バトルROワイアル@Wiki 2-216


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216.その男、凶暴につき [2日目深夜]


その男、♂ローグはめずらしく悩んでいた。
片目にある古傷を隠すように手をあてて、口をへの字に曲げている。
よほどなにかを考え込んでいるらしい。
それでも目からは時おりぴりぴりとした視線が放たれ、周囲への警戒を忘れた様子はなかった。
さすがに命のやりとりを日常としているものと言えた。
適度な緊張を肌にまとわせながら生活することに慣れているのだろう。

しばらくして♂ローグは、思いついたようにクロスボウの調子を確かめはじめた。
クロスボウは遠距離からの攻撃を可能にしてくれる、♂ローグにとっての生命線である。
いついかなるときであれ正確な射撃ができる状態にしておくことは、優先すべきことだった。

月明かりしかなかったが、♂ローグは手近な木を見定め、その木を目掛けてクロスボウの矢を撃ちこんだ。
初撃が狙ったところから逸れたのは問題なかった。逸れた分だけ狙いを修正し、もう一度矢を放った。
どんぴしゃり。矢はするどい音を立てて木の幹に突き刺さった。
♂ローグはこうすることで、今の時点でのクロスボウのクセを体に覚えこませたのである。

なぜいま急にそんなことをしたのか?
理由は単純である。♂ローグはこれから朝までの時間を、勝負の時間と考えていた。

全部で4日あるはずの殺し合い。すでにその半分が過ぎていた。
♂ローグは先ほどの思索の中で、今後の予定を建てていたのである。
残っている28人から自分を除いた27人にどうやって消えてもらうか。そのことを考えていた。

自分ひとりですべての人間を殺すことは、とうていできないことだった。
となると、人を積極的に殺そうとするような人間には"まだ"生き残っていてもらわなければならない。
自然、♂ローグが優先的に殺さなければならない相手が浮かびあがってきた。
そう、彼が何よりも殺さなければならない相手、それは2人でいる者たちだった。
3人以上のパーティを除外したのは、自分の手にあまるからではない。
♂ローグは人の心というものが、極限に置かれた際にどう転がるのかを、よく知っていた。

♂ローグが生きてきた世界は、光あふれるところではない。彼が生き抜いてきたのは、暴力と欲望に色塗られた世界だった。
そこで♂ローグは絶望の淵に立たされた人間を、何人も見てきた。
狂乱するもの。腹を据えるもの。最後まであらがうもの。自ら命を絶つもの。
人によって行動は違えど、二つ確かなことがあった。
それは、人を信じたものが救われたためしなどないということ。そして、人は裏切るものだということ。

その点で、2人という協力体制は実に合理的である。
なぜなら相手が裏切ったところで1対1に戻るだけであり、それは有利とは言えないまでも、けっして不利なわけでもない。
また2人ならば、相手の行動から目を離す機会が少ないというのも大きい。
ところが3人以上ではそうはいかない。
自分の目の届かない場所で誰がなにを考え、どう行動しているかなど、わかったものではない。
気がつけば毒入りの食事をとらされていた、なんていうのは笑うにも笑えない。

「3人以上で徒党を組んでる連中なんてのは、どうせしまいにゃ、お互いがお互いを信じられなくなってくる。
 それに、誰が腹んなかに悪魔飼ってるかもわかんねぇこんな島じゃ、ひとりの方がましってもんだ」
♀ノービスを始末したときに頂戴したポイズンナイフの刃を見つめながら、♂ローグはひとりつぶやいた。

「けど、2人でいるやつらは案外やっかいだ。とくに強固な信頼関係なんて結ばれた日にゃ、目もあてらんねぇな」
誰に聞かせるわけでもなかったが、声を口に出すことは、頭を整理するのに都合が良かった。

「だからこそ今殺す。ここで全力で殺さねぇと、4日目がきびしくなっちまうわ」
♂ローグはそれほどに2人のパーティを危険視し、そしてこの2日目の夜というものを重要視していた。
たとえこの夜に限界まで動いて、3日目の日中を寝て過ごすことになったとしてもかまわないとさえ思っていた。
それだけではない。
4日目は死力を尽くさなければならない。ならば少しでも活動できるために、3日目を休息にあてるのは当然の考えである。

♂ローグはさらに考えた。
禁止区域の状況におけるE-6周辺の重要性である。
現在、島の東西をわける唯一の区域がE-6だった。それはつまり人を呼ぶ場所ということでもある。
E-6、E-7、F-6、F-7。この4つの区域こそが、おそらくは最後の戦場になるであろう。そう推測した。
禁止区域の広がり方は、すべての参加者を島の中央に集めるためと考えて間違いない。
GMジョーカーのやり方としては、ひどく納得のいくものだった。

「俺がGMだったら間違いなくそうする。そしてそれを読めるようなやつは、E-6には近づかない。
 E-7かF-6、あるいはF-7に陣取って、ぎりぎりまでやりすごすはずだ」
そこまでを声にして、♂ローグはいやらしく笑った。どう動くかが定まったからである。

「まずはF-6。そこからF-7、E-7と回らせてもらうぜぇ」
小さな声でつぶやいて、♂ローグは気配を闇に溶けこませた。隠密行動はローグにとって、造作もないことである。
こうして♂ローグは、夜は自分の時間とばかりに行動を開始した。

狙うのは二人でいる連中。そいつらをどうやって殺してやろうか?
想像しただけで下半身に血がたぎりそうになる気持ちを静めつつ、♂ローグは駆けはじめた。
血走った瞳が快楽を求め、かがやきを増していた。


<♂ローグ>
<現在地:G-6→F-6へ>
<所持品:ポイズンナイフ クロスボウ 望遠鏡 寄生虫の卵入り保存食×2 未開封青箱>
<外見:片目に大きな古傷>
<性格:殺人快楽至上主義>
<備考:備考:GMと多少のコンタクト有、自分を騙したGMジョーカーも殺す>
<状態:全身に軽い切り傷>
<思考:2人組を狙う 3人以上は放置>


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