013.究極の知能の融合
オレはこいつらと生きて帰る…。
将来を夢見てひたすら修練に励んだ日々を、あのバカなGM達によって崩されると思っていた。
しかし、天はまだオレを見放していなかったようだ…必ず、復讐してやる…。
将来を夢見てひたすら修練に励んだ日々を、あのバカなGM達によって崩されると思っていた。
しかし、天はまだオレを見放していなかったようだ…必ず、復讐してやる…。
時は少し遡る…
あてもなく、生きることを諦めた人形のように、オレは歩いていた。
的にでもされて、自分でも気付かずに死ねれば、それはどんなに楽なことだろうか。
視界が暗転する。
どうやら、草で編まれた単純な罠に引っかかったようだ。
「両手をあげて、おとなしくせぇや」
頭上から声がした。
ああ、オレはここで死ぬんだな…と思いながら、両手をあげてその場に棒立ちになる。
今まで神を信じたこともなかったが、目を瞑って、最期に思いきり空気を味わおうとした。
「って、あんた…支給品あけてすらいないんだ?」
突然の声に、はっと息を呑む。
いつものオレなら、後ろに人がいるのに気付かないわけがなかったのに。
ふと、前から近づいてきた商人――いや、アルケミストか――と思しき女が声をかけてきた。
「ホンマかいな、あんさん…もしかして、生きるん諦めてたりしたんか?」
「ああ、そうだよ…悪いか」
早く殺せ、と唾を吐きながら声のする方へ顔を向―――
あてもなく、生きることを諦めた人形のように、オレは歩いていた。
的にでもされて、自分でも気付かずに死ねれば、それはどんなに楽なことだろうか。
視界が暗転する。
どうやら、草で編まれた単純な罠に引っかかったようだ。
「両手をあげて、おとなしくせぇや」
頭上から声がした。
ああ、オレはここで死ぬんだな…と思いながら、両手をあげてその場に棒立ちになる。
今まで神を信じたこともなかったが、目を瞑って、最期に思いきり空気を味わおうとした。
「って、あんた…支給品あけてすらいないんだ?」
突然の声に、はっと息を呑む。
いつものオレなら、後ろに人がいるのに気付かないわけがなかったのに。
ふと、前から近づいてきた商人――いや、アルケミストか――と思しき女が声をかけてきた。
「ホンマかいな、あんさん…もしかして、生きるん諦めてたりしたんか?」
「ああ、そうだよ…悪いか」
早く殺せ、と唾を吐きながら声のする方へ顔を向―――
ドゴッ
鈍い音が耳元で弾ける。最初は何が起こったのかわからなかった。
「アホいうんも大概にせぇ。…ま、あんさんがこんなゲームに乗ってなかったんやから、そこは喜ぶべきかいな」
頬を拳で殴られたらしい。ふらふらとする感覚から戻ってみると痛みだけが残っていた。
「っ…なんで殺さないんだよ…」
なまじ半端な痛みなため、苦しい。
オレはアーチャー。一流の狩人、狙撃手になるため日々を弓とともに生きてきた。
基本的な体術は会得していたものの、不意に殴られるのなど初めてだった。
そして、差し出されるのは右手。
「あんさんの力…うちらに貸してくれへんか?」
差し出される手に困惑するオレ。
戸惑いながら手を差し出そうとするオレに、後ろから鋭く突き刺さる声。
「でもあんた、生き延びる気力がないならここで人生終了しときな…
私らがやろうとしてることは生半可な覚悟じゃついて来れんよ?」
「やろうと、してること…?」
振り向いて声の主を見る。
容姿から…いや、雰囲気全てが、彼女が常人と違うというオーラを発していることに気付く。
「ああ…詳しくはまだ言えんがな…」
言うと、彼女は手に持つ短剣で近くの木に文字を彫る
『私らの会話は盗聴されていると踏んだ方がいい』
驚いた。オレにはそんなことを思う余裕すらなかったというのに。
「そうか…じゃ、まぁ…支給品とやらにオレの運命を託してみるか…」
かばんの中から小さい箱を取り出し、開ける。
中からは白い葉っぱが一枚、ふわりと出てきた。
「わ…白ハーブかぁ…生憎、製薬の道具は取り上げられてしもたがなぁ」
アルケミストの彼女が苦笑した。
「大事なのはそっちの大きい箱じゃないのかい?」
少しも温かみを感じさせない声で、セージは言う。
「そうだな…これに運命をたくすか…」
大きい箱を開ける…目を瞑り、中の物を手探りで掴む。
懐かしい感触。
その感触に触発されるように、オレの中で生き残るための気力が沸いて来た。
「…ビンゴ♪」
まだ何も言ってないのに、アルケミストの少女は嬉しそうに飛び跳ねる。
「これで、一緒に来てくれるよね?」
下から覗き込まれ、少したじろいだが、嘘偽り無くいえた。
「ああ…なんだってやってやるさ」
「で、盛り上がってるとこ悪いんだけど。あんた矢もなく弓持ってて意味あんの?」
その言葉に、一気に下がるオレとアルケミストのテンション。
「あはは、悪い悪い…これ、あんたなら使えるでしょ?」
その手に渡されたのは、ひとかけらのジャルゴン。
「アホいうんも大概にせぇ。…ま、あんさんがこんなゲームに乗ってなかったんやから、そこは喜ぶべきかいな」
頬を拳で殴られたらしい。ふらふらとする感覚から戻ってみると痛みだけが残っていた。
「っ…なんで殺さないんだよ…」
なまじ半端な痛みなため、苦しい。
オレはアーチャー。一流の狩人、狙撃手になるため日々を弓とともに生きてきた。
基本的な体術は会得していたものの、不意に殴られるのなど初めてだった。
そして、差し出されるのは右手。
「あんさんの力…うちらに貸してくれへんか?」
差し出される手に困惑するオレ。
戸惑いながら手を差し出そうとするオレに、後ろから鋭く突き刺さる声。
「でもあんた、生き延びる気力がないならここで人生終了しときな…
私らがやろうとしてることは生半可な覚悟じゃついて来れんよ?」
「やろうと、してること…?」
振り向いて声の主を見る。
容姿から…いや、雰囲気全てが、彼女が常人と違うというオーラを発していることに気付く。
「ああ…詳しくはまだ言えんがな…」
言うと、彼女は手に持つ短剣で近くの木に文字を彫る
『私らの会話は盗聴されていると踏んだ方がいい』
驚いた。オレにはそんなことを思う余裕すらなかったというのに。
「そうか…じゃ、まぁ…支給品とやらにオレの運命を託してみるか…」
かばんの中から小さい箱を取り出し、開ける。
中からは白い葉っぱが一枚、ふわりと出てきた。
「わ…白ハーブかぁ…生憎、製薬の道具は取り上げられてしもたがなぁ」
アルケミストの彼女が苦笑した。
「大事なのはそっちの大きい箱じゃないのかい?」
少しも温かみを感じさせない声で、セージは言う。
「そうだな…これに運命をたくすか…」
大きい箱を開ける…目を瞑り、中の物を手探りで掴む。
懐かしい感触。
その感触に触発されるように、オレの中で生き残るための気力が沸いて来た。
「…ビンゴ♪」
まだ何も言ってないのに、アルケミストの少女は嬉しそうに飛び跳ねる。
「これで、一緒に来てくれるよね?」
下から覗き込まれ、少したじろいだが、嘘偽り無くいえた。
「ああ…なんだってやってやるさ」
「で、盛り上がってるとこ悪いんだけど。あんた矢もなく弓持ってて意味あんの?」
その言葉に、一気に下がるオレとアルケミストのテンション。
「あはは、悪い悪い…これ、あんたなら使えるでしょ?」
その手に渡されたのは、ひとかけらのジャルゴン。
<♂アーチャー アーバレスト[2]、白ハーブ1個獲得。>
<♀セージ ジャルゴン、ダマスカス[2]1個獲得>
<♀アルケミスト 不明。>
<♀セージ ジャルゴン、ダマスカス[2]1個獲得>
<♀アルケミスト 不明。>
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