147(Ver NG)
生きよう、折れた剣を杖にして
生きよう、折れた剣を杖にして
拝啓父上様、母上様。そして兄上に妹様。
お元気ですか?僕は元気です。でも、これが皆様方に宛てる最後の手紙になりそうです。
お元気ですか?僕は元気です。でも、これが皆様方に宛てる最後の手紙になりそうです。
ああ、こんな書き出しから始まっているのに何ですが、心配は決してなさらないで下さい、と記します。
例え、道の半ばで転んだとしても、きっと僕は立ち上がり、再び歩き出しますから
約束を、交わしました。そして傍らには共に歩く、仲間が。騎士子さんが居ます。
例え、道の半ばで転んだとしても、きっと僕は立ち上がり、再び歩き出しますから
約束を、交わしました。そして傍らには共に歩く、仲間が。騎士子さんが居ます。
だから──
俺は、涙を拭って立ち上がる。
そして、頭上を見上げた。
二度目の夕暮れが訪れた空は、金色に染まっている。
そうさ、今は聖典のソレじゃないんだ。
例え沈んでも──何度だって、何度だって暗い黄昏と冷たい夜を乗り越えて。
又、日は上るじゃないか。
俺は、涙を拭って立ち上がる。
そして、頭上を見上げた。
二度目の夕暮れが訪れた空は、金色に染まっている。
そうさ、今は聖典のソレじゃないんだ。
例え沈んでも──何度だって、何度だって暗い黄昏と冷たい夜を乗り越えて。
又、日は上るじゃないか。
諦める事はとっくに捨てた。甘くある事だって、捨て去った。
俺は、諦めない。諦めてやるものか。
俺は、諦めない。諦めてやるものか。
空を見上げて、誓う。
ハティーさえも退けて、何度でも上る日に賭けて誓う。
ハティーさえも退けて、何度でも上る日に賭けて誓う。
俺は、俺達は。
「絶対に生き残ろう。絶対に生きて帰ろう」
その為なら、泥だって啜ってやる。
その為なら、泥だって啜ってやる。
道は、示された。
後は、その上を二人歩いていこう。
後は、その上を二人歩いていこう。
手にした、折れた剣を杖にして。
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