バトルROワイアル@Wiki 2-076


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076.特別扱い


 日は沈み、闇が支配する殺人の舞台に、できる事ならば二度と聴きたくもなかった、GMジョーカーと名乗っていた男の声が響き渡り、犠牲者と、禁止区域なるものを読み上げた。
 ♂ハンター達が篭城していた浜辺の小屋にもその声は届き、中にいた彼等も慌てて各々、地図を確認する。ジルタスが♂アコの地図を覗き込もうとした際、頬と頬が触れ合って♂アコが顔を赤らめるというお約束のシーンもあったのだが、それは今は置いておいて。
 地図が示す♂ハンター達4人の現在位置は、エリアI-5。その位置だけ暗く沈んだ赤い光が灯り、つまりはもう半刻も過ぎればこの小屋のある浜辺一帯は禁止エリアに認定されるという事実を示していた。
「・・・やべ。移動が要る」
 取り出した自分の地図を睨みながら、♂ハンターは唸った。
「移動・・・・・・でも、確か、さっき・・・」
 その表情を読み取ると、♂アコが言葉に変えようとする。
「ああ。・・・悲鳴、聞こえたよな。あの声は絶対、誰かが・・・襲われてたよな」
 言って、ゆっくりと全員の顔を見回す。誰もが険しい表情でこくりと頷いた。
「・・・今出てって大丈夫でしょうか。あの“悲鳴の主”を襲った人が、まだ近くにいたら・・・」
 窓から外を覗こうとするが、闇が全てを覆い隠しており、浜辺と林の漠然としたシルエットしか掴めない。動くものは何もないが、果たしてこの闇の中を何かが動いていても、それに気づく事ができるかどうかは怪しいものだろう。
 ♀アーチャーが♂ハンターの腕に自分のそれを絡ませてきた。小刻みな震えが♂ハンターの身体にも伝わるが、彼には震えているのが自分なのか彼女なのか、解らなかった。
「・・・・・・大丈夫。信じてくれるんだろ、プリンセス」
 落ち着かせるように、彼女の指に自分の手を重ねる。彼女ははいっ、と強く頷くが、矢張り震えは治まりそうもない。
「・・・ここにじっとしてたらヤバい事になるのは、俺達だけじゃないはずだ。潜んでる奴がいたにしろ、避難しようとするだろう。もうあと少しだけ時間を置いて、そしたらここから離れ・・・」

 瞬間。

 がっしゃあああああん。
 突然、窓ガラスを破って、赤い飛沫と共に大きな塊が飛び込んで来た。
「ひっ!?」
 皆が飛び退き、割れた窓から飛び込んできたモノから距離を取った時。さらに今度は木製の扉を撃ち抜き、か、かかっと小気味良い音を立てて矢が何本か壁に突き刺さる。
「ご主人様、下がって」
 ジルタスが腰の鞭をほどきながら自分の背に♂アコを隠したとき、同時に悪鬼は姿を現した。

「オラァあ!」

 ばたんと力任せに開かれた扉。そこに佇む男のシルエット。今晩わー、“死”の宅配にやって参りましたー。
 月明りも無いのに、それでも男の凶相がはっきりと見て取れた。
 血走った眼光に未だ滴る血の乾いていない包丁、耳まで裂けているのではないかと思われるほどに吊り上げた口元からは涎がとめどなく溢れては零れ、爬虫類を思わせるかのような長い舌がはみ出ていた。
「手前ェ等いつまで待たせんだ、ぁあ!?」
 ♂ハンターは思った。
 ――この男、人間、だよな?

「散れや」
「逃げろッ!!」
 弾かれたように♂ハンターが叫び、そのまま一番扉に――即ち♂ローグに近かった♀アーチャーを、渾身の力を込めて突き飛ばす。同時に♂ローグの包丁が空を切ったが、♀アーチャーは刃を擦り抜け扉の外に転がった。
「王子様っ!?」
 すぐに立ち上がり泣き声で叫ぶが、そのままばたんと勢いよく扉は閉められた。

 叩きつけるように扉を閉めた♂ハンターの腕に、♂ローグが包丁ですぱっと赤い線を引く。痛みによる反射で手を引くが、背を向けた瞬間刺される事は想像に容易い。♂ローグから視線を逸らしてはならない。
 弓を構えようとした♂ハンター目掛け、さらに包丁を振りかざした♂ローグの手に、ジルタスの鞭が絡まる。♂ローグが彼女の方を睨んだその一瞬に、♂ハンターは真横にあったテーブルをひっくり返して♂ローグの視界を遮ると、そのまま先ほど割られた窓から外に跳び出した。
「ご主人様、あなたも早く!」
 叫び、ジルタスは鞭を引く。ががががらがらがらがっしゃしゃしゃぁぁ、戸棚の上の食器類を大音量で薙ぎ倒して、♂ローグの体が宙を舞った。
 そのまま手元に引き戻した鞭をぱしんと受け止める。♂ローグを睨み据えるジルタスの視界の端に、何を躊躇しているのか、♂アコライトが映った。
 外では遠ざかっていくふたつの足音が聞こえる。♂ハンターの無事を確認し、♀アーチャーも逃走しているのだろう。
「何してるの、順番でしょう! 御主人様が逃げたら次はあたし、さぁ早く!!」
 そうこうしている間に、ゆらりと♂ローグは陽炎のように立ち上がった。
「・・・効いたぜ、お姉ちゃんよ」
「行きなさいっ!!」
 何度も何度も躊躇いながら、それでも窓から姿を消した♂アコライトのほうには目もくれず、♂ローグは包丁の切っ先を真っ直ぐジルタスの方に向けた。
「手前ェはここで死んでけや」


 夜の浜辺、遠く水平線の彼方には街があるのだろう光の粒々。そして対峙するはひとりの男と女。そんなドラマチックなシチュエーションの中で始まろうとしているのは、とても危険な死亡遊戯。見物料もチップも全て命、殺人喜劇の幕は開かれる。
「ひゃ、はははははは。かっこいいんじゃねぇ、他の奴等逃がすために手前ェひとりで足止め役を買って出るたぁよ。だが残念、首輪が爆発して死ぬのは手前ェひとり・・・・・・」
 そこで♂ローグは少し眉を顰める。
「・・・手前ェ、首輪はどうした?」
「あたしはそんなモノには縛られないの。ご主人様がつけてくれるっていうんなら、別だけど・・・ね」
 そう、首輪の無いあたしなら、例えここが『禁止エリア』になったとしても、何がどうなるわけでもない。だからこうして、御主人様達が逃げるまでの時間を稼いでるワケよ。
「で、それはどういう事かしら? あなたの首には首輪がちゃあんと嵌ってるみたいだけど?」
 くっくっと肩を震わせ、♂ローグは笑う。
「・・・そうか。そうかそうか、いいよいいよ、それで全然問題無ぇよ・・・・・・! 首輪がボン・・・なんざ味気無ぇもんなぁ、殺ったって気がしねえよ・・・俺がこの手で斬り刻んでこそ、殺っちまったァって実感湧くんだよなぁあ」
 一際強く、昂揚感が♂ローグを包む。それが少し彼を饒舌にさせたか。
「人に感謝する事なんざ滅多に無ぇ俺だが・・・ジョーカーさんよ、あんたにゃ本当に感謝してるぜ。このゲームに参加させてくれただけでもこの上無ぇが、この包丁だって文句無ぇ、弓ま で付けてくださるたぁ予想外だった! そしてアンタの言った通り」
 にい、とその口元が歪んだのが闇の中からでもよく解った。
「俺の首輪は、『禁止エリア』に踏み込もうが爆発はしねえ」
 貴方には是非、このゲームを心行くまで楽しんで貰いたいのでね。確かそんな事を言ってやがったか。まぁいいさ、あんな奴の真意はどうあれ・・・

「殺り合おうぜ、お姉ちゃんよ。・・・限界までなァ!!」


<♂ローグ>
<所持品:包丁(血濡れ)、クロスボウ、望遠鏡、寄生虫の卵入り保存食×2、馬牌×4、未開封青箱×1>
<外見:片目に大きな古傷>
<性格:殺人快楽至上主義>
<備考:GMと多少のコンタクト有、禁止エリア内を自由に行動可能>
<状態:ジルタスと対峙(I-5)>

<♂アコライト>
<所持品・・・未開封青箱×1>
<外見:アコデフォ(公式どおり)、14歳>
<備考:支援型>
<状態:禁止区域+♂ローグから離れるため逃走<I-5→?>

<ジルタス>
<所持品・・・ジルタス仮面、女王の鞭>
<外見・・・ジルタス+ぴちぴちワンピース>
<備考・・・♂アコライトのペット>
<状態:♂ローグと対峙(I-5)>

<♂ハンター>
<所持品・・・アーバレスト、大量の矢、ナイフ>
<外見:マジデフォ金髪 顔に気苦労が滲み出ている>
<性格:お人よしで苦労性 意思は強い>
<備考:極度の不幸体質 D-A二極ハンタ >
<状態:禁止区域+♂ローグから離れるため♀アーチャーと逃走(I-5→?)、片腕に傷>

<♀アーチャー>
<所持品:プリンセスナイフ>
<外見:アチャデフォピンク(公式どおり) 見かけは可愛い>
<性格:思い込みが激しく電波気味>
<備考:弓の扱いがど下手(弓が嫌い?) 妄想癖あり ♂ハンターを慕う>
<状態:禁止区域+♂ローグから離れるため♂ハンターと逃走(I-5→?)>

<工務大臣>
<状態:窓から室内に放り込まれ、虫の息? 体内で順調に寄生虫の卵が孵ろうとしている>
<備考:首輪は特別製のものではないため、爆発はしない>


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