バトルROワイアル@Wiki

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148.殺人者VSファルコン


「この・・・・・・トリ公が・・・!」

♂ローグは、全身に作った細かな傷口に苛々していた。どれも浅いものだし痛み自体は気になる程ではないが、相手ははじめに矢が一発掠ったきり無傷、自分はこの有り様。一方的にやられっぱなしなのが、彼にとっては癪だった。
とはいえ、彼の対峙している相手――ファルコンは、標的が小さい上に動きが素早く、何より空を自分の領域とするその攻撃は、360度立体的な軌道から成り、未だに掴めない。このまま攻撃を外し続けると、無駄撃ちしてしまった矢もバカにならない。
人間様より狩り辛いじゃねぇかよ、と♂ローグは吐き捨てた。
だが、こいつは野性の動きではない。自分を狙っている人間を恐れず、逃げるどころか挑発に乗るように攻撃を仕掛けてくるとは。
何より、野鳥は鳥のくせに滑稽なヘアバンドをつけていたりはしない。
「・・・・・・オイ、トリ公手前ェ・・・」
勿論、両足から曲形の棒、のようなものを提げていたりも。
「そいつぁ・・・弓だな? てこたやっぱハンター様の使い魔か、エエ」
答えないが、この鳥は頭が良い。言葉の意味は理解している筈だ。
♂ローグは考える。
まだ、死亡者名簿にハンターの名は挙がってはいなかった。
このままコイツを行かせて、その先でもし主人と合流でもされたら。鷹付きのハンター相手は、武器しか無ぇ今の俺じゃちぃときついかもしれねぇ。
逃がしてたまるか、コイツをここで仕留められりゃ、ハンターが一匹殺り易くなると同時に、武器まで手に入る。鷹が弓をしょってやって来てくれたからにゃ、折角のチャンス逃しちまうのは損だ。
「・・・ヘヘ、オイ」
あんまりだらだらしてると逃げられる。イチかバチかは嫌いじゃあ無ぇ。
「手前ェの御主人様ってのぁ、さっき俺が殺っちまった・・・・・・あの」
賭けだ。1/2。
「・・・・・・女か?」
ぴくり、と鷹が反応した。ばさっ、と威嚇するように羽を広げる。
次の瞬間、真っ直ぐに♂ローグ目掛けて突っ込んできた。
♂ローグは内心でかかった、と自分を賞賛し、口元を釣り上げる。ファルコンの攻撃力をなめてちゃ大怪我するが、一発くらい貰っちまうのは仕方が無ぇ、捕まえちまえば包丁一本突き刺すだけだ。
迫るファルコンを確実に視線で捉えながら、片手で懐の包丁に手を掛ける。
来る、と思った次の瞬間、♂ローグは素早く包丁を懐から引き抜き、攻撃を受け止めるために体勢を落とした。空いている手で、顔はガードする。
が。
ファルコンはそのまま♂ローグの首元すれすれを旋回すると、羽毛を撒き散らしながらあさっての方向へと飛んで行った。
衝撃が来る、とばかり思っていた♂ローグは反応が遅れ、慌てたように包丁を振り上げるが、当然のように手ごたえは無い。見上げた空には今まで戦っていた相手の影しかもう映っていなかった。
「・・・チィ、やっちまった」
考えを読まれたか、もしくは自分でこの状況がよろしくないと気付いたのか。
「賢いトリだぜ。こいつぁ殺り難いのが出来ちまったかな」
ぽりぽりと頭をかきながら、さしずめ中ボスってとこか、と♂ローグは皮肉めいた笑みを浮かべる。
そのまましばらくぼんやりと何をでもなく考えていたが、再び包丁を懐に仕舞うと、ぽつりと呟いた。
「・・・・・・飯だ。腹ァ、減った」

<♂ローグ>
<位置:I-6>
<所持品:包丁、クロスボウ、望遠鏡、寄生虫の卵入り保存食×2、馬牌×2、青箱×1>
<外見:片目に大きな古傷>
<性格:殺人快楽至上主義>
<備考:GMと多少のコンタクト有、自分を騙したGMジョーカーも殺す>
<状態:全身に軽い切り傷>

<ふぁる>
<位置:I-6→???>
<所持品:+2バイタルシュールドボウ[3]、リボンのヘアバンド>
<スキル:ブリッツビート スチールクロウ>
<備考:なんだかんだいいながら♀ハンターが心配で堪らない。ツンデレ?>

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