バトルROワイアル@Wiki NG2-03


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親馬鹿の駆け引き



初夏の日差しが目に眩しい。
私は揺り椅子でパイプをふかしながら表の通りを見ていた。
たくさんの子供が元気に遊びまわっている。
しかし子供だけなのだ、元気な者は。
大人は一様に沈んだ表情をしており露店の数もまばらである。
昔のような喧騒はどこにもない。

「騎・・・・・・団・・・・・・殿」

遠く彼方の島に居る娘の事を思い出す。
娘は生き延びているだろうか?

「・・・・・・士・・・・・・長・・・・・・殿」

いや、彼がついている。きっと大丈夫なはずだ。

「騎士団長殿!」

瞬間現実に引き戻された。

「あ・・・・・・ああすまん・・・・・・どうしたんだね?」

彼は私の右腕である副騎士団長である。
元は下級貴族の出であるが素晴らしい戦功の数々により
ここまで上り詰めてきた。
そして彼もまた一人娘をBRに取られた。

「コホン・・・・・・大司教様がお見えになられた。例の件でござる」

いよいよ来たか。

「分かった。他の者を下がらせろ。お前は私についてこい」

秘密の部屋に副騎士団長を伴って移動をする。

「久しぶりであらせられるな、大司教殿」

目の前には柔和そうな、しかしそれでいて熟成された人生を送ってきたであろう好々爺が居た。

「ああ、君も元気そうで何よりだ・・・・・・とお互い人質を取られた状態では
お互いの健康を称える場合などではないな・・・・・・」

そう私達はお互いの家族をイゾルデに人質に取られていた。
私はプリーストの娘を彼はプリーストの息子を。
私の娘も彼の息子も何も知らずにあの島に送られたはずだ。

「見せしめか・・・・・・クソオオオオオオオッ!」

私の拳に耐え切れずテーブルは真っ二つになった。

「なぜ、さっさと我らを処分せずにこんな卑劣な真似をするのだ!イゾルデは!」

そう、私と大司教はイゾルデの狂った悲劇を止めようとあの日の決定からも
軍事大臣や内務大臣に働きかけなんとかやめさせようとした。
そんな私達を苦々しく思ったのかイゾルデは今回のBRには騎士団長と大司教の
娘と息子を参加させよと命令を下した。

一週間に49人が死ぬのだ。
もう既にこの三週間で147名もの尊い命が犠牲となった。

もう十分だ。冒険者への制裁は十分すぎた!
必要以上の惨劇によりミッドガルド国から国外に逃亡する者があとを経たない。
次の一週間を生き延びられるかどうか分からないのに希望を持てる者は
少ない。ましてやそれが理不尽な死であるならなおさらである。
首都から人は益々離れ、活気を失った首都には絶望した人々のやけっぱちの犯罪が横行する。

「そのとおりだ・・・・・・放火、強盗、略奪・・・・・・私は今日だけで8人もの市民を復活させた・・・・・・」

大司教が疲れ果てた表情で呟く。
我らは間違っていない。
しかし、最早我らの力では何もできない。

「だが・・・・・・今こそが最大のチャンスだ・・・・・・イゾルデはまだこの作戦を知らない」

大司教が片隅を見やる。

「そうだ。我らの切り札は既にあの島に送った。我々の子供の中に仕込んでな」

私も片隅を見やる。

「ええ、きっとこの作戦はうまくいきます。いえ、うまくいかせます」

怜悧な顔つきと銀眼鏡をかけたGM橘と呼ばれる男がそこには居た。
オールバックの銀髪が怪しく光る。

「護衛が二人にはいくように仕向けました。
魔力の印を埋め込むことによりポタに乗っても
♀プリには騎士団長様が全面の信頼を寄せていた♂騎士を。
そして♂プリには副騎士団長様の娘である♀騎士が傍に現れるはずです。」

「必ずや大司教殿のご子息はお守りするでござる!」

副騎士団長が鼻息も荒くそう告げる。

「そうだな。君の娘は戦いには向いてはいないが何よりも何かを守るという行為に
おいては絶対の素質がある」

思わず一人ごちた。

「ははは、副騎士団長殿、貴方の娘は聖騎士団にこそ相応しいと思いますぞ。
うちの不良放蕩息子をもらってやってくれんかのう?」

そういって大司教が朗らかに笑った。
ハ、ハァーと副騎士団長が困った顔をする。

「私の娘もどうにもこうにも我侭でほとほと手がつけられなくてね。
そなたの娘を見習わせたいものだ・・・・・・」

ハァ~と嘆息する。
だが、将来の騎士団長の座を譲ってもいいと思える若者が娘のために
四苦八苦している様子を思い浮かべると思わず笑みがこぼれてしまった。
全くここには親馬鹿しかいないな。
そう思い私達は盛大に笑った。高らかに高らかに。

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「フゥ~」

私はその場を後にすると出発前の♂バードと♀ダンサーに話した言葉を思い出した。
彼らは伝説のバードの弟子である。
そのバードは今や一線を退き隠居生活を送っているが
かつてのBR経験者でそして優勝者であり悲劇を終わらせた者である。
GM秋菜が起こした悲劇を完結させ、そしてGM秋菜も含め全ての
者の魂を受け継いだ男だった。
そして彼はこの話、知り合った♀ダンサーと一緒に全世界に広めた。
人々は感動した。99.9999%の者がそんな悲劇は二度と繰り返さないと誓っただろう。
しかし残りの0.0001%の者がそれに興味を覚えた。
イゾルデもその一人だった。
イゾルデはそれをヒントにしてこの計画を実行した。
彼は自責の念に耐え切れず、私達の手を借り弟子達をこの大会に潜り込ませた。

「どうかよろしくお願いします・・・・・・悲劇を繰り返させないために・・・・・・この大会を
潰してください・・・・・・♂騎士と♀プリを頼みます・・・・・・
♀騎士と♂プリの方には別途の者を送りますので・・・・・・」

そう告げると彼らはとびっきりの笑顔で答えた。

「俺っちにまかせろって!」&「当たり前でしょ!」

既に夕闇に包まれている首都の風が私の頬を優しく撫でる。
ポンっと足元にボールがぶつかった。
慌てて走りよって来る少年。
私は素早く顔を撫でた。
この顔では少年が怖がるだろうから・・・・・・。
私はそれを取り、少年に返した。

「ありがとう! お 姉 ち ゃ ん」

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GMひゃっくたん・・・・・・貴方はきっと今頃♂プリと♀プリのために
命を賭けているのでしょう・・・・・・
あの伝説のアサシンクロスと一緒に・・・・・・

私達はGM橘とGM森としてGMジョーカーの懐に潜り込んだ。
長かった・・・・・・信頼を得るのに何大会もかかりたくさんの人が死んだ。
だが、今回で終わらせる。そのための切り札を用意した・・・・・・
残酷だが私達は彼らを騙してあの島に送った。
印を刻み込んで・・・・・・。

私はGM♀。

まだやらねばいけないことがある・・・・・・


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