バトルROワイアル@Wiki

2-006

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006-夢の島


それは初夏の何気ない一日。
天は高く、日差しは強く、そして俺はぐったりしていた。
プロンテラ騎士団でも流石にこんな炎天下にはトレーニングをさせることはない。

「あちぃ~まったくGMジョーカーって野郎め!
気を使って冷えた赤ポでももたせてくれりゃよかったんだ!」

一人愚痴る。
島の新緑が目に眩しい。
海ではカモメが悠々自適に空をとびまわる。

「そんなことどうでもいいから早く安全な場所探してよ!」

目の前の相棒の♀プリが冷たくあしらう。
自慢じゃないが冷たさじゃこいつはハティーにも負けないね。
そういう彼女は少女の日記を読んでいるが・・・・・・。

「それよりあんたには緊張感っていうものがないんじゃないの!?
これから私達はこの島で生き延びていかなければならないのよ!?」

そう言ってミニグラスをかけた理知的な顔ツキで不満をぶちまげてくる。

転職後の金が無い時にこいつは俺に近づき、幾ばくかのお金を借してくれた。
そして俺はその金で装備を整えサクサクとレベル上げをしたのだが
それには恐ろしいほどの金利があることを後で知らされ、騙され、俺は
それ以来こいつの家来みたいになっている。
逃げ出したいのはヤマヤマだがこいつの親父はどうやら有名なロードナイトで
俺は出世してロードナイトになることが絶対できなくなってしまう・・・・・・。

だが俺にだって不満を言う権利ぐらいはあるはずだ。俺は奴隷じゃない!

「へいへい、どうせ俺にゃ緊張感っていうものは無い事ぐらい自分で分かってるよ。
だけど姫様よー探してるのは俺だしあんたはただピクニック気分で青箱から出た
少女の日記を読むだけでいいもんな・・・・・・あはははは・・・・・・ハ?」

一瞬、彼女がニッコリとした。だけどそれは俺にとってこの世で一番恐ろしい表情だ。
あぶない!直感でそう思った時には「キンッ」っと擬音が聞こえそうなぐらい
股間に鋭い蹴りがヒットしていた。

「!!!!!!」

涙目でうずくまる俺。

「・・・・・・き・・・・・・貴重な・・・・・・戦力に何しやがる・・・・・・」

急所を狙う女は性悪しかいないね。うん。間違いない。

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事の発端を思い出す。

「すみませんアンケートをしているのですがちょっといいでしょうか?」

突如、騎士団で俺たちの目の前に銀髪オールバックで銀眼鏡をかけた♂GM
とスポーツマンタイプの逆毛♂GMが光柱とともに現れた。
しばらく唖然としていた俺たちに向かってそいつらは問いかけてきた。

「こんにちは。私はGM橘と申します。貴方たちは現状の生活に
満足していますか?どこかワクワクするような場所に行きたいとは思いませんか?」

オールバックが言う。

「やあ!俺はGM森だ!どうだ君たち。熱い冒険をしてみたくないか!」

熱血野郎がポージングをしながら言う。

いきなり問われ、どう答えていいか分からないでいると彼女は即答した。

「もう騎士団飽きたし、レアがいっぱい出て経験値も美味しい場所ない?」

おいおいそれはちょっと相手の質問の回答として不適切だろ。
そう思ったのもつかの間、すぐにそいつらが反応した。

「ありますよ。大きな経験とそしてかけがえの無い宝を手に入れられる場所が」

「おうおう!あそこなら生まれ変わって帰ってこれるゼ!」

あちゃ~。こう言われると絶対あいつは・・・・・・

「本当に?!いくわ!連れっててよ!」

あ~あ~俺の都合はおかまいなしってか?
しかしさっきのあの男GMらの回答は彼女と一緒でどうにも噛み合っていない。
なんだか嫌な予感がした。

そして俺たちはそいつの出したポタに乗り広い部屋に集められた。

それからの結果はGMジョーカー以下略・・・・・・で

俺ら二人はこの密林の中に出現した。

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そして現在俺たちはここにいる。

「ってか考えてみれば俺はただ巻き込まれたんだけなんだよな?・・・・・・誰かさんに」

思わず事の確信にいきあたる。

「な、なによ?私が悪かったっていうわけ?!」

じとーとした目で彼女を見つめる。

「しょ、しょうがないでしょう!?私だって知らなかったんだから!」

そういう問題ではないと思うが・・・・・・
まあ、いいやそんなことより早く身の安全を確保しなくてはな。

「まて」

小声で彼女に呟くのと同時に手で制する、血が点々と横の獣道に続いている。
新緑に赤い血はよく映えるようだ。

「え・・・・・・どういうこと?」

まだこいつは状況を把握してないのだろうか。
温室育ちの我侭なお姫様にはこういう状況は
無理だなと思わず苦笑してしまった。

「誰かがヤル気になっているっていうことだよ・・・・・・
生き延びようとする一派が集まる前に一気に勝負をかける気だろうな。
集まったらやりにくくなるわけだからな。」

とりあえず血はまだ固まっておらず黒ずんではいない。
まだそこまで経っていないということで、
つまりはまだ敵はすぐ近くに潜んでいるかもしれないっていうことだ。

クソッタレ!
膨れ上がる殺気を感じた。
風切る矢の音。

「あぶねー!」

彼女を突き飛ばして倒れこむ。
ダダダッと木の上に矢が三本刺さった。

敵が姿を現した。

「あーら外しちゃったか・・・・・・?いい反射神経してるねあんた」

♂ローグだ。俺たちの後方10m前後に居た。
目つきは鋭く片目にはでっかい古傷があり、手にはクロスボウを携えている。
弓ローグかっ!ハイディングで待ち伏せしてたのか!
そう判断すると同時に俺は走り出していた。

「速度増加をしろ!」

思いっきり叫ぶ。

「!!!わ、わかったわ!!!速度増加!」

右に左に矢をかわす。
体が軽い。いけそうだ。
一気に10mを詰め、思いっきり跳び掛る。

「うおおおおおおおおおお!!!!」

だが!
ザシュっていう音とともに肩を切り裂かれた。
痛みに耐えかね、尻餅をついてしまった。
ジ・エンド。

「甘い甘い、俺は弓だけじゃなくてこっちも使えるんだな・・・・・・これが」

そいつは手に包丁を取り出していた。
そしてそれを俺の喉に突きつけている。
完璧にこいつに心を読まれた。
接近戦に持っていき腕力で弓ごと押さえつけて捕まえる作戦が頓挫した。

「ちょっと大丈夫!?」

そういう前にヒールしろってんだ・・・・・・

「く・・・・・・やるなあんた・・・・・・」

さっさと青箱を開ければ良かった。
得物がない状態でこいつとやりあうのは無謀だったという他ない。

「さて・・・・・・悪いがお前はここで終わりだ」

接近戦は包丁。遠距離はクロスボウ。
はっきり言って俺にはどうしようもない。
精々できるのは悪態をつくことぐらいだ。

「おいおい武器が包丁じゃなくてグラディウスとかなら様になってたのにな・・・・・・?」

ニヤリと笑いかける。

「おやおや、俺はこれでも自炊するほうなんでね。これは自前なんだぜ?」

そういうとそいつは逆にニヤリと笑い返された。
クソっ切り替えしも最高だ。

「さてそれじゃ、悪いが終わりだ」

チャンスは今しかない。
そいつが俺の喉を切り裂く寸前に俺は
思いっきり頭を後ろに倒し
両足でそいつにカニバサミをかけた。

「ぐお!?」

すっころぶ♂ローグ

この期を逃さず俺は彼女の元へ全力で走る。
さっさとこの場所を離脱しないと最初の犠牲者になってしまう。
冗談じゃない。

「走れ!」

だが、彼女はほうけているかのように動かない。

「ばか!!!」

彼女に向かって矢を射ろうとする気配が背後からした。
・・・・・・分かっていた。
だが・・・・・・それでも俺はまた奴に心を読まれた。

「くそおおおおおお!」

彼女をタックルするかのように抱きかかえ、横道に入った。

「あ、ありがとう!」

彼女が何かを言っているが俺は返事できなかった。

「ど、どうしたのよ・・・・・・?」

流れる命。

「え・・・・・・そ、そんな・・・・・・」

俺の背中には矢が一本刺さり鮮血が滴り落ちてい・・・・・・た・・・・・・。
暗転。

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パニック状態になり目の前が真っ暗になりかけた。

「ア・・・・・・アアア・・・・・・」

狂乱してただひたすらに憎まれ口を叩くが本当は大好きな♂騎士を揺する。

あいつが私を殺そうとしている。
私に向かって矢を射るのが見える。
しかし私はただ、呆然とそれを見つめている。
死を覚悟していた。お父様ごめんなさい。
貴方の娘は本当に大好きな人も守れませんでした。

最期の数瞬がやけに長く感じられた。

「!!!!」

また、私は突き飛ばされた。突き飛ばされてばっかりだ。

「何をしているの!」

いきなり現れた♀ダンサーが私に向かって叫ぶ。

「貴方!プリーストならニューマーしなさい!そしてヒールを彼にかけてあげなさい!
まだ余裕で助かるわよ!」

そうダンサーは言うと次々と飛んでくる矢をロープで巻きつけて落とす。
神業的な技術だ。

「やる、なぁ~・・・・・・本気を出す、しか、ないか・・・・・・」

変なアクセントで相棒らしきバードは言った。
彼はバリスタと呼ばれる剛弓と弓矢を取り出していた。
バードの腕で引けるのだろうかと不思議に思った。

私たちの旅は始まった。

悪夢の島物語。


♂騎士・・・・・・負傷 青箱二個未開封

♀プリ・・・・・・軽錯乱状態 S1少女の日記 青箱一個未開封

♂バード・・・・・・バリスタ 青箱一個未開封

♀ダンサー・・・・・・ロープ 青箱一個未開封 C帖一個所持

♂ローグ・・・・・・クロスボウ 包丁 自前というのはジョークで包丁は青箱から出てきた物である。

<残り:50名>


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