181.Endless nightmare
終わらない悪夢を。
無理やりでも終わらせるために、私は走る。
無理やりでも終わらせるために、私は走る。
今からしようとしていることを知ったら、今はもういないあの人はきっと烈火のごとく怒るだろう。
それでも、私は悪夢を終わらせたい。
それでも、私は悪夢を終わらせたい。
贖罪と……あの人の敵を打つために。
彼の傷が酷かったせいか、すぐに♂クルセイダーには追いついた。
血の跡を背後に残し、背中にはナイフが刺さっているのが確認できる。
しかし、近づくにしてもクローキングは川に背後を塞がれたこの場所ではできない。
血の跡を背後に残し、背中にはナイフが刺さっているのが確認できる。
しかし、近づくにしてもクローキングは川に背後を塞がれたこの場所ではできない。
見通しが良すぎるのだ。
詠唱のためにはある程度の距離が必要だし、詠唱中に近づかれたらそれこそ良い的だ。
詠唱のためにはある程度の距離が必要だし、詠唱中に近づかれたらそれこそ良い的だ。
……それなら。
「……待ちなさい。あなたを逃がすわけにはいきません」
背後からの追撃者に気がついていたのか、♂クルセイダーはその場に立ち止まる。
「オーラ……それほどの力を持ちながら、何故お前は人を殺す側に行かない?」
足元から巻き上がる淡い光に唯一残った右目を細めて、♂クルセイダーは♀WIZに問いかけた。
「……あなたには関係ないことです。死んだ目をしたあなたには」
♀WIZは怒りを抑えた口調で、澱んだガラスのような暗い瞳の♂クルセイダーにそう言葉を投げる。
「死んだ目……か。生きるために死んでいるようなものだからな……」
♂クルセイダーはシミターを構え、徐々に♀WIZへと近づいてくる。
♀WIZは後ろに後退しながら、距離を一定に保ちながら話を続ける。
♀WIZは後ろに後退しながら、距離を一定に保ちながら話を続ける。
「やはり、あなたは殺人者側……ね。それも、恐ろしく強いわ」
クァグマイアだけでかわせるだろうか。
場合によっては、死ぬ覚悟がいりそうだ。
場合によっては、死ぬ覚悟がいりそうだ。
「それを殺そうとしている、お前も殺人者ではないのか? そうでないというのであれば、甘いにもほどがある」
「……そうですね。私もいつかどこかでそうだったのかもしれないわ。でも、今は守りたい者を守るためにあえて手を血に染める」
「……そうですね。私もいつかどこかでそうだったのかもしれないわ。でも、今は守りたい者を守るためにあえて手を血に染める」
血だらけの左側顔面。
おそらく、♂クルセイダーの左目は、見えない。
死角は左側。
おそらく、♂クルセイダーの左目は、見えない。
死角は左側。
「……守りたい者か……ならば、俺を殺すがいい。殺せるものならな」
手負いの物とは思えぬスピードで♂クルセイダーは、♀WIZに走りよってくる。
咄嗟にクァグマイアを唱え、ぬかるみに沈める。
しかし、彼のシミターの勢いを落とすことはできず、なんとか避けたもののその長い髪を一房切り落とされた。
咄嗟にクァグマイアを唱え、ぬかるみに沈める。
しかし、彼のシミターの勢いを落とすことはできず、なんとか避けたもののその長い髪を一房切り落とされた。
「なるほど……AGIWIZか。避けるはずだな」
「傷だらけの癖に……どこにそんな余力が……」
「傷だらけの癖に……どこにそんな余力が……」
ファイアーウォールを盾にして、また距離をとる
ユピテルサンダーで距離をもっと取りたいが、あのグラリスを相手したときよりもこの♂クルセイダーは反応速度が速い。
つまり、詠唱中に狙われることは必然。
ユピテルサンダーで距離をもっと取りたいが、あのグラリスを相手したときよりもこの♂クルセイダーは反応速度が速い。
つまり、詠唱中に狙われることは必然。
「……殺せぬのなら、死ね」
♂クルセイダーは淡々と剣を振りかざす。
それなら。
それなら。
「ソウルストライク!!!」
古代聖霊が、呼びかけに応じて♂クルセイダーを襲う。
一瞬ひるんだ彼の足元をすり抜け、左側の死角に走る。
一瞬ひるんだ彼の足元をすり抜け、左側の死角に走る。
「アイスウォール!! アイスウォール!!」
氷の氷壁を召還する魔法を二度唱え、彼を氷壁で挟み込んだ。
「なにっ?」
氷壁自体には殺傷能力もない。
しかし、このように挟み込むのには理由があった。
しかし、このように挟み込むのには理由があった。
「焼き尽くせ、ファイアーウォールっっっ!!!!」
簡易擬似ファイアピラーと呼ばれる、アイスウォールとファイアウォールを利用した技。
その威力は、たとえ能力が下がった現在でもかなりのダメージを与えられるはずだ。
その威力は、たとえ能力が下がった現在でもかなりのダメージを与えられるはずだ。
炎がおさまり、氷壁が溶ける。
「……まだだ……まだ……」
剣を持つ手が水蒸気を割り、♂クルセイダーが焼け爛れた半身を引きずり現れた。
しかし、その足は先ほどの勢いはもうない。
しかし、その足は先ほどの勢いはもうない。
「さよなら……」
呟くように♀WIZはささやくと、ユピテルサンダーの詠唱を始めた。
麗朗な詠唱と共に雷が♂クルセイダーを襲う。
激しい勢いではじき飛ばされ♂クルセイダーは川に転落した。
麗朗な詠唱と共に雷が♂クルセイダーを襲う。
激しい勢いではじき飛ばされ♂クルセイダーは川に転落した。
♀WIZは川岸に走りよるが、♂クルセイダーの姿はそこに浮かんでは来なかった……。
<♀WIZ>
現在位置:D-5→D-4
所持品:ロザリオ(カードは刺さっていない)、クローキングマフラー、案内要員の鞄(DCカタール入)、島の秘密を書いた聖書、口紅
現在位置:D-5→D-4
所持品:ロザリオ(カードは刺さっていない)、クローキングマフラー、案内要員の鞄(DCカタール入)、島の秘密を書いた聖書、口紅
<♂クルセイダー>
現在位置:D-4から消息不明
髪型:csm:4j0h70g2
所持品:S2ブレストシミター(亀将軍挿し) ソード ナイフ(背に刺さったまま)
状態:左目の光を失う 脇腹に深い傷、背に刺し傷を負う
♂騎士との邂逅によりわずかに心が乱れるが、冷静さを取り戻す
♀WIZのJTにより川に突き落とされる(生死不明)
現在位置:D-4から消息不明
髪型:csm:4j0h70g2
所持品:S2ブレストシミター(亀将軍挿し) ソード ナイフ(背に刺さったまま)
状態:左目の光を失う 脇腹に深い傷、背に刺し傷を負う
♂騎士との邂逅によりわずかに心が乱れるが、冷静さを取り戻す
♀WIZのJTにより川に突き落とされる(生死不明)
戻る | 目次 | 進む |