「001」(2006/06/13 (火) 11:35:05) の最新版変更点
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001.狂気の夜明け
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そこは、外界と隔離された空間だった。
とはいっても、別に地中の洞穴であったり、絶海の孤島である訳ではない。
有り体に言って、そこには外界への空間的繋がりの無い何処かであった。
無論、そんなものが自然に存在する訳は無い。
GM。神の御使い。様々に呼び習わされる何者かが、始まろうとしている狂った茶番の為に作り上げた箱庭だった。
「こんにちわっ、GM秋菜です♪今回、栄えあるイベント参加者に選ばれたみなさんには、突然ですが殺し合いをしてもらいます」
白い服を着た女が、言う。
その一言に、狭く、暗いホールの中に鮨詰めに座らされている、雑多な一団が大きくざわめいた。
幼い姿の者。奇妙に痩せた男。気高い聖職者。力強い騎士。その他諸々。何一つ統一性はない。
しかし、その顔という顔には一様に激しい困惑が浮かんでいた。
「えー、静かにしてくださいねーお願いしますー 説明中ですよっ」
その言葉に、終に耐え切れられ無くなったのか、一人が立ち上がった。
幼さを色濃く容姿に残した女性。まだぴかぴかの胸当てを付けた、ノービスであった。
自分の前に居る面々を掻き分け掻き分け、秋菜と名乗った女の下へ進む。
そして、詰め寄ると、困惑と、憤りが入り混じった表情を、涼しげな秋菜へと向けた。
「ふざけないでよっ!! いきなり…殺し合いなんて…」
その言葉が、遺言となった。言葉を放った姿のまま、彼女は彫像のように動かなくなる。
つう、と顎から、真っ赤な血が滴った。ずる、とその頭が、縦にずれた。
「静かにしないと、こんな風に、BANしちゃいますよー」
言って、いつの間にかバルムンを抜いていた彼女は、奇妙な彫像をつん、と指先で押す。
ずる。指で押された人型は。
ずる。正中線に、体を左右に分ける綺麗な亀裂が入り。
ずる。それは、徐々にずれていって。
…びちゃ。音を立てて、前後対象に倒れた。
会場のあちこちで、掠れた様な女性の悲鳴が、聞こえた。
斑に染まったGMは、未だびくびくと痙攣する足元のものをためらい無く踏みながら、数歩、一団の方へと歩み寄る。
「またー、皆さんには、ゲームを始めるに当たって、食料、赤ぽ、地図、それから特製容器入りの物品二点入りの袋が与えられまーす。
箱の中身は、武器だったり、便利な品物だったり色々でーす。役に立たないものも入ってるかもしれませーん。
でも、そんな人は運が悪かったと思ってくださいねー。頑張って、人殺しに役立ててくださーい。
それから、いきなり沢山死んだら面白くないので、皆さんには幾つかの組に分かれてもらって、
組ごとに、別々の場所の、互いに少し離れた位置からゲームスタートとさせていただきまーす」
ふと、思い出したかのように、秋菜が、ああ、と声を漏らす。ぽん、と手を叩き、たおやかに微笑む。
「それからー、逃げようとか、私達に逆らおう、なんて間違っても考えちゃいけませんよー?
今、貴方達のはめてある首輪には仕掛けがあって、そんな真似したら、即BANできるようになってますからっ」
真っ赤なGMは、一度言葉を切り、丸眼鏡をくいと押し上げる。
「それじゃあ、ゲームスタートです。頑張って、殺し合いましょうー」
参加者達を、闇ポータルの光が包み込む。
狂気の始まりは、告げられた。
<♀ノービス死亡>
<残り48名>
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001.狂気の夜明け
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そこは、外界と隔離された空間だった。
とはいっても、別に地中の洞穴であったり、絶海の孤島である訳ではない。
有り体に言って、そこには外界への空間的繋がりの無い何処かであった。
無論、そんなものが自然に存在する訳は無い。
GM。神の御使い。様々に呼び習わされる何者かが、始まろうとしている狂った茶番の為に作り上げた箱庭だった。
「こんにちわっ、GM秋菜です♪今回、栄えあるイベント参加者に選ばれたみなさんには、突然ですが殺し合いをしてもらいます」
白い服を着た女が、言う。
その一言に、狭く、暗いホールの中に鮨詰めに座らされている、雑多な一団が大きくざわめいた。
幼い姿の者。奇妙に痩せた男。気高い聖職者。力強い騎士。その他諸々。何一つ統一性はない。
しかし、その顔という顔には一様に激しい困惑が浮かんでいた。
「えー、静かにしてくださいねーお願いしますー 説明中ですよっ」
その言葉に、終に耐え切れられ無くなったのか、一人が立ち上がった。
幼さを色濃く容姿に残した女性。まだぴかぴかの胸当てを付けた、ノービスであった。
自分の前に居る面々を掻き分け掻き分け、秋菜と名乗った女の下へ進む。
そして、詰め寄ると、困惑と、憤りが入り混じった表情を、涼しげな秋菜へと向けた。
「ふざけないでよっ!! いきなり…殺し合いなんて…」
その言葉が、遺言となった。言葉を放った姿のまま、彼女は彫像のように動かなくなる。
つう、と顎から、真っ赤な血が滴った。ずる、とその頭が、縦にずれた。
「静かにしないと、こんな風に、BANしちゃいますよー」
言って、いつの間にかバルムンを抜いていた彼女は、奇妙な彫像をつん、と指先で押す。
ずる。指で押された人型は。
ずる。正中線に、体を左右に分ける綺麗な亀裂が入り。
ずる。それは、徐々にずれていって。
…びちゃ。音を立てて、前後対象に倒れた。
会場のあちこちで、掠れた様な女性の悲鳴が、聞こえた。
斑に染まったGMは、未だびくびくと痙攣する足元のものをためらい無く踏みながら、数歩、一団の方へと歩み寄る。
「またー、皆さんには、ゲームを始めるに当たって、食料、赤ぽ、地図、それから特製容器入りの物品二点入りの袋が与えられまーす。
箱の中身は、武器だったり、便利な品物だったり色々でーす。役に立たないものも入ってるかもしれませーん。
でも、そんな人は運が悪かったと思ってくださいねー。頑張って、人殺しに役立ててくださーい。
それから、いきなり沢山死んだら面白くないので、皆さんには幾つかの組に分かれてもらって、
組ごとに、別々の場所の、互いに少し離れた位置からゲームスタートとさせていただきまーす」
ふと、思い出したかのように、秋菜が、ああ、と声を漏らす。ぽん、と手を叩き、たおやかに微笑む。
「それからー、逃げようとか、私達に逆らおう、なんて間違っても考えちゃいけませんよー?
今、貴方達のはめてある首輪には仕掛けがあって、そんな真似したら、即BANできるようになってますからっ」
真っ赤なGMは、一度言葉を切り、丸眼鏡をくいと押し上げる。
「それじゃあ、ゲームスタートです。頑張って、殺し合いましょうー」
参加者達を、闇ポータルの光が包み込む。
狂気の始まりは、告げられた。
<♀ノービス死亡>
<残り50名>
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