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NG.夜空に輝くもの [二日目 夜~定時放送前] ---- 「おや・・。あのお嬢さんと♂騎士は生き残りましたか・・・。」 すっと左手でとんがり帽子のつばを持ち、帽子を被り直す。 「キキキー、主人ヨ、当てが外れたナ。」 いい加減重いので下ろしたデビルチが、♂WIZの反応が楽しみだとでも言うように、 見上げながら言ってきた。♂WIZはふぅ、とため息を漏らし、彼女たちがいる民家を見る。 「まさか、イグドラシルの実とは・・・。しかも半分にして使うとは・・・。  全く予想していませんでしたよ。あの状態で生き残れるとは・・・。  詰めが甘かったですね。やはり止めは刺すべきでしたか。完全に私のミスです。」 ♂WIZはめずらしくも自らの非を認める。デビルチは何度かうなずくと、 持っているトライデントで、件の民家を指した。 「反省もヨイガ、主人ヨ、これからドウするのだ?生き残ってはいるが、 見てきた限りデハ満足に動けなさそうだったぞ。」 ♂WIZはデビルチを見る。確かに好機ではある。戦力として数えられるのは、 ♂セージと♂プリースト、♂アルケミスト位だろう。♀WIZと♂騎士は行動不能、 ♂シーフと♀商人は戦力外として、問題はなさそうだ。 だが、♂セージが問題である。デビルチの見聞きしてきたことを整理すると、 ♂セージがかなり厄介である可能性が高い。技能、知識もそうだが、指揮能力が良い。 ♂シーフと♀商人を戦力外としたが、♂セージの指揮能力如何によっては、 立派な戦力となりうる。そうすると、3対2ではなく、5対2となり、 ♀WIZと♂騎士を殺せないばかりか、逆に追い込まれる可能性がある。 「あの♂セージをどうにかしなければ、誰も手に掛けられないでしょう。」 「それほどの者ナノカ?あの男ハ?」 「元々セージとは相性がよくありません。私は魔力をもって魔法を引き起こしますが、  彼らは魔力でもって魔法を打ち消したりできるのです。解りますか?相手は  私が魔法を用意している間に、魔法を打ち消せるのです。打ち出した魔法を  吸収したり、魔法を発動させるために貯めた魔力を奪われたり、魔法の影響を  受け付けない空間を作れたりするのですよ。」 ♂WIZが説明すると、デビルチは民家に向けていたトライデントを、普通に持ち直した。 「確かにソレデは、相性が悪いナ。」 ♂WIZはデビルチの言葉にうなずいて、民家を見ながら言った。 「それに相性とは別に、♂セージは厄介なのですよ。」 その言葉にデビルチは♂WIZを見上げる。 「ほう・・・、まだ何かアルのか。」 「ええ、そうです。あの♂セージ冷静に合理的な判断を下しています。 あなたが聞いてきたように、仲間から反発されることも、  必要ならばあえて言っているようですし、それで誰も反論できないでいるのですから、  ♂セージの発言力と説得力の高さがうかがい知れます。よって、私は厄介な相手と  判断しているのですよ。」 ♂WIZは思案している。どうやって戦うか・・・。改めて件の民家を観察する。 屋根は板張りで、風で飛ばないようにレンガが置かれている。 壁はレンガで作られているが、経年劣化なのかそれほど頑丈ではなさそうだ。 平屋で部屋の数も2つもないだろう。似たような家がいくつかはあるが、 どこも質素な作りをしている。元々ここで暮らすための家ではないのかもしれない。 (さて、どうしますか・・・。♂セージをどうにかしたいですが、まず無理でしょうね。  かといって、そのまま襲撃しても、♀WIZと♂騎士は倒せないでしょうし、  ♂セージと♂アルケミスト、♂プリーストを相手に勝負も無謀ですね。) ♂WIZは片眼鏡をはずして、両目をきつく瞑る。そして上を向いてつけなおす。 もう日が落ちきっており、空には雲が無くなって、代わりに星が見えている。 (もう夜ですか・・・。先ほどの雨を降らせていた雲も、もう随分遠くに行きましたね。  星が随分出てますね。星?・・・、星・・・・。) 「そうですか、星ですか・・・。これは盲点でした。なにもわざわざ襲撃する必要は、  無かったのですね。満足に動けない人が二人もいるのですから、その方が安全ですね。」 ♂WIZの突然の発言にデビルチは怪訝そうな顔をする。 「主人ヨ、何を思いツイた?」 デビルチの問いに対し、♂WIZはこう答えた。 「いえ、相手が出てこないのならば、出てこざるを得ないようにしてしまえば、  良いのですよ。しかも相手は二人も重傷者がいます。その者の移動の補佐でやはり  二人は戦力から外れますから、多くても三人、少なければ一人と戦うだけで済みます。」 「具体的にはドウするのだ?」 「まずは場所を移動します。付いてきてください。」 そう言って♂WIZはデビルチと供に闇の中へ静かに入って行った。 ♂セージは状況を確認している。 まずは、♀WIZと♂騎士の容態。♂騎士のほうは元々の体力のおかげか、 意識は戻っていないが、安定している。このままいけば、問題はないだろう。 一方♀WIZの方は、時々うなされたり、ひきつけを起こしたりする。 予断を許さない状態である。♂プリーストは彼女に付きっ切りで看病している。 次に♂アルケミストと♂プリースト。♂アルケミストは♂騎士の方を看ている。 ハーブやポーションは底をつき、イグドラシルの実やマステラの実なども、 使い切った今、できる事と言えば、汗などをふき取るくらいだが、健気にやっている。 に対し、♂プリーストは相当疲労している。元々殴りプリなのにヒールを連発しており、 今も♀WIZの容態が悪くなりそうになったら、すぐさまヒールを掛けるという、 かなりハードな看病を要求されており、彼の顔色は大分悪くなっている。 後が♂シーフと♀商人。♀商人は♂プリーストの手伝いをしており、 彼女が汗を拭いたり、ひきつけの時に体を押さえてヒールしやすくしている。 ♂シーフの方は部屋の中からではあるが、窓から周囲を覗いて警戒している。 (♂騎士さんはなんとかなるでしょう。だが、♀WIZさんは危険な状態ですね。  イグドラシルの実を半分にして二人の命を救ったのはいいのですが、  効能は半分以下ですか・・・。しばらくはここから動けないですね。  ♂クルセイダーが襲撃してくることはないでしょうが、そのほかのマダラーが  来ないとは限りません。特に♀WIZさんを瀕死にさせた、♂WIZがもっとも  危険ですね。) ♂WIZの追撃を考えて、場所を変えたいものの、変えられない現状が♂セージを、 焦らせる。♀WIZの止めを刺さなかった訳、もしかしたら救助に来た我々の場所を 特定するためにわざと生かしておいたのかもしれない。助け出した♂プリーストは、 おそらくそんなことは考えなかっただろう。だがそれも仕方ない。目の前で瀕死の 旅の仲間がいるのだ。助けることで精一杯だっただろう。 (今この場を襲撃されるのは非常にまずい・・・。何とか対策を練らねば・・・。) ♂WIZは深呼吸した。久々に唱えるこの魔法。日々魔法の修練はしているが、 なかなかこの魔法は使う機会がない。それも仕方の無いことである。 元々一人であることが多かった彼は、この魔法を唱える機会が少なかったのだ。 視線を近くに潜むデビルチに送る。デビルチは♂WIZを見て一度うなずき、 ジャベリンを構え件の民家に目を向けた。♂WIZは視線を民家に戻すと、 思い出すように魔法を詠唱し始めた。 「天空に在りし、無数の星よ、我が呼びかけに応じよ。」 本当に星が落ちてくるわけではない。自分の魔力で作り上げた炎の玉を落とす だけである。 「我は汝らの力を欲する者なり。」 だが、長い詠唱時間と、込める魔力がただの炎の玉では終わらせない。 本物の隕石に近いものを落とさせるのである。 「我と汝らの力をもって、愚かなる者どもを打ち倒さんことを。」 ♂WIZの右腕が天空へと向けられ、 「メテオストーム!!」 力ある言葉と一緒に振り下ろされた。 突然の轟音に、♂セージは最悪の事態が訪れたことを悟った。合計5個の隕石が、 この家屋や周囲に落下したのだ。こんなことが出来るのは♂WIZしかいない。 屋根は一撃で破られ、天井も炎に包まれながら、崩れてきた。周囲も炎に包まれ、 一刻も早くここから逃げ出さなくてはならない。崩れてきた天井も大した重量では なかったようだ。♀WIZや♂騎士をかばった♂プリースト、♂アルケミスト、 ♀商人には、多少の打撲や擦り傷はあるものの、命に関わる怪我はなさそうだ。 ♂シーフもうまい具合に避けたらしい。物陰から出てきた。 「♂プリさん、♀WIZさんを背負ってください。♂アルケミさん、あなたは♂騎士を。」  そういって♂セージは出口を探す。 (ドアから出るのは危険だ。狡猾な♂WIZが待ち構えているだろう。  するとやはり、壁に穴を開けてそこから出て行くのが一番安全ですね。) ♂セージは出口であるドアの反対側の壁に向かってファイアーボールを唱えた。 メテオストームで脆くなっていた壁は一撃で崩れた。なんとか人が通れる隙間ができる。 「♂シーフさん、先行してください。ただ、十分警戒してください。」 「はいっ、わかりました!!」 ♂セージに言われ、隙間から身を躍らせる♂シーフ。♂シーフが外に足を一歩踏み出した 瞬間、♂シーフの本能というべきか、『危険』に対する警笛が全身を襲った。 これ以上先に進むな。速やかに戻れ。死にたくなければ、早く戻れ。今ならまだ間に合う。 バックステップしろ。早く早く早く早く早く・・・。 ♂シーフは本能に従い、即座にバックステップした。すると、すぐ目の前で大きな火柱が、 上がったのである。設置魔法のファイアーピラーが発動したのだ。 それを見た♂セージは自分の浅慮を呪った。 (まさか、読まれていたとは・・・。) 崩れた壁の位置が読み通りだったのに、♂シーフが弾かれるようにファイアーピラーを 回避したため、♂WIZは内心面白くなかった。だが、ファイアーピラーを当てることが 目的ではない。家屋内部に直接炎を投げ込みたかったのである。 (射線は通っている。ファイアーピラーは中から容易に出られなくするため。  本当の狙いはこれです!!) ♂セージは♂WIZが何をしたいのか、彼の手から現れた赤い火の玉を見るまで、 想像できなかった。 (くそ、全てが後手後手だ・・・。とにかくあれだけでも相殺せねば・・。) ♂WIZから放たれたファイアーボールに向かってフロストダイバーを唱える。 相殺はできなかったが、炎が直接かかることは防げた。が、♂WIZの手には またもや、ファイアーボールが用意されている。一刻も早くここから脱出せねば。 「みなさん、ドアから出てください。一刻の猶予もありません。早くしてください!!」 そう言いながらも、次のファイアーボールの威力を抑えるために、 フロストダイバーを唱える。今回もどうにか爆風の向きを変えられた。 しかし、そう何度もうまくいかないだろう。♂シーフが先に出て、周囲を警戒する。 しかし、こちらは何も罠はない。全員が崩れ落ちる民家から脱出する。 ♂セージには煮え湯を飲まされたような、苦虫をつぶしたような顔をしている。 が、ここに留まってはいられない。安静にできる場所を探さなくてはならないし、 追跡を逃れなければならない。♂セージはしんがりを勤めながら、 家々の間を抜けていった。 「しかし、主人ヨ。なぜ我をあっちの扉に配置しなカッタノダ?全員逃げてしまったゾ?」 ♂WIZとデビルチも燃え盛る民家からはすでに離れている。今は迂回ルートを取りながら 彼らを追跡している。 「そうですね、もしあなたをあちらに配置すれば、何人かは倒せたかもしれませんね。  ですが、そのときはおそらくあなたも、ただでは済まなかったでしょう。  ここでは、傷の治療は期待できません。イグドラシルの実などは例外ですが、  基本的には傷ついたら、傷つきっぱなしなのです。そして、このゲームはMVPが  出られるのではなく、最後まで生き残った者が出られます。それを考えれば、  あなたを扉の近くに潜ませなかった訳が理解できるでしょう。」 「ナルほどな、主人は我の身を按テノ事であったカ。」 「窮鼠猫を噛むですよ。余計な怪我はしないに越したことはありません。逃げ道を  与えつつ、削っていけばいいのです。ばらばらになったら各個撃破で確実にとっていく。  急ぐ必要はありません。堅実にいけばいいのですから。」 ♂WIZは探索の魔術で♀WIZの位置を探る。モンスター情報の魔法で詳細は 採っていないが『オーラ』のWIZはこの島にはさすがに一人しかいないだろう。 生命の輝きこそさほどでもないが、まだ何かを秘めている感じがする。 (そういえば、あのお嬢さんはこのゲームを止めることができるようなことを、  言っていましたね・・・。もしかしたらその時が来るまで死ねないのかも  しれませんね。なにせ私のストームガストを生き残ったくらいですからね・・・。) ♀WIZの探索を終えると、♂WIZはデビルチとともに闇の中に消えていった。 <♂Wiz> 位 置:D-5から♀WIZを迂回しつつ追跡している 装 備:コンバットナイフ 片目眼鏡 とんがり帽子     レッドジェムストーン1つ 血まみれのs1フード 外 見:黒髪 土気色肌 スキル:サイト サイトラッシャー ファイアーピラー クァグマイア  ファイアーウォール フロストダイバー アイスウォール モンスター情報  ストームガスト メテオストーム(10) ソウルストライク  ファイアーボール 備 考:「研究」のため他者を殺害 丁寧口調 マッド     ♀ノービスに執着(実験体として) ♂アサシンを殺害     デビルチと主従契約 <デビルチ> 位 置:D-5から♀WIZを迂回しつつ追跡している 所持品:+10スティックキャンディ トライデント(デビルチ用) 備 考:悪魔 ♂WIZと主従契約 <♀WIZ> 位 置:D-5から安静に出来る場所へ移動中 所持品:ロザリオ(カードは刺さっていない)、クローキングマフラー 案内要員の鞄(DCカタール入)      島の秘密を書いた聖書、口紅 外 見:WIZデフォの銀色 備 考:LV99のAGIWIZ、GMに復讐、♂プリ、♂シーフ、♂セージ、♀商人と同行 ♂プリに背負われている 状 態:身体のあちこちにまだ傷は残る。瀕死からは脱出 ただし、予断は許さない状態 <♂プリースト> 位 置:D-5から安静に出来る場所へ移動中 所持品:修道女のヴェール(マヤパープルc挿し)、でっかいゼロピ、多めの食料、赤ポーション5個 外 見:逆毛(修道女のヴェール装備のため見えない)、怖い顔 備 考:殴りプリ ♀WIZ・♂シーフ・♂セージ・♀商人と同行 ♀WIZを背負っている 状 態:心身ともに極度の疲労 <♂シーフ> 位 置:D-5から安静に出来る場所へ移動中 所持品:多めの食料 外 見:栗毛 備 考:ハイディング所持 ♀WIZ・♂プリ・♂セージ・♀商人と同行     盗作ローグ志望でちょっと頭が良い <♂セージ> 位 置:D-5から安静に出来る場所へ移動中 所 持:ソードブレイカー 容 姿:マジデフォ黒髪 スキル:ファイアーウォール ファイアーボール フロストダイバー 備 考:FCAS―サマルトリア型 ちょっと風変わり? GMジョーカーの弟疑惑     ♀WIZ・♂シーフ・♂プリ・♀商人と同行 <♀商人> 位 置:D-5から安静に出来る場所へ移動中 所 持:乳鉢いっぱい、店売りサーベル、カート、100万はくだらないゼニー 容 姿:金髪ツインテール(カプラWと同じ) 備 考:割と戦闘型 メマーナイトあり? ♀WIZ・♂シーフ・♂セージ・♂プリと同行     ♂セージに少し特別な感情が……? <♂騎士> 位 置:D-5から安静に出来る場所へ移動中 所持品:ツルギ、S1少女の日記、青箱1個 備 考:♂アルケミを真の意味で認める 時々GMの声が聞こえるが、それに抵抗する ♂アルケミに背負われている 状 態:痛覚を完全に失う 瀕死からは回復 意識はないが容態は安定している <♂アルケミスト> 位 置:D-5から安静に出来る場所へ移動中 所持品:マイトスタッフ、割れにくい試験管・空きビン・ポーション瓶各10本 状 態:やや混乱状態 右肩に浅い傷 必死に♂騎士の傷を塞ごうとしている ♂騎士を背負っている 備 考:BRに反抗するためゲームからの脱出を図る ファザコン気味? 半製造型 メマーナイトなし? 関連話:[[193.夜空に輝くもの>2-193]] ---- [[戻る>第二回NG]]

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