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---- 240.復活の魔術[3日目早朝] ♂WIZが死を感じた時に思ったことは二つ。 -デビルチがいっていた二人組の存在も考慮して場所を移すべきでした… -ここで死ぬわけにはいかないのです、まだ私は…彼女を…! 一つ目の思いはすぐに消えた。今更すぎるからである。 正確にいうならばデビルチの報告にあった二人組みの他に♂WIZはこの近辺に強い妖艶な魔力を感じていた。 こんな危うい区域はすぐでるべきだったのだと、本当に今更ながらの刹那の後悔。 二つ目の思いは強く脳を回転させた。私が生きるにはどうしたらいいのかと。 答えはすぐにでた。自分の魂を移すことだ。幸いそのための準備も整っている。 これを実現させるには自分の魂を肉体から切り離す必要がある。 それには切り離す肉体の命を絶つのが理想。 もはや虫の息になってしまった今の自分の状態なら問題はない。 そして定着させる肉体の命も絶たれていて尚且つ損傷がないのが理想。 まだ魂が残る♀マジよりも♂マジに定着させるのが正解だろう。 だから♂WIZは♀マジと♂マジのリンクを自分と♂マジのリンクに急遽切り替えた。 これは少しだけの変更ですむので詠唱の進行の大きな妨げにはならない。 問題はどこにもない。♂WIZの魂は♂マジの肉体に定着して復活するはずだ- そして♂マジの肉体で復活できればやりすごすなり反撃なりできるだろう。 うまくいくかどうかは解らないと思って無理矢理詠唱したものの確かな自信はあった。 実のところ心の底では十中八九うまくいくだろうという確信していた。 何年も積み重ねた論理と先ほどの実践で確実な手ごたえを感じていたからだ。 それは♂アサとの戦いの時よりも遥かに大きな勝算だ。私はまだ死なない。まだ実験は終わらせない…! 魂がゆっくりと肉体から解き放たれる。術の発動は成功だ。 そして♂WIZの肉体は完全に死んだのであろう力なく崩れ落ちた。 魔力が結ぶ♂WIZと♂マジのリンクラインを誰にも認識されることなく魂は運ばれていく。 そして♂WIZの魂が♂マジの肉体と融合するように重なり静かに定着していく。 -ハズだった。何故か定着していく感覚がまったくない。突然の絶望が♂WIZを襲う。 何故定着しないのか、それは命が絶たれた時点で爪角の欠片の効果が発揮されているからだ。 つまり一度命を絶たれたら二度とは復活はできないという爪角の欠片の効果が。 命を絶つという工程を踏む以上ミストレスの時のようにはいかないのだ。 魔術の結果は失敗となり♂WIZは魂だけが文字通り宙に浮かんだ状態になってしまっていた。 魂は肉体に定着することなくふわふわと浮かんでいく。 -失敗の原因は能力の制限でしょうか? それにしては… 呆然とした表情の♂WIZの魂は森の木々のてっぺんあたりで地上を見下ろしている。 何故失敗したかわからないと魂の思考は止まらない。 あらゆる失敗の原因となりうるものが♂WIZの脳裏に浮かび消えていき、そして- -生死判定と蘇生阻止に爪角の首輪、ですか。 ♂WIZは失敗の原因をついに確信した。 -主ヨ、残念ダったナ デビルチの声が聞こえて周囲に注意を向けるといつのまにか♂WIZの横にいる。 デビルチも宙に浮いているということは魂だけのような状態なのだろうか。 -最高の環境と思っていたのですが皮肉なものです。あなたとの契約もこれで終わりですか? -ウム、契約の途中ダがこうナってしまっテはしょウがないナ。ニブルヘイムまデ案内するゾ。 ♂WIZは自嘲気味に薄い笑みを浮かべてデビルチに従う意思表示をする。 -私は… そして最後に何かを言おうとしたがそのまま飲み込んで、消えた。 気絶していたデビルチのからだも同時にスッ-と消えていく。 <♂Wiz> 現在地:E-7 所持品:コンバットナイフ 片目眼鏡 とんがり帽子 レッドジェムストーン1つ 血まみれのs1フード 外 見:黒髪 土気色肌 スキル:Si SiR FP QM FW FD IW SG MS SS FBl モンスター情報 備 考:「研究」のため他者を殺害 丁寧口調 マッド デビルチと主従契約 ♂セージに対する敗北感 状 態:死亡 <残り20名> ---- | [[戻る>2-239]] | [[目次>第二回目次3]] | [[進む>2-241]] |
240.復活の魔術[3日目早朝] ---- ♂WIZが死を感じた時に思ったことは二つ。 -デビルチがいっていた二人組の存在も考慮して場所を移すべきでした… -ここで死ぬわけにはいかないのです、まだ私は…彼女を…! 一つ目の思いはすぐに消えた。今更すぎるからである。 正確にいうならばデビルチの報告にあった二人組みの他に♂WIZはこの近辺に強い妖艶な魔力を感じていた。 こんな危うい区域はすぐでるべきだったのだと、本当に今更ながらの刹那の後悔。 二つ目の思いは強く脳を回転させた。私が生きるにはどうしたらいいのかと。 答えはすぐにでた。自分の魂を移すことだ。幸いそのための準備も整っている。 これを実現させるには自分の魂を肉体から切り離す必要がある。 それには切り離す肉体の命を絶つのが理想。 もはや虫の息になってしまった今の自分の状態なら問題はない。 そして定着させる肉体の命も絶たれていて尚且つ損傷がないのが理想。 まだ魂が残る♀マジよりも♂マジに定着させるのが正解だろう。 だから♂WIZは♀マジと♂マジのリンクを自分と♂マジのリンクに急遽切り替えた。 これは少しだけの変更ですむので詠唱の進行の大きな妨げにはならない。 問題はどこにもない。♂WIZの魂は♂マジの肉体に定着して復活するはずだ- そして♂マジの肉体で復活できればやりすごすなり反撃なりできるだろう。 うまくいくかどうかは解らないと思って無理矢理詠唱したものの確かな自信はあった。 実のところ心の底では十中八九うまくいくだろうという確信していた。 何年も積み重ねた論理と先ほどの実践で確実な手ごたえを感じていたからだ。 それは♂アサとの戦いの時よりも遥かに大きな勝算だ。私はまだ死なない。まだ実験は終わらせない…! 魂がゆっくりと肉体から解き放たれる。術の発動は成功だ。 そして♂WIZの肉体は完全に死んだのであろう力なく崩れ落ちた。 魔力が結ぶ♂WIZと♂マジのリンクラインを誰にも認識されることなく魂は運ばれていく。 そして♂WIZの魂が♂マジの肉体と融合するように重なり静かに定着していく。 -ハズだった。何故か定着していく感覚がまったくない。突然の絶望が♂WIZを襲う。 何故定着しないのか、それは命が絶たれた時点で爪角の欠片の効果が発揮されているからだ。 つまり一度命を絶たれたら二度とは復活はできないという爪角の欠片の効果が。 命を絶つという工程を踏む以上ミストレスの時のようにはいかないのだ。 魔術の結果は失敗となり♂WIZは魂だけが文字通り宙に浮かんだ状態になってしまっていた。 魂は肉体に定着することなくふわふわと浮かんでいく。 -失敗の原因は能力の制限でしょうか? それにしては… 呆然とした表情の♂WIZの魂は森の木々のてっぺんあたりで地上を見下ろしている。 何故失敗したかわからないと魂の思考は止まらない。 あらゆる失敗の原因となりうるものが♂WIZの脳裏に浮かび消えていき、そして- -生死判定と蘇生阻止に爪角の首輪、ですか。 ♂WIZは失敗の原因をついに確信した。 -主ヨ、残念ダったナ デビルチの声が聞こえて周囲に注意を向けるといつのまにか♂WIZの横にいる。 デビルチも宙に浮いているということは魂だけのような状態なのだろうか。 -最高の環境と思っていたのですが皮肉なものです。あなたとの契約もこれで終わりですか? -ウム、契約の途中ダがこうナってしまっテはしょウがないナ。ニブルヘイムまデ案内するゾ。 ♂WIZは自嘲気味に薄い笑みを浮かべてデビルチに従う意思表示をする。 -私は… そして最後に何かを言おうとしたがそのまま飲み込んで、消えた。 気絶していたデビルチのからだも同時にスッ-と消えていく。 <♂Wiz> 現在地:E-7 所持品:コンバットナイフ 片目眼鏡 とんがり帽子 レッドジェムストーン1つ 血まみれのs1フード 外 見:黒髪 土気色肌 スキル:Si SiR FP QM FW FD IW SG MS SS FBl モンスター情報 備 考:「研究」のため他者を殺害 丁寧口調 マッド デビルチと主従契約 ♂セージに対する敗北感 状 態:死亡 <残り20名> ---- | [[戻る>2-239]] | [[目次>第二回目次3]] | [[進む>2-241]] |

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