バトルROワイアル@Wiki

212

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匿名ユーザー

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212.反撃


♂GMはヴァルキリーレルム内部にある自身の執務室にて、最後の調整を行っていた。
今回の資料の整理、そして次回改善すべき点と新たに追加する新要素に関する調査資料。
秋菜は毎回何か違った要素を要求してくる。それに応えるのも♂GMの役目だ。
この殺し合いは未だ完成した娯楽とは言い切れない幾多の問題点を抱えている。
外部への公開に踏み切るには、まだまだ改善すべき問題点が多いのだ。

そもそもの趣旨から考えるに、公開する相手も選ばなければならないが、それでも公開がなし得るのなら、他に類を見ないエキサイティングなエンターテイメントとして熱狂的に受け入れられるだろう。
そうして外部の協力を得られれば、組織内部における反対派も完全に封じ込める事が出来る。
それは秋菜の希望でもあり、そして秋菜自身の発言権の向上にも繋がる。
毎回毎回、各部署反対派GMとの調整に追われての開催であるから、この手間が省けるようになるのならば重畳だ。
そこまで考えて、♂GMは資料をテーブルの上に放り出す。
「……なんで僕、こんな事得意なんだろう?」
秋菜は様々な問題解決を含む実務処理と、自らの目的に添わない者を放逐する術に長けている。
そんな秋菜の理論武装を担当しているのが♂GMだ。
こうと決めた時の秋菜の行動力は凄まじい。
その力あればこそ、他GMは上司も含めて秋菜のこれを見逃してくれているのだ。
秋菜と一緒に何かを成し遂げんと懸命に仕事に務めるのは、とても楽しいし満足している。
だが、♂GMには理性も良心も残っている。
執務の最中に不意にこのイベントで死んだ人間に思い至り、恐怖と罪悪感に身動きが取れなくなる事もしばしばだ。
それを誤魔化し誤魔化しやってきたがそろそろ限界だ。
いっそ秋菜と一緒に壊れてしまえばいい、そう何度も考えた。
それでも秋菜を元に戻せるのは自分しかいないと言い聞かせ、その度に思いとどまってきたのだ。
いつかはこれをなんとかする機会があると信じて。
「でも……今回もダメだったね」
先ほど、最後の生き残りである♂ローグが♀セージを殺し、勝利者となった。
秋菜はヴァルキリーレルムの庭園にて他GMを従えて歓迎の準備をしている。
『おっめでとーーーー!! きゃーん、♂ローグちゃんかっこいー! 最後に想い人殺しちゃうなんて私もー痺れたわっ♪ さあ、プロンテラ城にいらっしゃい。そこを抜けた先、プロンテラ北門に辿り着けばそこがあなたのゴールよっ!』
既に首輪の暗示は解いてある。♂ローグもこの秋菜の通信を聞いてプロンテラに入った模様。
「さて、僕達も帰還の準備を……」
そこまで言った♂GMの動きが止まる。
いつの間にか♂GMの真後ろに立った者が、首筋に短剣をつきつけたからだ。
「質問に答えろ」
その声が女の物である事に驚いた♂GM。
「君は……その声は確か♀セージかい?」
確かに死んだはずである。そうでなければ首輪ロストの表示は出ない。
「元の世界に戻る方法を教えろ。もしお前が知らないのなら、秋菜に聞く」
いつも受信機越しに聞いていた声そのまんまの抑揚の少ない話し方で♀セージは言った。
「何故秋菜に最初に聞かないんだい?」
♀セージの意図は別にあったが、ここで馬鹿正直に真実を話す気は無い。
「お前が知っていれば、私は心おきなく秋菜を殺せる」
その時が来た。そう♂GMは思った。
「どうやって君が首輪を外したのかは知らない。でも、もし君が秋菜を止めてくれるというのなら、僕は君への協力を惜しまない」
「質問に答えてないな」
♂GMは悲しそうな顔をする。
「すまない、君たちを元の世界に戻せるのはこの世界では秋菜だけだ」
♀セージは♂GMの言葉に引っかかる物を感じた。
「この世界では?」
「ああ、元の世界に居る他のGMの手を借りれれば……戻る事も出来るかもしれないが、それは現実的ではないよ。連絡の手段も限られるし、そもそも手を貸してくれるGMが居るかどうか……」
♀セージは険しい表情で、仲間の一人に思いを馳せる。
『バドスケ。どうやらお前の推測、誤ってはいなかったようだぞ』

「俺さ、時計塔に行こうと思うんだ」
首輪を外した全員が揃っている場所で、バドスケはそう言った。
♀セージが即座にバドスケの意図を察する。
「外部への通信手段か?」
「ああ、秋菜を締め上げたとしても俺達が元の世界に戻れるかどうかはわからない。それにな……」
バドスケは外套の裾を上げ、自分の胴体をさらけ出す。
そこには剥き出しの骨しか無かったが、その骨には随所に無数の亀裂が走っていた。
「一晩経ってもこのザマだ。再生能力を超える損傷を受けた場合こうなる……元通り戦えるようになるのは数ヶ月先になりそうだ」
あまりの痛々しさに全員が眉を潜めるが、バドスケは陽気に言う。
「時計塔は元々俺の故郷でもあるしな。それにすんげー考えたんだけど、俺はやっぱり深淵とは一緒に居ない方がいい」
深淵はバドスケをまっすぐに見る。
バドスケはそれに気付かないのか、大仰に手振りを交えて言う。
「深淵ってすんげー強ぇんだぜ、あの♂BS相手でも一歩も引かねえしさ。ボコボコの俺なんかよりきっと役に立つさ」
判断に迷う♀セージ。
確かに外部への連絡というのは出来る事ならばやっておきたい。
だが、戦力を減らすリスクに見合う効果が期待出来るのか?
バドスケはその点についても自信満々であった。
「♂ノビが書いた事にさ、内部からこの世界ぶっ壊す事は出来ない、ってのもあったじゃん。その上で外部との通信手段について書かれてるって事はさ、多分外部との連絡って俺達の脱出に不可欠な事なんじゃねえかなって思ったんだわ」
♂ノビの板の信憑性を計る事は出来ない。
だが、これまでの出来事でこの板の内容に矛盾する出来事は無かった。
そして、バドスケのこの申し出は全て理に適っていると♀セージは考えた。
「わかった、お前に任せる。よろしく頼む」
「おうよ!」
そう返事するなり、さっさと出発しようとしたバドスケの前に深淵が立つ。

バドスケも真顔で深淵の出方を待つが、そんなバドスケに深淵は黒馬の手綱を渡す。
「使え、貴様に預ける」
驚き目を丸くするバドスケに、強引に手綱を持たせる深淵の騎士子。
「何をぼさーっとしておる! さっさと乗らぬか!」
そしてやはり強引にバドスケを黒馬に乗せると、黒馬の首筋を撫でる。
「こやつを頼むぞ……さあ行け!」
黒馬は雄々しく嘶くと、バドスケを乗せて駆け出す。
そんな黒馬が白く輝く魔法に包まれると、その速度が更に上がる。
馬上から振り返るバドスケは、口をへの字に結んだ深淵の騎士子と、不機嫌の極みといった顔の♂プリーストに頭を下げたのだった。
♀セージは質問の方向を変える。
「私に協力すると言ったな? ならば現在秋菜の手元にある戦力を教えろ」
「秋菜の他に、僕とGMが10人。彼らには思考、判断能力が無い。ただ秋菜の指示に従うだけだけど、いざ戦闘になったら彼らは強いよ」
「秋菜自身の戦闘能力は?」
「……あのブラックスミス。彼を思いだしてもらえばいいかな、それに……秋菜はどんな技でも使う事が出来る。君には悪いけど、まともにやりあって勝てる相手じゃないよ」
一度秋菜と戦闘した経験があるという深淵の言葉と一致する。
♀セージは彼が真実を話している可能性を考え始めた。
「何故そんなに簡単にそれを私に話す?」
♂GMは♀セージに聞き返す。
「……君は、僕が放った青箱を拾ったかい?」
「何の話だ? 最初に受け取ったそれしか私は手にしていない」
大きく肩を落す♂GM。
「そっか……それじゃあ……君は僕を見逃してはくれないね」
♀セージは相変わらず抑揚の少ない声で言う。
「お前次第だ。私はお前達とは違って慈悲の心も持ち合わせている。私の知りたい事全てに答えてくれれば殺しはしない。秋菜はどうやって元の世界に戻る?」
「ワープポータル。元の世界に戻る為の特殊なコードを交えた詠唱で出されるそれで帰れる」
瞬時に考えを巡らせる♀セージ。
「……その特殊なコードを交えてテレポートを唱えた場合はどうなる?」
「その通り、秋菜だけならそれで元の世界に戻る事も可能だよ」
この瞬間、秋菜を脅して元の世界に戻るという選択肢は無くなった。
「そして、テレポート制限のある場所でこの手の術を唱える事が出来るのはGMのみという訳か」
「秋菜は決してコードを漏らしたりはしない。である以上彼女はこの世界で絶対なんだ」
不意に話題を変える♀セージ。
「首輪を爆破する方法は?」
「砦内部にある宝玉。これを使う。これは君たちの会話を盗み聞く為の宝玉と、現在位置を知る為の宝玉と、そして最後に爆破の遠隔操作を行う宝玉の三つがある」
「場所は?」
「この部屋を出て、通路の一番奥だよ。勝者の首輪は秋菜自身が外してやるのが通例になってる。庭園で準備してる歓迎式の最中でしかけるつもりなら、首輪を外してから動くという選択肢もあるけど、爆破には宝玉の操作が必要だから、その爆発の範囲の事も含めてその場ですぐにドカンってのはどっちにしても出来ないよ」
これも♂ノビの持っていた情報と一致する。
「……再度聞こう。何故私にここまでの情報を渡す?」
「秋菜を止めて欲しいんだ。僕はもう……限界だよ。次のイベントからは、規模が今までとは比べ物にならない大きさになる。秋菜は公認イベントとして認めさせる気なんだよ。実績ももう充分に作った。この殺し合いの視聴を求める相手も見つけてある。全部彼女の力だよ……」
絶句する♀セージ。
「殺し合いを……見せ物にする気か?」
「……喜ぶ人、多いんだよ。そうなったらもう、僕もそして秋菜も止められなくなる」
そこまで言うと、部屋の床が大きく音を立てて鳴る。
「ん? ……そっか、君だけじゃないんだね、ここにいるのは」
♀セージの後ろで気配を消して控えていた♂プリーストであったが、あまりの話に冷静でいられなくなったのだ。
「腐ってやがる……てめえ正気かっ!?」
「だよね。反対するGMもきっと居ると思う。でも、それを黙らせる方法いくらでもあるんだ……秋菜はもう手段を選ばないから」
♂GMは淡々とした口調で続けた。
「……結局、僕じゃ秋菜を救えなかったよ……」
そう呟く♂GMからは抵抗の意志は感じられない。
♀セージは♂プリーストに♂GMを任せてテーブルの上に置かれた書類を拾い上げ、軽く目を通す。
「これはお前が?」
「そうだよ、僕の仕事だ。これが出来るから僕は彼女の側に居られるんだ」
書類をテーブルに置き、最後の質問をする♀セージ。
「秋菜を止めたいと願うお前が、彼女の仕事を手伝う。矛盾しているぞ……そんなに秋菜が恐ろしいか?」
♂GMは首を横に振る。
「僕が、彼女を愛しているだけだよ」

♂ローグは棺桶を引きずりながらえっちらおっちらとプロンテラ十字路にさしかかる。
そして、そこにある噴水を力一杯蹴飛ばした。
『ばっかやろう! めちゃくちゃ重いじゃねーか! ふざけんな!』
口に出して喚くわけにもいかず、また人一人入った棺桶を引きずり出す。


♀セージが♂ローグを除く全員に簡単な段取りの説明をする。
「まず、私と♂プリーストが先にヴァルキリーレルムに侵入する」
予めヴァルキリーレルムが怪しいという認識が無ければ、天の声が聞こえた時に即座に対応策を練るのは難しかったであろう。
♀クルセが心に引っかかっていた子バフォの言葉、それを♀セージに伝えた。
そこから思考の組み立てだけで、ヴァルキリーレルムの真実の姿に限りなく近づけた♀セージの思考能力に全員が感心する。
というか、推理を組み立てていく思考の回転速度が速すぎて誰もついていけなかったというのが正しいが。
最後に「あくまで推測の域ではあるが、そうである可能性は高い」と言った♀セージの言葉は、最後の最後まで説得力に満ちた物であった。
そんな♀セージプロデュースの作戦。
当人曰く、穴だらけの策であるだけに、各人が正確に状況を把握している必要があり、かつその場その場においての柔軟な対応を期待するとの事だ。
♂アーチャーが難しそうな顔で言う。
「まずい状況になったら自分で考えて動けって事か?」

そうまとめた♂アーチャーの言葉に♀セージが頷く。
深淵の騎士子は♂アーチャーの肩を叩きながら言った。
「以後♀セージの言葉の解読はお前に任せた……奴が何語を話しておるのか、まるでわからぬっ」
ややこしい判断が必要なポジションには、決して深淵をつけないと♀セージは心に決めた。
「♂アーチャーと深淵はヴァルキリーレルムに同じく潜入。所定の配置にて待機。♀クルセが動いたら即座に行動を開始してくれ」
深淵の騎士子はうんうんと肯く。
『へいへい、俺達の切り札であるこの子の面倒は、俺が見ろって事だな』
♂アーチャーがどうやら役割を理解してくれたようなので、♀セージは続ける。

「そして♀クルセだが……私の死体として棺桶に入ってもらう」
「何っ?」
♂ローグが、愛する人物の遺体を大事そうに棺桶に収め、それを引きずりながらヴァルキリーレルムに向かう。
そうしてタイミングを見計らって♀クルセに合図を送り、自身はトンネルドライブ。
そして棺桶から飛び出した♀クルセの放つグランドクロスが開戦の合図となる。
♀クルセが敵に取り囲まれきる前に、♂ローグが♀クルセを抱えてインティミデイトにて一時脱出。
間をおかずに深淵が突撃しBDSを放つ。これで秋菜の周囲に何人が居ようともそれらを一網打尽に出来る。
その後は、♀セージ♂プリースト♂アーチャーが乱入しての乱戦に持ち込む。もちろん♂ローグ達も可能な限り急いで戦場に戻る。
「戦力を一度に放つ事はしない。♀クルセのグランドクロスと深淵のBDSを最大限活用出来る策で行く」
不安要素に関して、♂プリーストも♀クルセも気付いていたが、敢えて口にはしない。
「これは敵の状況がわかってない以上、とんでもない賭けとなる。だから、最初に私と♂プリーストがヴァルキリーレルムに潜入してGM達の配置、他諸条件を確認してくる」
ヴァルキリーレルムに仕掛けてあったからくりは突破が極めて困難故、逆にヴァルキリーレルム内部の監視体制は緩いと読んだのだ。
♂プリーストが代表して♀セージに訊ねる。
「んで、その後の展開ってな無数にあるたー思うが。お前さんの頭の中ではそんな様々なケースに合わせて策は練ってありそうだな」
「一応な……しかし、あくまで予測を元に動く事になる。出来るならば統一した意思の元に動きたいが、現状ではそこまで望むべくもない」
そして皆の顔を順に見る。
「敢えて言うぞ。今は最悪の状況を前提に考えろ。つまり、ここから脱出の策は無く、敵GM全滅は彼我の戦力差から絶望的。そんな中で私達に出来る事は?」
全員が声を揃えて答えた。
『秋菜を倒すっ!』
「それ以外は為し得ないかもしれない。それでも挑むぞ、否やは無いな?」
『応っ!!』


今まで散っていった者達の無念を晴らす。
どうやらそれだけでは済まなくなってきたようだ。
ここで秋菜を止められなければ悲劇は更に広がり、そしてそれはより洗練された形となり、後進者達に襲いかかるという。
責任の重さに表情が硬くなる♀セージだったが、♂プリーストは不敵に笑う。
「関係ねぇな、俺達は前に進むだけだ。そいつを邪魔するってんなら例えGMだろうと命賭けで来い。相手になってやらぁ」
♀セージは確信した。♂プリーストは絶対、事の重大さを理解してないと。
知らず苦笑が漏れるが、それはどうやら♂GMも同じのようだ。
少し違うのは、♂GMは何か眩しいものでも見るかのように♂プリーストを見ていた事だ。
「君はタフだな。それは何より得難いと思う。僕には……絶対出来ないよ」
そう言う♂GMに♀セージは無表情になり答えた。
「ああ、私もそう思う。お前には無理だ」
それはあまりにも唐突で、起った出来事を♂プリーストが理解するのに僅かの時を要した。
♀セージが、いきなり♂GMの首筋を斬りつけたのだ。
間欠泉のように吹き出す血飛沫。
驚いた♂プリーストが♂GMに駆け寄る。
「おいしっかりしろ! ♀セージ! お前なんて事を……」
治療を行おうとする♂プリーストを震える手で制する♂GM。
「いいんだ……これで……♀セージさんにはわかってるんだ……」
「わかってる? 何をだよ!」
「僕が、最後の最後には秋菜を守ってしまう事……僕は弱いから、絶対に秋菜を……彼女にそれが必要だとわかっても……彼女が苦しむ姿を見てられないから……」
言葉を失う♂プリースト。
「……今の彼女を守って、その先に居る彼女を見るのは……僕にはもう出来ない……したく……ない」
目から光が失せ、完全に動きを止める♂GM。
♀セージは♂ローグから借りたスチレをじっと見る。
「馬鹿な……魔法で殺したのと何が違うというのだ?……これで二人目だぞ?……奴も私も共に必要とした事だ……それなのに何故だ?」
スチレが震えている、それを支える右腕が震えているからだ。
左腕で震えを止めるべく右腕の手首を掴むが、掴んだ左腕も震えていた。
膝が笑い、今にもその場に崩れ落ちそうになるのを懸命に堪える。
余りの不甲斐なさに涙が出そうになる。
「私は……弱いな。仲間達の誰よりも弱い。あの時も……私のこの弱さが全ての原因だった」
♂プリーストは、そんな♀セージを意外とは思わなかった。
「お前はさ、すんげー頭良いし、正直そんなお前と勝負して勝てるとは欠片も思えねえ。でもさ、だからってお前が無敵だなんて事も思っちゃいねーぞ俺は」
そして、力一杯♀セージの後頭部をひっぱたく。
「だから俺達仲間なんじゃねーか! 愚痴愚痴ビビってんじゃねーぞ! あのクソ野郎に一泡吹かせてやんだろうが!」
思い切りひっぱたかれた事で、緊張していた筋肉が一気に弛緩する。
へちゃっとその場に内股座りに座り込む♀セージ。
「無敵な奴なんざこの世にいやしねえよ。んな奴が仮に居たとしたらそいつは仲間を必要としねえ」
♀セージの手を引っ張り、無理矢理立たせる。
「お前はこうして俺を必要としてくれる。そして、俺にもお前が必要なんだ。そいつは俺との関係だけじゃねえ。他の連中みんなとそうだ」
まだふらふらしている♀セージの背中を再度ひっぱたく♂プリースト。
「おらしっかりしろ! 正しいかどうかなんて知らねえけどよ。俺達が前に進むにゃそれだけで充分なんじゃねえのか?」
♂プリーストらしい力業だ、そう♀セージは思った。
「確かにタフだよお前は。勝てる気がしないぞ、まったく……」


<♂ローグ 現在位置/プロンテラ 所持品:ツルギ、 スティレット、アラームたんc(効果は不明)、山程の食料>
<バドスケ 現在位置/時計塔目指して疾走中 所持品:アラーム仮面 アリスの大小青箱 山程の食料 深淵の黒馬 備考:特別枠、首輪無し>
<深遠の騎士子 現在位置/ヴァルキリーレルム 所持品/折れた大剣(大鉈として使用可能)、ツヴァイハンター、遺された最高のペコペコ 備考:首輪無し>
<♀セージ 現在位置/ヴァルキリーレルム 所持品/垂れ猫 プラントボトル4個、心臓入手(首輪外し率アップアイテム)、筆談用ノート 備考:首輪無し>
<♂アーチャー 現在位置/ヴァルキリーレルム 所持品/アーバレスト、銀の矢47本、白ハーブ1個 備考:首輪無し>
<♀クルセ 現在位置/プロンテラ 所持品/青ジェム1個、海東剣 備考:首輪無し>
<♂プリースト 現在位置/ヴァルキリーレルム所持品/チェイン、へこんだ鍋、♂ケミの鞄(ハーブ類青×50、白×40、緑×90、赤×100、黄×100 注:HP回復系ハーブ類は既に相当数使用済) 首輪無し>

<GM秋菜 現在位置/ヴァルキリーレルム>
<♂GM 死亡 現在位置/ヴァルキリーレルム>

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