225.静かな日々の階段
「シャープシューティングッ」
地下洞窟に鋭く響く♂スナイパーの声。
手首のモンスター・スティングが数匹、放たれた矢に貫かれて沈む。
手首のモンスター・スティングが数匹、放たれた矢に貫かれて沈む。
「うはぁ、さすが凄腕といわれるだけあるなぁ」
スナイパーとペアPTを組む♀クリエイターが微笑みをみせる。
♂スナイパーは黙って次の矢を取り出し周囲に警戒の視線を放つ。
♀クリエイターは暇を持て余すかのように白ポーションをお手玉のように放り投げた。
♂スナイパーは黙って次の矢を取り出し周囲に警戒の視線を放つ。
♀クリエイターは暇を持て余すかのように白ポーションをお手玉のように放り投げた。
「そーいえば最近ここに篭りっきりだね?」
落ちてきた白ポーションをパシッと片手で弾くように回収しながら♀クリエイターが問う。
♂スナイパーはそっけなく「そんなことはないよ」と答えた。
♀クリエイターちょっと引っかかるものを感じて話題をひっぱろうと考える。
♂スナイパーはそれを見越していたのか珍しく自分から、やや諦めたように会話をなげた。
♂スナイパーはそっけなく「そんなことはないよ」と答えた。
♀クリエイターちょっと引っかかるものを感じて話題をひっぱろうと考える。
♂スナイパーはそれを見越していたのか珍しく自分から、やや諦めたように会話をなげた。
「昔… まだアーチャーだった頃に幻のような出来事があったんだ」
♂スナイパーは思う。きっと誰かにこの話を聞いてもらいたかったのかもな、ずっと…。
「あんさんの力…うちらに貸してくれへんか?」
♀アルケミストと♀セージに拾われてオレはこいつらと生きて帰る…、そう思った。
♀アルケミストと♀セージに拾われてオレはこいつらと生きて帰る…、そう思った。
しかし生き残ったのはオレだけだった。
そう、生き残ったんだ…。
そう、生き残ったんだ…。
「ま、ちょっとした因縁てやつでさ…」
♂スナイパーが恐るべき速さで矢を放ちスティングをまた一匹貫いた。
「ちょっとしたヤバイ事に、な」
♀クリエイターは「ふ~ん、そうなんだ~、……ってヤバイことって何!?」と疑問を投げる。
♂スナイパーは「さぁな」と短く答えることを拒否する言葉を返す。
♂スナイパーは「さぁな」と短く答えることを拒否する言葉を返す。
―生きろ。
ふと誰かの声が聞こえたような気がした…
<生き残り:♂アーチャー1名>
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