バトルROワイアル@Wiki 2-015


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015.神罰の拳


「ヒールっ! あがっ……はぁはぁ……」
薄暗い小屋の中に、蛍火にも似た燐光が浮かび上がる。聖職者たちの扱う癒しの光だ。
だが、本来ならば不死者の身を焼くほどにまばゆく温かな輝きを持つはずの光は、弱々しく今にも消えそうなほどに心細い。
「糞っ、ヒールの力が弱められてる……」
掌に集めた淡い光を鳩尾に当て、♀モンクは血臭のする息を吐いた。
肉弾で戦うことを得意とする彼女にとって、癒しの奇跡は見習いのアコライト時代に多少覚えた程度だった。
それでも、この程度の傷を癒すには充分なはずだったのだが――
「肋骨を……一本やられたか……」
ピエロ帽子のGMに打ち込まれた傷が鈍く疼く。
怒りに任せて飛び出したとは言え、あれは必殺の間合いだった。
タイミングも申し分なく、あとは一歩踏み込んで、体内に溜め込んで凝縮した気を打ち込んでやるだけでGMジョーカーを葬ることが出来たはずなのに。
「カウンターの一撃で、このザマとはな……私も、まだ功夫が足りないということか」
だいぶ落ち着いてきたのか――ささくれた板張りの床に、彼女は大の字に寝転んだ。
激痛に意識を失いかけていた彼女が、強制的にポータルで移動させられた先は、数軒のみすぼらしい小屋が立ち並ぶ浜辺だったのは天の助けと喜ぶべきだろうし、他の参加者に見つかることなく小屋に逃げ込めたのも僥倖だろう。
元は漁師小屋か何かだったのか。壁には漁に使う投網やら、銛などが立てかけられているものの、少なくとも半年近くは使った形跡が無い。無残に蜘蛛の巣がかかり、埃が溜まっていた。
(……つまりこの島は、もともと無人島ではなかったということか?)
この馬鹿げた殺人ゲームのために、島を一つ作り変えたというのか。
まさに馬鹿げてる。正気の沙汰でないのは誰の目に見ても明らかだ。
だが、この馬鹿げたゲームが国家によって運営されているのは確かだった。
(女王イゾルデ……善政を布き、国民の――とりわけ冒険者たちに慕われた名君トリスタンⅢ世の妻でありながら、奴はいったい王の何を見ていたんだっ!)
彼女は古びた床板を打ち抜かんばかりに拳を叩きつけた。
「おのれ……女王イゾルデ、人の命を弄ぶ悪鬼外道ども! いいだろう……我が神罰の拳、その身で味あわせてくれるッ!!」
奥歯が鳴るほどに、湧き上がる憤怒に♀モンクは歯を食いしばる。GMに歯向かった時と同じく、両の瞳は灼熱の決意が燃え上がっていた。


<♀モンク:北東の浜辺の小屋 備考:直情型の正義漢。猪突猛進>
<所持品:青箱2ヶ未開封>

<残り47名>


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