068.状況が違えば或いは
(やれやれ、まいったな…)
♀剣士は戸惑っていた
その気配を察したか♂ノービスが心配そうに見つめている
「どうしたんですか?師匠」
戸惑いの原因はこれである
「なあ少年、その『師匠』というのは止めてくれないか?」
あまりにもあまりすぎてこそばゆいのだ
無論♂ノービスからすれば生きる術を学びとる数少ない相手なので
『師匠』の呼称はあながち間違いではないが
「だったら師匠もボクを『少年』と呼ぶのは止めてください」
思わぬ反撃に♀剣士はキョトンとした顔になる
「…ぷっ、はははは。それは無理な相談だ私は君を『少年』としか評することはできない」
「でしたらボクも貴女の事は『師匠』と呼ぶ他ありません」
「ならば譲歩するしかないようだな」
「そうですね」
そして二人は一頻笑った
そう、仲の良い姉弟の様に
<♀剣士&♂ノービス 現状変わらず、移動中>
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