58.姉御ボカン in BR
丁度落日より数時間ほど前の昼下がりの頃だ。
♀BSは、というと先程小屋から拝借した布着れを包帯代わりにぐるぐると傷口にまきつけていた。
それは、元々は女性用の肌着を斧で切り取って作ったもので。
多少埃がついてはいたけれど、箪笥の中に入っていたそれはまぁ、どうにか包帯として使える位には清潔だろう、と思う。
服の切れ端の代わりに改めて巻かれた包帯のせいで、まるでミイラみたいな片腕の彼女の子分は、というと。
♀BSは、というと先程小屋から拝借した布着れを包帯代わりにぐるぐると傷口にまきつけていた。
それは、元々は女性用の肌着を斧で切り取って作ったもので。
多少埃がついてはいたけれど、箪笥の中に入っていたそれはまぁ、どうにか包帯として使える位には清潔だろう、と思う。
服の切れ端の代わりに改めて巻かれた包帯のせいで、まるでミイラみたいな片腕の彼女の子分は、というと。
「ぼ、ぼず…もう、おわった?」
「まだだよ。もう少し待ちな」
と言う台詞からも解る様に、上半身裸で治療に専念している彼女に背を向けて、
数メートル程はなれた先で石像の様に直立していた。見張りである。最も、♀BSにとっては自分の方に向かれない事の方が重要だが。
はてさて。包帯を巻き終わると、鞄の中から支給された干し肉を引っ張り出して食べる。うむ。不味い。
♀BSは硬い保存食を咀嚼しつつ考える。
このアタクシ、これから一体どうするべきであろうか?
「まだだよ。もう少し待ちな」
と言う台詞からも解る様に、上半身裸で治療に専念している彼女に背を向けて、
数メートル程はなれた先で石像の様に直立していた。見張りである。最も、♀BSにとっては自分の方に向かれない事の方が重要だが。
はてさて。包帯を巻き終わると、鞄の中から支給された干し肉を引っ張り出して食べる。うむ。不味い。
♀BSは硬い保存食を咀嚼しつつ考える。
このアタクシ、これから一体どうするべきであろうか?
いや。だってさ。幾らヒールもらったって傷はまだズキズキ痛むし。
こんなじゃ歩くのにだって酷く時間が掛かってしまう。実際、ここまで来るのにも一時間以上経ったし。
どっちが足手纏いか解りゃしないよ。
とは言え。ちょっと前の小屋覚えてるだろ?あんな事しでかす奴が居る場所に長居するのも真っ平ごめんさ。
結局はこうして、重い足を引っ張って森の中を歩くしかないって訳さ。
まぁ、精神力が少し回復する度に、♂スパノビがヒールしつこいぐらいにかけてくれたから、傷の調子自体はだいぶ上向き。
なんだけど、体力そのものはヒールじゃ回復しないみたいで、まぁ、アタシもしつこい位度々休む事になっていた。
途中で放送があったんだけど──ムカツク野郎の声が聞こえたって事と、
それから、ああ、こんなにも人が死んだのか、って思ったぐらいだった。
…っていうか、アタシは一体誰に喋ってるんだろうね。全く。
こんなじゃ歩くのにだって酷く時間が掛かってしまう。実際、ここまで来るのにも一時間以上経ったし。
どっちが足手纏いか解りゃしないよ。
とは言え。ちょっと前の小屋覚えてるだろ?あんな事しでかす奴が居る場所に長居するのも真っ平ごめんさ。
結局はこうして、重い足を引っ張って森の中を歩くしかないって訳さ。
まぁ、精神力が少し回復する度に、♂スパノビがヒールしつこいぐらいにかけてくれたから、傷の調子自体はだいぶ上向き。
なんだけど、体力そのものはヒールじゃ回復しないみたいで、まぁ、アタシもしつこい位度々休む事になっていた。
途中で放送があったんだけど──ムカツク野郎の声が聞こえたって事と、
それから、ああ、こんなにも人が死んだのか、って思ったぐらいだった。
…っていうか、アタシは一体誰に喋ってるんだろうね。全く。
「終わったよ、もういいからこっち向きな」
彼女が言葉を投げると、♂スパノビは弾かれたみたいにこっちを向いた。
ずざざっ、と近寄ってきて、次に何をすればいいのか。それを求める様な顔で♀BSを見ていた。
彼女が言葉を投げると、♂スパノビは弾かれたみたいにこっちを向いた。
ずざざっ、と近寄ってきて、次に何をすればいいのか。それを求める様な顔で♀BSを見ていた。
とは言え。やっぱり彼女とても大したアイディア、と言うものがある訳ではない。
むしろ、今の今まで災難続きで碌に頭を使う余裕も無かったのだ。元々intは少ないのであるが。
…この島での行動目的には、大別して二つある。
殺す…のは論外として、殺されず、目を盗んで脱出する。
しかし、それも随分難しいだろう。ちゃらっ、と首輪にくっ付いていた金具を弄る。
そう。外すと爆発する素敵な首輪だ。おまけに、脱出を選べば必ずあのジョーカーとかいう奴と戦うことになる。
どちらが確実かは天秤秤で測りきれない程微妙。
むしろ、今の今まで災難続きで碌に頭を使う余裕も無かったのだ。元々intは少ないのであるが。
…この島での行動目的には、大別して二つある。
殺す…のは論外として、殺されず、目を盗んで脱出する。
しかし、それも随分難しいだろう。ちゃらっ、と首輪にくっ付いていた金具を弄る。
そう。外すと爆発する素敵な首輪だ。おまけに、脱出を選べば必ずあのジョーカーとかいう奴と戦うことになる。
どちらが確実かは天秤秤で測りきれない程微妙。
いやいやいや。っていうか、早いこと体力回復しなきゃね。
こりゃ、単に疲れたって訳じゃなくて貧血なんだから。こう、モリモリ肉とか食わないと。
──や。平気で肉が食べれるのは、人肉があたりに転がってるだろうこの島じゃ、とても有難い事。
こりゃ、単に疲れたって訳じゃなくて貧血なんだから。こう、モリモリ肉とか食わないと。
──や。平気で肉が食べれるのは、人肉があたりに転がってるだろうこの島じゃ、とても有難い事。
「お前、どうして仲間を探してるんだい?」
「お、おで。えらいひとがそうしろ、っていってたから、そうした」
ちなみに♂スパノビの意見はこれである。
…まぁ、少なくともそれなりに頭のいい奴を仲間に引き入れないとな、と思った。
リーダーはアタシとして、力仕事とか雑用は♂スパノビ。ここは一つ、知恵の働く参謀がほしい所である。
が、その知恵者が脱出の為に動いてるとは限らない訳で…いやいや、それ以前にこの内訳だとまるで悪党である。
但し彼女は鞭は持っていない。
「お、おで。えらいひとがそうしろ、っていってたから、そうした」
ちなみに♂スパノビの意見はこれである。
…まぁ、少なくともそれなりに頭のいい奴を仲間に引き入れないとな、と思った。
リーダーはアタシとして、力仕事とか雑用は♂スパノビ。ここは一つ、知恵の働く参謀がほしい所である。
が、その知恵者が脱出の為に動いてるとは限らない訳で…いやいや、それ以前にこの内訳だとまるで悪党である。
但し彼女は鞭は持っていない。
ぼかーん、と髑髏模様の煙が脳内で立ち上った気がして、♀BSは項垂れた。
頭を使う事は酷く疲れる事なのだ。特に、こう言う事は。
頭を使う事は酷く疲れる事なのだ。特に、こう言う事は。
「あー、止めだ止めっ。兎も角、こんなクソゲームを打ち直せる人間探すってだけでいいわ」
と、不安そうな顔をしている♂スパノビの前で言い放った。
まぁ、今は休み休み少しづつ続けていけばいいだろう。
大嫌いな親父が扱ってた様な鉄みたいに、熱いうちに打たなきゃいけないって訳でもないんだし。
っていうかあのオヤジのせいで、アタシのあだ名は何時だってクホリーナだった、っつの。
と、不安そうな顔をしている♂スパノビの前で言い放った。
まぁ、今は休み休み少しづつ続けていけばいいだろう。
大嫌いな親父が扱ってた様な鉄みたいに、熱いうちに打たなきゃいけないって訳でもないんだし。
っていうかあのオヤジのせいで、アタシのあだ名は何時だってクホリーナだった、っつの。
あいつめ。今度と言う今度はクビにしてやるっ…♀BSは、ふとそんな幻聴を聞いた気がした。
尚。これから暫くして鞭女に出会うのだが、のろい歩みで進む彼らはそれを知らない。
<♀BS 持ち物変化無し 小屋から拝借した服製の包帯を片腕に 場所:F-3 ダンサーが出会う場所に移動中>
<♂スパノビ 持ち物変化無し 状態変化無し 場所:同上>
<♂スパノビ 持ち物変化無し 状態変化無し 場所:同上>
注記:時間軸の関係で、このPTは一時進行ストップ
♀BSの傷問題については、度々の休憩+精神力回復する度の♂スパノビのヒールのおかげで上向きの方向で
♀BSの傷問題については、度々の休憩+精神力回復する度の♂スパノビのヒールのおかげで上向きの方向で
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