バトルROワイアル@Wiki 2-022


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022.バードマスター


「・・・・・・ふぁるぅ」
相棒の名を呼べど、答えてくれる彼はいない。
殺し合えと言われても、その手段さえ彼女は持たない。
眼下に広がる青い海に向けてもう一度、ぽつりと呟いた。
「ふぁる・・・会いたいよ・・・」

彼女は鷹使いである。鷹と心を通わせ、その言葉さえも理解できるまでにファルコンマスタリーの技術を磨き上げるが、その反面彼女は他の誰をも信用することはできなかった。
ファルコンだけを唯一無二の友とし続けてきた彼女に、心を許す事の出来る人間としての友人は存在しなかったのである。
仲間を見つけるという選択肢など無く、
誰かを殺して生き延びるなど思考の中に入って来る事すらなく、
それでも死にたくなんてなかった。

どうすればいいのか、何がどうなっているのか、さっぱり理解できなかった。
どうすればいいの、あたし?
何か、考えなければならない。
何を?
とりあえず、今できること。
何だろう。
胸に抱えている、配布された小箱に目を止める。

蓋を開くと、中からはスパナが出てきた。武器として使うものであるとまでは至らず、ああ何か工具だなぁと感想らしい感想も浮かばないままにすぐに次の箱に手をかける。
2つ目の箱は、開くと中からさらに箱。少し目をまるくしたが、それは確かに箱。薄汚れて色褪せた紫色の箱。
さらにそれを開けてみようかとも思ったが、やめた。
何だかどうでもよくなった。
「無理だよお、あたしひとりでこんなとこで、もう・・・」
泣き出しそうになった。

「近イヨ」

「え」
突然、声が聴こえた。びくりと体を縮こまらせ、立ち上がる。知らずスパナを握り締める。
聴き慣れない声、しかし今の声は。

「近ヅイテ、クルヨ」

見回す。頭上を海鳥が旋回していた。

「ヤル気ダヨ、ヤル気ダヨ」

やっぱり理解できなかった。ただ、誰かが近付いてくるということだけは認識した。そして、この海鳥は自分を助けてくれてるんだ、とも。
「あ、ありがとうっ」
叫ぶと、食料と紫色の箱を抱えて走り出した。海鳥は旋回しながら、彼女の頭上を舞う。
死にたくない。あたしの鷹もきっと、帰りを待ってくれてる。
どうすればいいのかは何もわからなかったが、一羽の鳥に少しばかりの勇気を貰った彼女は、とりあえず身を隠す場所を求めて走り出した。
それと・・・・・・できれば、誰かに会いたい。
親切で、頼れそうな、鳥に。


<♀ハンター:現在位置-海を見下ろす崖より移動中(A-1→C-2) 所持品-スパナ、古い紫色の箱>
<備考-対人恐怖症・鳥と会話ができる・ステータスは純鷹師 弓の扱いに関しては未知数>


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