バトルROワイアル@Wiki 107


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107.嵐の前の


(うーん、女の子がいっぱいで迷っちゃうな・・・)
簡易なテントの中、食事の仕度をする女性陣を眺めながら、ときらぐ主人公は不謹慎なことを考えていた。
明るく活発なスポーツ娘タイプの♀シフ。
物静かで清楚な文学少女タイプの♀プリ。
かわいらしく甘えんぼな妹タイプの♀商人。
親しみやすそうな、隣の家の幼馴染タイプの♀モンク。
(これで♂ノビが実は男装の美少女でした、とかなら完璧なんだけど)
ときらぐ主人公はでれでれと鼻の下を伸ばし続けるのだった。
そう、この時はまだ誰も、数分後に起きる惨状など想像もしていなかったのだ。

(やっぱり・・・思い出しちゃう・・・な)
手渡されたハムをナイフ(♂ノビがイズルードで確保したもの)で食べやすくスライスしながら、♀モンクは視界の端で♀プリの姿を追い続けた。
仲間になりたいという申し出は笑顔で受け入れられて、♀モンクは5人と行動を共にすることになった。
皆暖かく優しそうで、♀モンクは昏く冷えきった心が少しずつ癒されていくのを感じていた。
しかし、♀プリの姿を見ると、どうしてもあの少女を思い出してしまうのだ。
洞窟の中で一人怯えていた、小さな聖職者の卵。
(あの子もきっと、この紫紺の司祭服に憧れていたんだろうな・・・)
その夢を自分が奪ったのだ。この手で、メイスを何度も頭に打ち付けて。
(ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい)
なぜ、私はあの時あんなことをしてしまったのだろう。
同じように怯えていた彼女に、なぜここの人たちのように、手を差し伸べることができなかったのだろう。
メイスの血のりは拭えても、この汚れた手は決してきれいになることはない。
(神よ・・・どうかお許し下さい。正しい道へとお導きください)
「んー、6人分にはちょっとまだ足りないな~」
♀商人ののんびりとした声に、♀モンクは我に返った。
「あ、食料ならいっぱいあるよ、ちょっと待ってて」
♀モンクは自分のかばんを♀商人に放り投げた。
受け止めた♀商人は予想外の重みに軽くよろけた。
「おもっ! 随分いっぱい入ってるんだね~」
何気ない一言に♀モンクはぎくっとなった。そう、その食材も彼女から奪ったものなのだ。
「適当に中漁っちゃっていいからっ!」
言いながら、♀モンクは♀商人から目をそむけ、元の作業に戻った。
再び暗い後悔に心を蝕まれながら・・・。
♀商人がかばんを開けると、中からたくさんの食材が現れた。
果実、野菜、お菓子・・・元々支給されたにしては明らかに多すぎる量であった。
「わー、いっぱいあるね~、おいしそう~」
弾んだ声を上げながら、♀商人は冷静に思考をめぐらせた。
元々支給された食事はパンと干し肉の塊やチーズ等の保存食だった。
だとするとこの食事は・・・どこからか取ってきたもの? それとも。
      • ああ、そうか。きっとそうなんだ。
♀商人はある結論に行き当たった。
目がすうっと細められ、口の端がさも可笑しそうに跳ね上がった。
これから面白いことになりそうね・・・。とても。



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