやれ・・・、本当に話し好きですねぇ・・・。」 自然にため息が出る。♀ノービスを見ているとふと彼女を思い出す。なんとなく似ている横顔。 出てくるため息は、失われた彼女と♀ノービスを重ねてしまっているためか。この島に来てから、 妙に感傷的になることがある。やれやれと思いながらまた、ため息をつく。 ふと見ると、♀ノービスはジェスチャーを交える様になった。口の動きも活発だ。 白熱した議論でもしているのだろうか。♂アサシンはいまだ木の陰にいるようだ。 「・・・・・・・おかしいですね・・・・。今まで2分を超える会話は無かったはず・・・・。  それに♀ノービスのジェスチャーなどは今回が初めて・・・。」 ふと、湧き上がる疑問。何度も繰り返されていた会話。木陰で確認できない♂アサシンの姿。 言い争っているように見える♀ノービスの動き。そして、2分・・・・。 「もしかして、見抜かれていた?今までの立ち止まる会話は偽装?」 だとしたら、まずい。いくら距離があるとはいえ、見失わない程度には近づいている。 アサシンの技術なら、見えないように2分でここまで来ることは、不可能ではないだろう。 「くっ、アサシン相手に、森の中は危険ですね・・・。」 言うよりも早く、♂WIZは右側に見つけていた広場へと飛び出した。どうやら、ここで森は終わっていたようだ。 突如木々がなくなった先は、結構な広さを持った草原で、その先には山や家屋、小川などが見える。 ♂WIZはすばやく木々から距離をとると、森の方に向きを変えた。だが、その前に一つだけ魔法を掛けておいた。 ♂クルセイダーと♂アサシンの戦闘を見ていたからこその魔法の配置。魔法力が弱められており、 本来ジェムストーンが必要であるため、低い威力ででしか配置できないが・・・。 「あとは、私自身の勘に全てがかかってますね・・・。」 ♂WIZはそう言ってコンバットナイフを右手に構えた。♂アサシンが♂WIZを追跡しているという疑念は、 たった今確信へと変わった。ナイフを構えた瞬間に、辺りの空気が変わったのだ。♂WIZは精神を集中させた。 (距離を保ったまま話しかけない私を、友好的な人間とは思っていないでしょう。 おそらく、一度捕縛して、真意を確かめるつもりだったのかもしれませんが、この私の反応で 考えを改めたようですね。危険を冒してまで捕縛するよりも、排除する方を選びましたか。) しかし、♂WIZにとって完全に誤算であった。追跡していた二人に接触する人物がまさか自分とは! 正直に言って、勝算はかなり薄い。自分の読み通りに相手が動き、自分の勘が当たらなければ、 勝てないというのは、まるで勝負になってない。だが、もう始まってしまったのだ。 ♂WIZは意識をある一方向に向ける。♂アサシンがそこから向かってくるという読みが、 当たるのが勝利条件の一つである以上、その他の方向を警戒しても、結果は同じである。 そして、♂アサシンの接近を勘で判断する。隠密行動を主とする彼らの接近を把握するのは、 現時点では不可能である。よって、紙のごときの頼りない勘でしか、もはや♂WIZには判断材料が ないのである。♂WIZの過去を共にしている彼女が聞いたらどのような顔をするだろうか・・・。 (近づいてくる・・・。) 肌を切り裂くような冷たい殺気が、♂WIZを襲う。だが、これだけが頼りだ。彼の勘のよりどころである。 強い殺気がはじけた瞬間が、必殺の一撃を見舞ってくるときだろう。♂WIZはその瞬間に2つの魔法を 唱えなければならない。一つは鍵となる魔法、もう一つはここで勝利を得るための魔法・・・。 (だんだん強くなってきた・・・。) いつの間にか汗があごをつたって地面に落ちる。森から飛び出して20秒も経っていないのに、 もう一時間は経過している気がする。そした・・・・。 (来た!!) 強くなった殺気が一気に上り詰めた。方向は♂WIZが想定した方角と一致する。コンバットナイフを持った 右手と体の中心の対角線上、つまり左後ろからである。 「サイト!!」 ♂WIZは叫んだ。彼の左後ろから、首を狙ってとび蹴りを放っている♂アサシンの姿が、 映し出された。♂クルセイダーをも吹き飛ばしたあのとび蹴りである。♂WIZが喰らえば、 ただではすまない。だが、♂WIZは続けて叫んだ。 「・・フラッシャー!!」 作り出されたばかりの火の玉は、一瞬でロープのように伸び♂WIZの周りを囲うように端と端が繋がる。 そして、繋がったとたんに、爆炎があたりに撒き散らされた。結界の力で威力が落ちているとはいえ、 飛び掛った♂アサシンを追い返す力は残っている。現に♂アサシンは♂WIZの2メートルほど手前に、 弾かれる。すばやく受身を取ろうとした♂アサシンだったが、♂WIZが仕掛けていた魔法が発動した。 地面につけた右足を、突如火柱が襲ったのである。 「ぐあぁ・・。」 たまらず苦痛をもらし、そのまま後ろに倒れこむ。だが、ここまで来ても勝率は半々である。 おそらく♂アサシンは腕の力だけでも♂WIZを殺せるだろう。だが、治癒もまともに出来ないこの島で、 これ以上のダメージは避けるべきでもある。だから、♂WIZは判断を迫られている。 ♂アサシンが隙を見せている間に、行動を選択しなければならない。 1つが襲い掛かってくることを想定して、自身の前にファイヤーウォールを張る。 1つが逃走すると想定して、退路である森への道筋にファイヤーウォールを張る。 1つがまだ対応できないと想定して、フロストダイバーでさらに動きを制限する。 (どれだ、どれにする・・・。) 迷ったのは一瞬。だが、出てきた答えは、三つのうちではなかった。 「クァグマイア!!」 魔法で作り出された泥沼が♂アサシンを包み込む。彼の動きは先ほどから見れば、ファブルのようだ。 ♂WIZはクァグマイアを唱えた直後から♂アサシンに向かって、飛び出した。コンバットナイフを逆手に持ち、 思うように動けない♂アサシンの首筋を深々と切り裂いた。血が少し遅れてから、思い出したように吹き出て、 草原の一部を真っ赤に染める。♂WIZはすばやく♂アサシンから離れると、周囲を警戒した。 ♀ノービスがどこかに潜んでいないとも限らない。が、その心配はないようだ。目の前の出来事が、 うそだとでも言うように、呆然として木の陰から顔を出していた。♂アサシンが薄れる意識の中で、 ♀ノービスに向かって手を伸ばす。それを見て、♀ノービスが我に返り、♂WIZに視点を合わせてから、 脱兎のごとく森の中に消えていった。♂WIZはそれを確認してから、♂アサシンを見る。伸ばしていた腕は、 もはや力なく地についている。1%も無かった♂WIZの勝算。仕方なかったとはいえ、勝てたとはいえ、 背筋がいまでも凍る。♂WIZは頭を左右に振った。勝てない相手に勝てた、今はそれでいい。 逃げた♀ノービスの行方を追わなくてはならない。ゆっくりもしていられない。だが、この♂アサシンが 仕込んだ♀ノービスだ、油断はできない。 ♂WIZは念のために♂アサシンの持ち物を漁ってみる。レッドジェムストーン1つと未開封の青箱2つ。 そして、血まみれのs1フード・・・。 「フードは一応持っていきましょう。小川で洗えば、使えなくもないでしょうし。」 そう言って、支給された袋にしまう。そして、青箱を一つ開けた。 「・・・・!」 つい言葉を失ってしまった。この島に来る前に愛用していた緑色の帽子が出てきたのだ。 「まあ、こんな勝負に挑んで、生き残ったご褒美だと、思っておきましょう。」 ♂WIZは出てきたとんがり帽子を目深にかぶり、♀ノービスが消えていった森を眺めた。 〈♂WIZ〉 現在地 E-7 所持品 コンバットナイフ 片目眼鏡 +10スティックキャンディー とんがり帽子      未開封青箱1つ レッドジェムストーン1つ 血まみれのs1フード スキル サイト サイトフラッシャー ファイヤーピラー クァグマイア ファイヤーウォール      フロストダイバー 備 考 「研究」のために他者を殺害 黒髪 土気色肌 丁寧口調 マッド      ♀ノービスに執着(実験体として) ♂アサシンを殺害      フードを洗って使えるようにするか、♀ノービスを追うか思案中 〈♂アサシン〉 現在地 E-7 所持品 ♂WIZに奪われる 備 考 ♂WIZに殺害される ロリコン疑惑あり 〈♀ノービス〉 現在地 E-7 所持品 未開封青箱1つ スキル しんだふり 外 見 ノビデフォ金髪 備 考 E-7の森の中を逃走中 <残り29人> ---- | [[戻る>2-154]] | [[目次>第二回目次2]] | [[進む>2-156]] |
155.誤算 ---- ♂WIZは慎重に後をつけていた。距離を十分に取り、姿を見られぬように木々を盾にする。 ♂WIZが追いかけているのは、♂アサシンと♀ノービスである。慎重にならざるをえないだろう。 時折、♂アサシンと♀ノービスが話し合う。距離を空けているので、声は当然聞こえない。 口元もかすかに動いているのが分る程度である。だが、その度に立ち止まるので、 遅々として進まない。かれこれ一時間は彼らを追跡しているが、今だ森の中である。 「また、おしゃべりですか・・・。見た目よりも随分仲がいいのですね。」 ♂WIZはつい一人ごちてしまう。だが、それも仕方ない。この殺しあうための島で、 一時間に6回も立ち止まって、しゃべっているのである。♂アサシンの戦闘力を見た後では、 この事は意外と言うほかない。 「しかし、このペースでは、あの二人が他の者たちと出会うのは、相当先になりそうですね・・・。」 1分ほど立ってから、二人が動き出す。♂WIZも少しため息をついて、後を追う。 今度は10分ほど移動しただろうか、またもや二人は話し始めたようだ。 ♂WIZは多少いらつきながら、辺りを見渡す。右手側に少し開けた場所があるようだ。 薄暗い木々の合間から、草原が反射させる光が、垣間見える。 もう一度♂WIZは二人を見た。まだ話し合っているようだ。♂アサシンは木の陰で見えないが、 ♀ノービスはいるであろう♂アサシンの方を向いて話しかけている。 「やれやれ・・・、本当に話し好きですねぇ・・・。」 自然にため息が出る。♀ノービスを見ているとふと彼女を思い出す。なんとなく似ている横顔。 出てくるため息は、失われた彼女と♀ノービスを重ねてしまっているためか。この島に来てから、 妙に感傷的になることがある。やれやれと思いながらまた、ため息をつく。 ふと見ると、♀ノービスはジェスチャーを交える様になった。口の動きも活発だ。 白熱した議論でもしているのだろうか。♂アサシンはいまだ木の陰にいるようだ。 「・・・・・・・おかしいですね・・・・。今まで2分を超える会話は無かったはず・・・・。  それに♀ノービスのジェスチャーなどは今回が初めて・・・。」 ふと、湧き上がる疑問。何度も繰り返されていた会話。木陰で確認できない♂アサシンの姿。 言い争っているように見える♀ノービスの動き。そして、2分・・・・。 「もしかして、見抜かれていた?今までの立ち止まる会話は偽装?」 だとしたら、まずい。いくら距離があるとはいえ、見失わない程度には近づいている。 アサシンの技術なら、見えないように2分でここまで来ることは、不可能ではないだろう。 「くっ、アサシン相手に、森の中は危険ですね・・・。」 言うよりも早く、♂WIZは右側に見つけていた広場へと飛び出した。どうやら、ここで森は終わっていたようだ。 突如木々がなくなった先は、結構な広さを持った草原で、その先には山や家屋、小川などが見える。 ♂WIZはすばやく木々から距離をとると、森の方に向きを変えた。だが、その前に一つだけ魔法を掛けておいた。 ♂クルセイダーと♂アサシンの戦闘を見ていたからこその魔法の配置。魔法力が弱められており、 本来ジェムストーンが必要であるため、低い威力ででしか配置できないが・・・。 「あとは、私自身の勘に全てがかかってますね・・・。」 ♂WIZはそう言ってコンバットナイフを右手に構えた。♂アサシンが♂WIZを追跡しているという疑念は、 たった今確信へと変わった。ナイフを構えた瞬間に、辺りの空気が変わったのだ。♂WIZは精神を集中させた。 (距離を保ったまま話しかけない私を、友好的な人間とは思っていないでしょう。 おそらく、一度捕縛して、真意を確かめるつもりだったのかもしれませんが、この私の反応で 考えを改めたようですね。危険を冒してまで捕縛するよりも、排除する方を選びましたか。) しかし、♂WIZにとって完全に誤算であった。追跡していた二人に接触する人物がまさか自分とは! 正直に言って、勝算はかなり薄い。自分の読み通りに相手が動き、自分の勘が当たらなければ、 勝てないというのは、まるで勝負になってない。だが、もう始まってしまったのだ。 ♂WIZは意識をある一方向に向ける。♂アサシンがそこから向かってくるという読みが、 当たるのが勝利条件の一つである以上、その他の方向を警戒しても、結果は同じである。 そして、♂アサシンの接近を勘で判断する。隠密行動を主とする彼らの接近を把握するのは、 現時点では不可能である。よって、紙のごときの頼りない勘でしか、もはや♂WIZには判断材料が ないのである。♂WIZの過去を共にしている彼女が聞いたらどのような顔をするだろうか・・・。 (近づいてくる・・・。) 肌を切り裂くような冷たい殺気が、♂WIZを襲う。だが、これだけが頼りだ。彼の勘のよりどころである。 強い殺気がはじけた瞬間が、必殺の一撃を見舞ってくるときだろう。♂WIZはその瞬間に2つの魔法を 唱えなければならない。一つは鍵となる魔法、もう一つはここで勝利を得るための魔法・・・。 (だんだん強くなってきた・・・。) いつの間にか汗があごをつたって地面に落ちる。森から飛び出して20秒も経っていないのに、 もう一時間は経過している気がする。そして・・・・。 (来た!!) 強くなった殺気が一気に上り詰めた。方向は♂WIZが想定した方角と一致する。コンバットナイフを持った 右手と体の中心の対角線上、つまり左後ろからである。 「サイト!!」 ♂WIZは叫んだ。彼の左後ろから、首を狙ってとび蹴りを放っている♂アサシンの姿が、 映し出された。♂クルセイダーをも吹き飛ばしたあのとび蹴りである。♂WIZが喰らえば、 ただではすまない。だが、♂WIZは続けて叫んだ。 「・・・ラッシャー!!」 作り出されたばかりの火の玉は、一瞬でロープのように伸び♂WIZの周りを囲うように端と端が繋がる。 そして、繋がったとたんに、爆炎があたりに撒き散らされた。結界の力で威力が落ちているとはいえ、 飛び掛った♂アサシンを追い返す力は残っている。現に♂アサシンは♂WIZの2メートルほど手前に、 弾かれる。すばやく受身を取ろうとした♂アサシンだったが、♂WIZが仕掛けていた魔法が発動した。 地面につけた右足を、突如火柱が襲ったのである。 「ぐあぁ・・。」 たまらず苦痛をもらし、そのまま後ろに倒れこむ。だが、ここまで来ても勝率は半々である。 おそらく♂アサシンは腕の力だけでも♂WIZを殺せるだろう。だが、治癒もまともに出来ないこの島で、 これ以上のダメージは避けるべきでもある。だから、♂WIZは判断を迫られている。 ♂アサシンが隙を見せている間に、行動を選択しなければならない。 1つが襲い掛かってくることを想定して、自身の前にファイヤーウォールを張る。 1つが逃走すると想定して、退路である森への道筋にファイヤーウォールを張る。 1つがまだ対応できないと想定して、フロストダイバーでさらに動きを制限する。 (どれだ、どれにする・・・。) 迷ったのは一瞬。だが、出てきた答えは、三つのうちではなかった。 「クァグマイア!!」 魔法で作り出された泥沼が♂アサシンを包み込む。彼の動きは先ほどから見れば、ファブルのようだ。 ♂WIZはクァグマイアを唱えた直後から♂アサシンに向かって、飛び出した。コンバットナイフを逆手に持ち、 思うように動けない♂アサシンの首筋を深々と切り裂いた。血が少し遅れてから、思い出したように吹き出て、 草原の一部を真っ赤に染める。♂WIZはすばやく♂アサシンから離れると、周囲を警戒した。 ♀ノービスがどこかに潜んでいないとも限らない。が、その心配はないようだ。目の前の出来事が、 うそだとでも言うように、呆然として木の陰から顔を出していた。♂アサシンが薄れる意識の中で、 ♀ノービスに向かって手を伸ばす。それを見て、♀ノービスが我に返り、♂WIZに視点を合わせてから、 脱兎のごとく森の中に消えていった。♂WIZはそれを確認してから、♂アサシンを見る。伸ばしていた腕は、 もはや力なく地についている。1%も無かった♂WIZの勝算。仕方なかったとはいえ、勝てたとはいえ、 背筋がいまでも凍る。♂WIZは頭を左右に振った。勝てない相手に勝てた、今はそれでいい。 逃げた♀ノービスの行方を追わなくてはならない。ゆっくりもしていられない。だが、この♂アサシンが 仕込んだ♀ノービスだ、油断はできない。 ♂WIZは念のために♂アサシンの持ち物を漁ってみる。レッドジェムストーン1つと未開封の青箱2つ。 そして、血まみれのs1フード・・・。 「フードは一応持っていきましょう。小川で洗えば、使えなくもないでしょうし。」 そう言って、支給された袋にしまう。そして、青箱を一つ開けた。 「・・・・!」 つい言葉を失ってしまった。この島に来る前に愛用していた緑色の帽子が出てきたのだ。 「まあ、こんな勝負に挑んで、生き残ったご褒美だと、思っておきましょう。」 ♂WIZは出てきたとんがり帽子を目深にかぶり、♀ノービスが消えていった森を眺めた。 〈♂WIZ〉 現在地 E-7 所持品 コンバットナイフ 片目眼鏡 +10スティックキャンディー とんがり帽子      未開封青箱1つ レッドジェムストーン1つ 血まみれのs1フード スキル サイト サイトラッシャー ファイヤーピラー クァグマイア ファイヤーウォール      フロストダイバー 備 考 「研究」のために他者を殺害 黒髪 土気色肌 丁寧口調 マッド      ♀ノービスに執着(実験体として) ♂アサシンを殺害      フードを洗って使えるようにするか、♀ノービスを追うか思案中 〈♂アサシン〉 現在地 E-7 所持品 ♂WIZに奪われる 備 考 ♂WIZに殺害される ロリコン疑惑あり 〈♀ノービス〉 現在地 E-7 所持品 未開封青箱1つ スキル しんだふり 外 見 ノビデフォ金髪 備 考 E-7の森の中を逃走中 <残り29人> ---- | [[戻る>2-154]] | [[目次>第二回目次2]] | [[進む>2-156]] |

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