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216.集中力向上   弓手は目を閉じ、ゆっくりと精神を集中させる。 弓を扱う者は決して心を乱してはならない。 どんな技術を持っていようと、射る者の気持ちに迷いがある限り、放たれる矢が目標に当たることは決して無い。 それは空しく空を切るのみに終わる。 目蓋の裏に彼は"最期の笑顔"を思い出していた。 彼は幸いにもこの狂ったゲームに巻き込まれながら、殺し合いに巻き込まれたのは数える程であった。 しかし、本来なら彼は最初のそれで死ぬはずだった。 理由は単純明快。 彼はその時強大な敵に対峙し、そしてとるべき行動を誤った。 戦場に於いて、判断力の欠如は死を意味する。 だが彼は死ななかった。 彼の死を、彼の大事な仲間が庇って、代わりに死んでいったから…。 『あんな過ち二度と繰り返してたまるか! 例え敵わなくても最後まで戦い抜いてやる!』 今一度、心に誓う。 そして 『俺達のこと見守っていてくれ!!』 既に火蓋が切って落とされた最後の戦いを前に、短い瞑想を終え目を開けようとしていた、その刹那 『アチャ君しっかりやりぃよ、またぼーっとしてたら承知せぇへんでっ』 「喰らえGM!ブランディッシュスピアァ!!」 それは、とある古城にて最も恐れられている誇り高き女騎兵――深淵の騎士子から放たれる必殺の一撃であると共に、 自分達の参戦への合図であった。 彼は矢筒から銀矢を二本取り出すと、それを強く握りしめゆっくりと弓に番える。 「「「行くぞ!!」」」 三人のかけ声が重なる。 彼に宿る信念の矢に、最早貫けぬものなど無い。   <♂アーチャー IA+集中力向上、初撃は秋菜へのDSを狙っている> ---- | 戻る | 目次 | 進む | | [[215]] | [[目次]] | [[217]] |

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