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236.誤解する人々 [3日目未明] ---- 「遅いですね」 ♀商人が木立に入ってからしばらく経ち、♂セージは首を傾げた。 女性のお手洗いは長いというが、それにしてもずいぶん遅い。 彼は淫徒プリをそっと揺さぶった。 「…ん?はい?」 「すみません、♀商人が排泄に出て戻りません。何かあったらいけないので見てきます」 「はい…って、ちょっと」 頷いた淫徒プリの眠たい眼がそのまま半眼のジト眼に移行する。 「なんでしょう」 「女の子のトイレ覗く気じゃないでしょうね」 「そんな趣味はありませんし、彼女にも来るなと言われました。ですがそれだけにしては遅すぎます」 淫徒プリは首を傾げた。 「ちょと遠くまで行っただけじゃないかしら」 「声の届く範囲に居て下さいと言ったのですが」 「…じゃあなおさら遠くまで行ったかもしれませんよ」 「そういうものですか?」 わけが分からないと言った表情の♂セージに対し、淫徒プリは処置無しと言わんばかりに首を振ってみせる。 「そういうものなの」 「では迷った可能性もありますね。後をお願いします」 呆れ顔の淫徒プリに言い置いて、彼は♀商人が向かった方向へ進み始めた。 時々振り返って元来た方向が分かることを確認し、目印を刻むことも忘れない。 ほどなくして。 「……………!」 ざざっ 斜め前方から♀商人らしき声と茂みを掻き分ける音が聞こえた。 「様子が変ですね」 彼は向きを変え、急ぎ足にそちらへ向かう。 そして泣きながら逃げる♀商人とそれを追いかける♂騎士を見つけた。 「ファイアウォール!」 「なっ!?」 ♂騎士はいきなり目前にそそり立った炎の壁に仰天した。 勢いのままに突っ込みかけ、慌てて立ち止まる。 直後 「動かないで下さい」 FW越しに誰かが声を掛けてきた。 「待て、俺は…」 彼は対話のために壁を回り込もうとする。 「ソウルストライク」 パパパパパンッ その進行方向を遮って半透明の魔力球が飛び、木に連続して着弾した。 さらにわずかに遅れて 「クァグマイア!」 ゴツッ 「つっ」 足元がぬかるみに変わり、どこからともなく飛んできた石が頬を叩く。 しかも追撃は止まらない。 「ホーリーライト!」 「くっ」 ダメージはせいぜい素手で殴られた程度だが、こうも打たれ続けては弁解する暇もない。 助けを求めて♀商人の姿を探すが、走って行ってしまったのか姿が見えない。 もっとも居たとしても攻撃してくる者と見分けがつかなかっただろう。 ひとまず木の幹に隠れた瞬間 「集え吹きすさぶ氷雪よ――」 長い詠唱が耳に届いた。 周囲の地面に巨大な魔法陣が現れ、急激に密度を高めてゆく。 (大魔法!?) まずい。 そう思った瞬間、彼の心にまたしても恐怖が忍び込む。 話を ニゲロ 聞いてくれ コロサレル 魔法をハ止めメてレくナれイ 逃・ゲ・ロ 「インデュア!」 固く歯を食いしばり、彼は一直線に逃げ出した。 「スペルブレイカー」 ♂騎士が背を向けるのにわずかに遅れ、ストームガストが阻止された。 「なぜ大魔法を?」 ♂セージは♀Wizを振り返る。 彼女はちょっと困ったような顔をした。 「事情が不明でしたから。戦っているなら座視できませんし、問題があればあなたが止めるだろうと思って」 「ふむ。確かにそういう意図ならば詠唱の長い大魔法の方が有効ですね」 しかも魔法の阻止は彼に敵意がないという強い証拠になる。 ♀Wizに対する不信感は残るにしても、彼女たちと今後別行動を取ることを考えればおおむね問題ない。 しかし。と彼は木々の間に消えた♂騎士の背を思いだした。 「どうやら彼は中断に気付く余裕もなかったようですが」 「何者だったのですか?」 ♀Wiz達と共に追ってきた淫徒プリが歩み寄って尋ねる。 ♂セージは意外そうに聞き返した。 「見えてなかったのですか?」 「離れてましたし炎の壁越しでしたから、はっきりとは」 それを聞いて♂セージは深く頷いた。 「なるほど、それでですか。あれは♂騎士さんだったんですよ」 「ええっ」 彼の一言で何をやったか気付いた3人はそれぞれに驚きと困惑を示す。 「悪いことしてしまいましたね」 「分かっていれば誤解させそうなことは控えたのですけど…」 ♂セージは肩をすくめる。 「まあ仕方のないところでしょう。私としても彼の心理状態がわからないので近付かせないようにしていたぐらいですし」 「ちょうどそこに僕たちが来ちゃった?」 「ええ」 誰が悪いというわけでもない。誤解するしかない条件が重なったのだ。 はあ、と一斉にため息を吐く。 その時いきなりガサガサと茂みが鳴った。 全員の鋭い視線が集まる。 「あれ?ええと…あのえんがちょ騎士どこ行っちゃった?」 転んで絡まってでもいたのか、あちこちに枝や葉っぱをくっつけた♀商人はばつが悪そうに言った。 <♀商人> 現在地:D-6 所持品:店売りサーベル、乳鉢いっぱい、カート、100万はくだらないゼニー 容 姿:金髪ツインテール(カプラWと同じ) 備 考:割と戦闘型 メマーナイトあり? ♂セージに少し特別な感情が……?    ♀WIZ・♂シーフ・♂セージ・淫徒プリと同行→朝を待って♂セージ・淫徒プリと同行 <♂騎士> 現在地:D-6 所持品:ツルギ、S1少女の日記、青箱1個 外 見:深い赤の瞳 状 態:痛覚を完全に失う、体力は半分ほど、個体認識異常(♂ケミ以外)正気を保ってはいるが、未だ不安定     ♂ケミを殺してしまった心の傷から、人間を殺すことを躊躇う それでも生きたいと思う自分をあきれながらも認める。 備 考:GMの暗示に抵抗しようとするも影響中、混乱して♂ケミを殺害 体と心の異常を自覚する     ♂ケミのところに戻りできるなら弔いたい、誤解から♀Wiz達と小競り合いの末逃走 <淫徒プリ> 現在地:D-6(丘の木立) 所持品:女装用変身セット一式 未開封青箱 容 姿:女性プリーストの姿(csf:4h0l0b2) 美人 備 考:策略家。Int>Dexの支援型 師の言葉を思い出し少々センチ    ♀WIZ・♂シーフ・♀商人・♂セージと同行→朝を待って♀商人・♂セージと同行 <♂セージ> 現在地:D-6(丘の木立) 所持品:ソードブレイカー 容 姿:マジデフォ黒髪 スキル:ファイアーウォール ファイアーボルト ソウルストライク ファイアーボール 備 考:FCAS―サマルトリア型 ちょっと風変わり? GMジョーカーの弟疑惑    ♀WIZ・♂シーフ・♀商人・淫徒プリと同行→朝を待って♀商人・淫徒プリと同行 <♂シーフ> 現在地:D-6(丘の木立) 所持品:多めの食料 容 姿:栗毛(紫) 備 考:ハイディング所持 盗作ローグ志望でちょっと頭が良い    ♀WIZ・♀商人・♂セージ・淫徒プリと同行→朝を待って♀Wizと同行 <♀WIZ> 現在地:D-6(丘の木立) 所持品:クローキングマフラー ロザリオ(カードは刺さっていない) 案内要員の鞄(DCカタール入) 島の秘密を書いた聖書 口紅 容 姿:WIZデフォの銀色 備 考:LV99のAGIWIZ GMに復讐    淫徒プリ・♂セージ・♂シーフ・♀商人と同行→朝を待って♂シーフと同行 状 態:容態安定。ただし全身に傷跡が残る。HPは赤ゲージを脱したばかり ---- | [[戻る>2-235]] | [[目次>第二回目次3]] | [[進む>2-237]] |
236.誤解する人々 [3日目未明] ---- 「遅いですね」 ♀商人が木立に入ってからしばらく経ち、♂セージは首を傾げた。 女性のお手洗いは長いというが、それにしてもずいぶん遅い。 彼は淫徒プリをそっと揺さぶった。 「…ん?はい?」 「すみません、♀商人が排泄に出て戻りません。何かあったらいけないので見てきます」 「はい…って、ちょっと」 頷いた淫徒プリの眠たい眼がそのまま半眼のジト眼に移行する。 「なんでしょう」 「女の子のトイレ覗く気じゃないでしょうね」 「そんな趣味はありませんし、彼女にも来るなと言われました。ですがそれだけにしては遅すぎます」 淫徒プリは首を傾げた。 「ちょと遠くまで行っただけじゃないかしら」 「声の届く範囲に居て下さいと言ったのですが」 「…じゃあなおさら遠くまで行ったかもしれませんよ」 「そういうものですか?」 わけが分からないと言った表情の♂セージに対し、淫徒プリは処置無しと言わんばかりに首を振ってみせる。 「そういうものなの」 「では迷った可能性もありますね。後をお願いします」 呆れ顔の淫徒プリに言い置いて、彼は♀商人が向かった方向へ進み始めた。 時々振り返って元来た方向が分かることを確認し、目印を刻むことも忘れない。 ほどなくして。 「……………!」 ざざっ 斜め前方から♀商人らしき声と茂みを掻き分ける音が聞こえた。 「様子が変ですね」 彼は向きを変え、急ぎ足にそちらへ向かう。 そして泣きながら逃げる♀商人とそれを追いかける♂騎士を見つけた。 「ファイアウォール!」 「なっ!?」 ♂騎士はいきなり目前にそそり立った炎の壁に仰天した。 勢いのままに突っ込みかけ、慌てて立ち止まる。 直後 「動かないで下さい」 FW越しに誰かが声を掛けてきた。 「待て、俺は…」 彼は対話のために壁を回り込もうとする。 「ソウルストライク」 パパパパパンッ その進行方向を遮って半透明の魔力球が飛び、木に連続して着弾した。 さらにわずかに遅れて 「クァグマイア!」 ゴツッ 「つっ」 足元がぬかるみに変わり、どこからともなく飛んできた石が頬を叩く。 しかも追撃は止まらない。 「ホーリーライト!」 「くっ」 ダメージはせいぜい素手で殴られた程度だが、こうも打たれ続けては弁解する暇もない。 助けを求めて♀商人の姿を探すが、走って行ってしまったのか姿が見えない。 もっとも居たとしても攻撃してくる者と見分けがつかなかっただろう。 ひとまず木の幹に隠れた瞬間 「集え吹きすさぶ氷雪よ――」 長い詠唱が耳に届いた。 周囲の地面に巨大な魔法陣が現れ、急激に密度を高めてゆく。 (大魔法!?) まずい。 そう思った瞬間、彼の心にまたしても恐怖が忍び込む。 話を ニゲロ 聞いてくれ コロサレル 魔法をハ止めメてレくナれイ 逃・ゲ・ロ 「インデュア!」 固く歯を食いしばり、彼は一直線に逃げ出した。 「スペルブレイカー」 ♂騎士が背を向けるのにわずかに遅れ、ストームガストが阻止された。 「なぜ大魔法を?」 ♂セージは♀Wizを振り返る。 彼女はちょっと困ったような顔をした。 「事情が不明でしたから。戦っているなら座視できませんし、問題があればあなたが止めるだろうと思って」 「ふむ。確かにそういう意図ならば詠唱の長い大魔法の方が有効ですね」 しかも魔法の阻止は彼に敵意がないという強い証拠になる。 ♀Wizに対する不信感は残るにしても、彼女たちと今後別行動を取ることを考えればおおむね問題ない。 しかし。と彼は木々の間に消えた♂騎士の背を思いだした。 「どうやら彼は中断に気付く余裕もなかったようですが」 「何者だったのですか?」 ♀Wiz達と共に追ってきた淫徒プリが歩み寄って尋ねる。 ♂セージは意外そうに聞き返した。 「見えてなかったのですか?」 「離れてましたし炎の壁越しでしたから、はっきりとは」 それを聞いて♂セージは深く頷いた。 「なるほど、それでですか。あれは♂騎士さんだったんですよ」 「ええっ」 彼の一言で何をやったか気付いた3人はそれぞれに驚きと困惑を示す。 「悪いことしてしまいましたね」 「分かっていれば誤解させそうなことは控えたのですけど…」 ♂セージは肩をすくめる。 「まあ仕方のないところでしょう。私としても彼の心理状態がわからないので近付かせないようにしていたぐらいですし」 「ちょうどそこに僕たちが来ちゃった?」 「ええ」 誰が悪いというわけでもない。誤解するしかない条件が重なったのだ。 はあ、と一斉にため息を吐く。 その時いきなりガサガサと茂みが鳴った。 全員の鋭い視線が集まる。 「あれ?ええと…あのえんがちょ騎士どこ行っちゃった?」 転んで絡まってでもいたのか、あちこちに枝や葉っぱをくっつけた♀商人はばつが悪そうに言った。 <♀商人> 現在地:D-6 所持品:店売りサーベル、乳鉢いっぱい、カート、100万はくだらないゼニー 容 姿:金髪ツインテール(カプラWと同じ) 備 考:割と戦闘型 メマーナイトあり? ♂セージに少し特別な感情が……?    ♀WIZ・♂シーフ・♂セージ・淫徒プリと同行→朝を待って♂セージ・淫徒プリと同行 <♂騎士> 現在地:D-6 所持品:ツルギ、S1少女の日記、青箱1個 外 見:深い赤の瞳 状 態:痛覚を完全に失う、体力は半分ほど、個体認識異常(♂ケミ以外)正気を保ってはいるが、未だ不安定     ♂ケミを殺してしまった心の傷から、人間を殺すことを躊躇う それでも生きたいと思う自分をあきれながらも認める。 備 考:GMの暗示に抵抗しようとするも影響中、混乱して♂ケミを殺害 体と心の異常を自覚する     ♂ケミのところに戻りできるなら弔いたい、誤解から♀Wiz達と小競り合いの末逃走 <淫徒プリ> 現在地:D-6(丘の木立) 所持品:女装用変身セット一式 未開封青箱 容 姿:女性プリーストの姿(csf:4h0l0b2) 美人 備 考:策略家。Int>Dexの支援型 師の言葉を思い出し少々センチ    ♀WIZ・♂シーフ・♀商人・♂セージと同行→朝を待って♀商人・♂セージと同行 <♂セージ> 現在地:D-6(丘の木立) 所持品:ソードブレイカー 容 姿:マジデフォ黒髪 スキル:ファイアーウォール ファイアーボルト ソウルストライク ファイアーボール 備 考:FCAS―サマルトリア型 ちょっと風変わり? GMジョーカーの弟疑惑    ♀WIZ・♂シーフ・♀商人・淫徒プリと同行→朝を待って♀商人・淫徒プリと同行 <♂シーフ> 現在地:D-6(丘の木立) 所持品:多めの食料 容 姿:栗毛 備 考:ハイディング所持 盗作ローグ志望でちょっと頭が良い    ♀WIZ・♀商人・♂セージ・淫徒プリと同行→朝を待って♀Wizと同行 <♀WIZ> 現在地:D-6(丘の木立) 所持品:クローキングマフラー ロザリオ(カードは刺さっていない) 案内要員の鞄(DCカタール入) 島の秘密を書いた聖書 口紅 容 姿:WIZデフォの銀色 備 考:LV99のAGIWIZ GMに復讐    淫徒プリ・♂セージ・♂シーフ・♀商人と同行→朝を待って♂シーフと同行 状 態:容態安定。ただし全身に傷跡が残る。HPは赤ゲージを脱したばかり ---- | [[戻る>2-235]] | [[目次>第二回目次3]] | [[進む>2-237]] |

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