バトルROワイアル@Wiki NG2-04


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アナザー:Let's go to the 大災難


 ♂シーフは、一つに後ろでポニーテールに纏めた、女みたいに長い髪の男だ。
 そして、彼も又、一言で言えばその髪みたいに女じみてしなっぽい仕草が特徴だった。
 オカマであり、多分にそのケに満ち満ちた人物だ。数日間手入れが絶えた為薄らと髭が生えていてる。
 おあつらえ向きに支給されたウィップとガラスの靴と、参加者として付けられた首輪も悩ましい彼女…もとい彼は髪をいじる。
 これは♂シーフの癖だ。因みに普段愛用している頭装備は後ろに付けるスカーレットの大きなリボン。

 全く、困った事になったわねぇ。殺し会え、だなんて。
 アタシはか強いオカマちゃんよ?こんな胸にキュンキュンきちゃうシチュエーション用意されても困るわよ。
 あ、キモイ?グダグダ言ってるとぶち殺すわよ。余裕無いのよ、これでも。

 それはその通りで、彼は今この現状に腹を立ててはいた。
 思い起こせば一両日前の事。ダリの抽象画の如く垂れ下がっていた昼下がり。
 ──何がモデル選考よっ。まんまと騙されたわ。
 と言う訳である。具体的に言うと、彼好みの栗毛キュンからの逆ナンパという、ザルにつっかえ棒式の罠に掛かったピッキであった。
 …何がピッキよっ!!頭に+激しく+ってつけなさいよっ!!

 まぁ、世の中そんなもんよね。騙し騙されるのには慣れてるわっ。でもこれは流石に無いと思わない?
 彼は、シーフというお天道様に逆らった職であるだけでなく、更に特殊な人種であるから。
 日常的に怪しげな酒場やら裏通りやらを闊歩していて。
 そのため比較的、普通の一次職と比べれば世間知と言うものに長けていた。

 それで。オカマ君、君は一体何をしているのであるか、と尋ねられれば。
 見て判らないのっ?イイ男が居たから尾行してるのよっ。という事であった。因みに黒くてオールバック気味な逆毛の♂BSである。
 彼は。その昔からこういった類の──忌憚無く申し上げるならば、こそこそとした湿っぽい事が得意な男であった。
 シーフに転職してからというもの、その範囲は留まる所を知らず、一度など寝所に忍び込んだ事もある。
 (最も、危ういところで絞首刑になる所だったが。確か、相手はWizぽんとかいったか。子供っぽいWizardだった筈である)
 果たして。何故か、時折鍛冶師が悪寒を覚えたように震えるのは気のせいか。

 ──ここまで述べた所によると、一見どうしようもなく、またその中身もどうしようも無い彼であったが、
たった一つだけ、他人に胸を張って自慢できる事がある。良くも悪くもそれなりに人を見る目がある、と言う点だ。
 それによると、彼の目に写る♂BSは、少なくともお眼鏡にかなう程度である男らしい。
 因みに。♂シーフの脳内フィルターを被せると、道行く彼は白馬の騎士にコンバートされていたりもする。
 更に真っ赤な薔薇をその鍛冶師の周りにちりばめると完璧だ。
 ♂シーフは何時もこうやって自分の脳味噌を減らす事に執着しているのである。

 鍛冶師が振り返る度、彼は得意のこそこそとした特技(ハイディングである)を発揮し、身を隠していた。
 それが丁度20回を数える頃になって、♂シーフは考える。

 うん。間違いないわっ。彼こそ私の王子様。あの筋肉といい、手に持ってる槍といい。
 顔も及第点より上だしっ。きっと、生き残ってくれるわっ。私は、それを見ながら彼の近くにいれば大丈夫よ。

 そうこう考える内に妄想が極まったのか、何やらヤバげに目くらくらさせ、何やらヤバげに身を震わせ、
蕩ける位に熱い視線を♂BSに送るオカマ。一方彼の愛しの王子様はというと、ハンターの狙撃でも食らった様に身を捩る。
 勿論、その光景に突っ込みを入れる者などいないので、ここで語り手として突っ込みを入れておこう。
 ──なんでやねん!!あんさん、滅茶間違っとりまんがな!!、と。


 風邪でも引いたのか、俺は?それとも、冒険者としての勘が危機を告げているとか。
 止まらない悪寒に、♂BSはそんな事を考えていた。黒い逆毛がおののく様に震えている。
 最も、この島に送られる最中に取り付けられた首輪を嵌めてからというもの、
普段は働く筈の様々な勘は何故か鈍りきっているらしかったので、彼は風邪を引いたのかもしれない、と結論付けた。
 (ここまで歩いてくる途中で近づいてきた他の参加者に全く気づけなかったのだ。相当の制限をこの首輪は課しているらしい)
 まぁ、体はだるくも無ければ熱も無い。気のせいである可能性も高いだろう。

 彼の得物は、というと何の変哲も無いパイクである。カードが刺さってもなければ、特に強化されている訳でもない。
 こういった長柄の得物は使い手にかなりの腕力を要求するのが常であったけれども、その点は問題ではない。
 鍛え上げた腕力と鈍器で魔物を撲殺するのが戦闘を旨とする鍛冶師の本分なのだ。

「問題は──俺に人が殺せるか、って事だよなぁ」
 正しく問題はそれであった。彼は孤独ではあったけれども望んで人を殺す外道ではない。
 故に。彼の女怪──この茶番を引き起こした張本人である所のイゾルデに一際ならぬ怒りも覚えてはいる。
 最も半分くらいは、自分を巻き込んだ理不尽に対してだったりもするのであるが。
 だが。当然、生き残る事を望む彼にしてみれば、宗教の聖人宜しく他の参加者の毒牙に掛かる気もさらさら無い。
 という事は、人を殺すと言う事で、即ち外道一直線なのであった。

「それは宜しくない。──はてさて俺は自分の人生ゲームをどうするかね」
 所在無くなって手にしたパイクをぶんぶんと振り回してみる。
 コインでも持っていれば、トスしただろうが生憎と彼の手持ちはポリンと一緒で手に入れなければ無しである。
 ばっさばっさばっさばっさ……穂先が辺りの藪を払って音を立てる。
 こうしている内に、手から槍がすっぽ抜けて他の誰かに刺さると面白いかもしれん。
 すぽっ。ぴゅーん。ぐさっ。ギャーッ。
 …いや、やっぱり面白くない。
 考え直して、居住まいを正す。む。改めて手を見てみると、何故か握っていた筈のパイクが無い。
 顔を上げて振り向くと、びぃぃんと震えるパイクが立木の太い幹に突き刺さっていた。

「……誰よ、お前」
 で。妙に女っぽい座り方でへたり込んでいる男に彼は言う。投げ槍は偶然にも♂シーフの腰を抜かしせしめる結果となっていた。
 彼は、落ち着きのない様子でポニーテールを弄くっている。繰り返すが、オカマであった。
 しかし、偶々ツイていたらしい。

「誰よとは何よ!!危うく死ぬとこよっ!!あんた何っ?何よ何よっ王子様かと思ったらサド侯爵なのっ!!?」
「あー…すまん。悪かった」
 というか、甲高い声で一気にまくし立てられ一度に緊張感が削がれて、気の抜けたラムネみたいな返事を♂BSは返す。

「で、誰よお前」
「見てわかるでしょっ!!オカマよっ!!」
「…解りたくねぇ…」
「いやーん、クールねぇ。でも、そこに痺れる憧れるぅーっ!!」
 ♂BSの疲弊した心の呟きにヒステリックなオカマの叫びが唱和していた。

 ──こうして。果てしなく大災難に向って歩いていく所の、そのコンビは出会ったのであった。

 ⇒ to be continued!!
 (次週、西では凶悪アコたんと犬っころがっ…注意:予告と今後が違っても動作保障外です)

<♂シーフ 髪型:詩人デフォ 持ち物 ウィップ ガラスの靴 備考:我輩はカマである>
<♂BS 髪型:オールバックっぽい黒い逆毛 持ち物:パイク もう一つは不明>


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