バトルROワイアル@Wiki anotherA-2


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anotherEND-2.しあわせのうた


Episode:FINAL

                 しあわせのうた



「それでは、よろしいですか?」
「ああ、やってくれ」

ヴァルキリーの神殿。道を究めたものだけが入れるその聖地に俺は立っていた
……あの戦いから幾つもの月日が流れ、俺もハンターとなって己を磨き続けた
最初は自分だけ生き残ったことに対して激しい後悔を感じ、何も手に付かなかった
命を捨てることも考えた。だが結局俺はこうして生き続けている
自暴自棄になって自分の命を無駄にすることこそ、俺を生き残らせてくれた彼らへの冒涜だと思ったから
懐にしまってある一枚のカードを取り出し、くるりと手の中で回す
あの場所から唯一つ持って帰ってこれたこのカードを見るたび、彼らのことを思い出す
楽園を駆ける少女の絵。楽園なんてものがあれば、きっとみんな幸せになれたのかもしれない

「…あの、それは?」

ヴァルキリーの問いかけに、俺はふと思考の中から立ち戻った

「これか?お守りさ。大事な仲間達に貰った、な」
「そうですか。きっと、よいお仲間だったんですね」
「……ああ。それより、さっさと転生ってヤツを済ませてくれ」

苦い思い出が蘇える前に、俺は話題を打ち切った

「わかりました。それでは、転生の儀を始めます」

神聖な祝詞が神殿に響き渡っていく
光が空間に満ち、俺の身体を少しずつ書き換えていくのが判る

「♂アーチャーさん」

唐突に女神が俺にそう呼びかけた
おいおい、俺はハンターだぞ?
そう言い返そうと光の中の女神の顔を見た瞬間、俺は言葉を失った

「あなたの行く先には、きっと幸せが待っています。それを忘れないでください」

そう言って微笑んだ女神の顔が、見覚えのある少女のものに見えたのだ
それを問う前に光が視界を埋め尽くし、そして世界が変わっていく
そうして、俺は再びこの世界に生を受けた





ごーん


「くそっ、クロックのやつ散々噛み付きやがって…」

ひどい目にあわせてくれたモンスターに悪態をつきながら時計塔の前の下り坂を下る
やはり転生してそれほど間もなくではまだ思うように体が動かない
昔は余裕で倒せたはずのクロック相手ですら苦戦しているのでは先が思いやられる


ごーん


「……ん?」
考える俺の横をどこかで見たようなアサシンとプリーストが通り過ぎた
だがそんなはずはない。だって彼らはもう居ないはずなんだから
目の錯覚かと目を擦って見直してみると、案の定そこには誰も居なかった
……幻覚を見るなんて、疲れているのかもしれない。そう思い再び坂を下り始める


ごーん


「……けー…」
何にしても焦っても仕方ない。もう少し狩場のランクを低くしてみるのもいいかもしれない


ごーん


「……こらー…」
しかし今日は良く鐘が鳴る、一体何があったのだろうか


ごー


「そこのアホンダラ!ボケっとつっ立っとらんとどかんかぁぁぁぁぁい!!」
ドスの聞いた叫び声に思わず振り向く
が、気づいた時には遅かった
その大質量を伴った突撃の前に、俺は木の葉のように吹っ飛ばされた
全く、今日はありえないことが多すぎる
なんだって、死んだはずの人間に二度も出会うんだろうか?



イズルード、剣士ギルド前
古びた剣士の証をつけた女剣士が海風に長い黒髪をなびかせて誰かを待っていた
数刻の時間を経て、支給されたばかりの剣士の制服に身を包んだ少年がギルドの中から出てきた
暫く周囲を見回し、女剣士を見つけると満面の笑みで腕を振りながらそこへ向かいかけて行く新米剣士

「師匠ー!見てください見てください!」
「わかっている。そんなに騒ぐんじゃない、少年」
「これでボクも一人前ですね!これでもう師匠はボクのこと少年って呼べませんよ!」
「何を言う、私から一本は取って見せろ。話はそれからだ」
「そ、そんなの何時になるか判らないじゃないですか!?」
「ほう、諦めるか?」

意地が悪そうにそう問いかける女剣士に新米剣士は真っ直ぐな目ではっきりとこう答えた

「そんなわけないじゃないですか!どれだけ時間がかかっても、絶対師匠を超えて見せます!」



プロンテラ大聖堂。その中にある孤児のための施設
修道女の帽子を被った女司祭と余り身なりが良いとは言えない男が一人
そのある意味異様な組み合わせの二人が台所で仲良く皿を洗っていた

「済みません。今日は大聖堂のほうで結婚式があってそちらに皆出かけてしまっていて…」
「確かBS同士だったっけか。まあ、結婚なんて俺にとっちゃ縁遠い話だけどよ。……で、皿はこの棚でいいのか?…プリさん?」
「あ、はい……そっちでいいです。でも盗賊さんならきっと良い人が見つかります。私が保証しますよ」
「……なあ、その盗賊さんって呼び方どうにかならねぇか?確かにオレはローグだけどよ」
「す、すみません…つい」

どばーん

その時、遥か彼方から破らんばかりの勢いでドアが開かれる音

「……げ」

その何時もの風景の予兆を聞いた男の顔が少し青くなった

「ふふふ、あの子がまた盗賊さんが来てたのに気づいたみたいですね」
「プリさんワリぃ!煩いやつが来る前に退散させてもらうぜ!」

謝ってからひとつウインクすると、男は窓から外へ飛び出し脱兎の如く駆け出した

「こらーー!!盗人の分際で貴様また…」

背後から掛かってくる怒号に耳を塞ぎながら、彼は路地裏に消えていった



ゲフェンダンジョン最下層、そこに対峙する二組の影
一つは魔馬に囲まれたこの迷宮の主。もう一組は男と女の騎士だった

「さて、こうやって貴様等と戦うのも何度目かな」
「ほざけ魔王、今日こそ完全に滅してやる!」
「ふ、出来るかな?今まで幾度となく返り討ちにしてやったのを忘れたか?」
「貴様こそ何度その身を打ち砕かれた忘れたわけではあるまい!」
「(*´Д`)ハァハァ…」

真剣にけん制しあう二人とは全く別の場違いな荒い息遣い
女騎士が視線を背後に向けると男騎士が体操座りで下から女騎士を見上げていた

「騎士子たんのおしり(*´Д`)ハァハァ」
「お前はなんで何時もそう場と時をわきまえずハァハァとか言いたがるっ!!」

ソバット一閃、さらに追い討ちで男騎士の体を容赦なく蹴る、蹴る、蹴る

「も、もっと蹴って~~!」
「……おーい、そろそろ始めてよいか?」

ある意味、この場所は平和そのものだった



グラストヘイム、騎士団
今日も同僚の内藤と一緒に深遠の騎士は見回りを続けていた
と、その時がしゃがしゃと騒々しく鎧を鳴らしながらレイドリックやカーリッツバーグたちが通路の向こうへ向かっているのが見えた

「うはwwwww侵入者wwwwwうぇっwwwwww」
「行くぞ、内藤」

多数の魔物がそこに押し寄せている。よっぽどの猛者が相手なのだろうか
深遠の騎士がたどり着いた時、そこにあったのはある種異様な光景だった

「いいんだ……どうせホムンクルスが作れるなんて夢だぁぁぁ!!それならいっそここで果ててやるぅぅぅぅぅ!!」
「お、落ち着いてください…っ!ああちょっとそこのアナタも彼を止めてっ!!」

錬金術師とアコライトが大騒ぎしていた
レイドリック達やアリスも何が起こったのかと侵入者を撃退することも忘れて呆然とその様を見つめている

「なんだ、こいつらは…」
「うはwwwww自殺志願者wwwwwカワイソスwwwwww」
「このままニート状態を続けるくらいなら死んで家族に詫びるんだぁぁぁ!!その手を離してくれぇぇぇ!!」
「ダメですって!死んだらフリーターにもなれないじゃないですかっ!!」
「……」

唖然とする深遠の騎士
そんな深遠の騎士の横から内藤はゆっくり二人に近づき、ぽん、と錬金術師の肩に手を置く

「うはwwww俺様同情wwwww」
「同情するならホムンクルスを実装してくれぇぇぇぇぇ!!!もしくはいっそ殺してぇぇぇ!!」
「生きていれば良いことがありますって神様も言ってますからほら自棄にならないでぇぇ!」
「でもニートは人生の負け犬wwwwwうぇっwwwwww」
「うわぁぁぁぁぁ!!俺はやっぱりだめなんだぁぁ!死ぬしかないんだぁぁぁ!!」
「待ってー!死なないでー!お願いだからー!」

ぷつん

何かが切れる音がした

「貴様ら纏めて吹き飛べ!ブランディッシュスピアー!!!」

一閃、炸裂、大爆発
人間二人とついでに内藤も壁に人型の穴を開けて外壁にめり込んでいた

「アリス、掃除と……それと手当てをしておいてやってくれ。その人間二人もな」

久しぶりの仕事だというのにいきなりの騒動。なんともツイていない

(だが、少し懐かしいな、この感じは…)



「あーもう!せっかくの商品がパーやないかいこんダボ!どない弁償してくれるねんああん!?」

頭の中が白くなった。言葉が上手く口から出ない。だって、目の前にあるのはありえない光景だったから

「やめないか、騒々しい」

三つ編みを風に揺らしてその女賢者は女錬金術師をたしなめている

「そうよ、元々積載量オーバーしてた貴女が悪いんでしょう?」

少しクセのある金髪をかき分けながら女魔導士がそれに続く


ごーーーーん


「なんで……なんで……」

思わず零れた涙を拭うこともなく、俺はその三人を見上げ続けていた

「ほれみろ、泣いてしまっているじゃないか。大丈夫か?どこも折れてはいないか?」

「えぇ!?そ、そないに強ぅ当たっとらへんと思うんやけど……ご、ごめんな兄ちゃん?けど考えてみれば美女三人に囲まれるなんて役得やないか?よかったなぁ」
「……♀ケミ、なんかこの人本気泣きしてるみたいよ」
「みんな……どうして……」

涙が止まらない。二度と会えないと思って居たのに

『あなたの行く先には、きっと幸せが待っています。それを忘れないでください』

女神の言葉が蘇える
ああ、あれはそういうことだったのか

「あかん、すっかり自分の世界に入ってしもとる……ん?」


ごーーんごーーーん……どーーーん


人の感涙を邪魔する様に時計塔の鐘の音が爆音に変わった

「なんだ!?」

坂の下からわらわらと商人や見習い魔術士たちが一目散に逃げていく

「枝テロだーーー!!」
「抜けば珠散る氷の刃!今夜の村正は一味違うよ!(いってやった、いってやった!)」

見ると橋の向こうに多数の魔物が発生していた
遠目で良く判らないが彷徨う者らしき姿まで見える

「テロか…どうする?」
「どうするか、聞くまでも無いでしょう?」
「そこのアーチャー、お前も戦えるか?」
「あ、ああ…!!当然じゃないか!」

もう一度、こいつらと一緒に居る事が出来る
数日間しか一緒じゃなかったけど、それでも最高と言えるこの仲間達と
今度は殺し合いの世界じゃなくて、この本当の世界で
チクショウ、こんなに嬉しくて幸せなことは無いじゃないか

「よし、行くぞぉ!!」
『応!!!』





再び出会い、時間を紡ぎ始めた者達

きっと、彼等なら楽園へ辿り着ける

それじゃあ、私達も行こう。私達が行くべき場所へ

楽園の少女の姿をした女神は、詩人の手を取り歩き出した

眩しいほどに輝く未来へ向かい







アラームたんC
装備箇所:?????
効果:





                          みんなが しあわせな みらいを







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