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---- 289.信頼対決 情勢は、圧倒的にパピヨンが不利だった。 敵には魔法職が二人。聖職者が二人。さらに、蛮勇とも呼べるほど強固な意思で攻撃を続けるアタッカーが一人。 対して、味方には自分と、『トモダチ』が一匹。 『トモダチ』は狂戦士のごとく攻撃を続ける♂スパノビに粘着されおり、今すぐにでも助けたい。 しかし、かといって安易に近づけば♀WIZのクァグマイアにより動きを鈍くされた後、魔法で蜂の巣にされるのが目に見えている。 パピヨンは、この状況を転換させうる何かを心から渇望していた。 そして。 今、それは存在したのだった。 パピヨンが自分たちの背後に回ったのを見て、♀WIZはほくそ笑んだ。 おそらく、寄生虫とパピヨンで挟み撃ちにする気だと考えたからだ。 しかし、逆に言えば、それは味方の分断である。 これで、パピヨンは寄生虫を攻撃している♂スパノビを攻撃することができない。やろうとしても、♀WIZが阻む。 心配なのは、むしろ♂スパノビの方だ。 明らかに正常心を忘れており、先ほどから無用な捨て身の攻撃を続けている。 だが、そちらには♂プリーストと♀アコライトと♀マジがついている。 きっと彼らならば、♂スパノビを助けてくれるに違いない。 それは冒険者特有の、ある意味泥臭い、しかし何よりも高潔な、信頼という名の絆だった。 ♀WIZが♀マジ達を信頼しているように、♀マジもまた♀WIZを信頼していた。 ♀マジ達は寄生虫へ攻撃中であり、パピヨンに背を向けてしまっている。 それは、パピヨンへ絶大なる隙を晒していることになる。 しかし。 自分の後ろには、♀WIZがいる。 彼女ならば、パピヨンを完封してくれる。 そして、私達に完全なる勝利を与えてくれる。 一人では成しえられない、何事にも換えられない、勝利を。 ♀WIZは信頼していた。♀マジが寄生虫を倒してくれることを。 ♀マジは信頼していた。♀WIZがパピヨンから守ってくれることを。 その信頼は揺ぎ無い確実のものであり、それを実現させるだけの意思と実力を彼女達は持っていた。 しかし。 その信頼には、横からの第三者への襲撃への配慮が、完全に欠けていたのだった。 何が起こったのか、♀WIZにはわからなかった。 彼女が理解できたのは、体中を電撃のような何かが駆け抜けたことと、瞬間、自分が木に叩きつけられていたこと。 そして、自分が取り返しのつかない失態を犯してしまった、ということだった。 ずっと様子を伺っていたデビルチは、ついに♀WIZの決定的な隙にありつき、ユピテルサンダーを叩き込んだ。 同時に、寄生虫へと走り出す。 手に持つトライデントを腰だめに構え、寄生虫と♂スパノビに気をとられている♂プリーストへと走り出し。 ずぐり、と。 重い手ごたえが、デビルチの奇襲が成功した、ということを知らせたのだった。 ♀WIZが突如横に吹き飛んだことに、パピヨンはまったく驚くということをしなかった。 いや、むしろ計算どおりだ、とほくそ笑むほどだった。 自分がうまく立ち回れば、きっとデビルチは最良の形で場に介入してくれるに違いない、と。 モンスターには冒険者のようにモンスター同士で信頼しきる、ということはほとんどない。 せいぜいが同属で守りあう程度のものである。 なら何故パピヨンがデビルチをそこまで信頼しきっていたのかというと、それはそれほど彼女が純真であったからである。 何故そこまでの純真な心を持てるか、それは定かではない。 ただ生まれたばかりの無知であるのか。 それとも女王としての本能であるのか。 はてまた母親であるミストレスに種をつけた、あるお人よしの父親の血なのか。 ただ一つ確かなことは、パピヨンの信頼は決して冒険者のそれに引けをとらないほど、強固なものであった、ということである。 デビルチの活躍に歓喜したパピヨンは、この期を逃してなるものか、と突撃する。 完全に背中の無防備を奪った♀マジに対して、上空からの滑空の勢いそのままに、強烈な飛び蹴りを放つ。 見事それは相手の背中に命中し、♀マジを地面に叩きつける。 パピヨンの勢いはそれだけで止まらない。 次の目標は……この事態にも関わらず、トモダチへの攻撃をやめない♂スパノビである。 「きゃはははははははははははははははっ、死ねッ、クソガキッッッ!!!!」 パピヨンの右手が閃く。 右足膝、臀部、後背部。 強烈なピアースが♂スパノビを貫いた。 何が起こったのか、♀アコライトには全く理解できなかた。 いや、理解できないというより、理解したくなかった。 ほんの、ついさっきまで。 自分達のパーティーは、モンスターを圧倒していたはずである。 しかし、それは一瞬にしてひっくりかえってしまった。 ♀アコライトの冷静な部分が、この状況を説明する。 敵の増援、奇襲、自分以外の全員が攻撃を受けたということ。 彼女もまた冒険者であり、他の仲間と同様に、仲間に対して絶対の信頼を置いていた。 しかし、その仲間は全て地に伏せている。 絶対の信頼はもはや完全に逆転し、♀アコライトの意思は絶対的な絶望に包まれたのだった。 <♀WIZ> 現在地:E-6 所持品:クローキングマフラー 未挿sロザリオ     ウィザードスタッフ DCカタール +7THグラディウス 多目の食料 容 姿:WIZデフォの銀髪 備 考:LV99のAGIWIZ GMに復讐 ♂シーフと同行 年の事は聞かないでね? 状 態:容態安定 ただし全身に傷跡が残る HP/SP中回復     デビルチのユピテルサンダーを受ける。 <♂スパノビ> 現在地:E-6 所持品:スティレット ガード ほお紅 装飾用ひまわり 古いカード帖 食料二食 スキル:速度増加 ヒール ニューマ ルアフ 解毒 外 見:巨漢 超強面だが頭が悪い 備 考:BOT症状発現? ♀BSの最期の命令に従っている 寄生虫を殺す 状 態:腹部に裂傷。右足膝、臀部、後背部を刺される。 <♂プリースト> 現在地:E-6 所持品:修道女のヴェール(マヤパープルc挿し) でっかいゼロピ 食料二食 マイトスタッフ 外見:逆毛(修道女のヴェール装備のため見えない) 怖い顔 備考:殴りプリ 状態:HPSP共に微回復。腹部を刺される。 <♀アコライト&子犬> 現在地:E-6 容 姿:らぐ何コードcsf:4j0n8042 所持品:集中ポーション2個 子デザ&ペットフードいっぱい 食料二食 スキル:ヒール・速度増加・ブレッシング 備 考:殴りアコ(Int1)・方向オンチ 首輪と地図と禁止区域の関係を知る 状 態:多少の傷 SP微回復 <♀マジ> 現在位置:E-6 所持品:真理の目隠し とんがり帽子 食料二食 容 姿:褐色の髪(ボブっぽいショート) 備 考:ボクっ子。スタイルにコンプレックス有り。氷雷マジ。異端学派。    首輪と地図と禁止区域の関係を知る ♀ケミに敵意 状 態:足に軽い捻挫、普通に歩くのは問題無し。背中を思い切り蹴られる。 <悪ケミ> 現在地:E-6 所持品:グラディウス バフォ帽 サングラス 黄ハーブティ 馬牌×1 食料二食 容 姿:ケミデフォ、目の色は赤 備 考:サバイバル・危険物に特化した頭脳、スティールを使えるシーフを探す、子バフォに脱出を誓う、首輪と地図と禁止区域の関係を知る したぼく:グラサンモンク 参考スレッド:悪ケミハウスで4箱目 <デビルチ> 現在地:D-6→E-6 所持品:+10スティックキャンディ トライデント(デビルチ用) 備 考:悪魔 状 態:瀕死 <パピヨン> 現在地:E-6 備 考:ミストレスの魔力を一部継承 ミストレスの持つ虫達を統べるカリスマ継承 ノーマルより強い スピードも速い <寄生虫> 現在地:E-6 外 見:ウンゴリアントの亜種 備 考:淫徒プリから孵る パピヨンに忠誠 状 態:ストームガスト一発直撃。 <残り13名+4匹> ---- | [[戻る>2-288]] | [[目次>第二回目次3]] | [[進む>2-290]] |

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