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楽譜というものはある意味不完全なもので、作曲家が思い描いた音をすべて記譜できるわけではない。暗黙の了承の場合もあるし、演奏家側の自由裁量としていることもある。『筑後川』の初演のように作曲家がタクトも持つ場合、書いてなくても自分で振れてしまう。もしかすると、わからないことはその演奏を手本とせよ、と考えているかもしれない。
古い楽譜には何も書いてないことが多いし、最近の曲にはやたらいろんなことが書いてあったりする。オペラのト書きなみにいろんなこと書く人もいますよね。書いてあることはそうしたほうがいいけど、書いてないことはやっちゃいけないと解釈する方法と、書いてないから自由だと見る方法もある。

さて、この「銀の魚」でのブレス位置。やたらとVマークがあちらこちらにあります。さすがにこのくらい書いてあるということは、「書いてないところでブレスをしないでくれ」という意図と思ってもいいでしょう。曲がlegatissimoであること考えると、全員が揃うブレスを避けたいという意図もわかる。

男声と女声の掛け合いに合わせてブレスの位置をずらしてあるので、他パートに釣られてしまわないことが大切。同じような音形がでてくるので詳しく確認してみると、

1) 男声が「漕ぎ出した」と歌ったあとでブレスがあるのに、同じ形式となる女声の「さおを入れる」のあとだけにはブレスがない。さらに同じ形式の男声「深い心の」の後はやありブレスがあり、同じ女声の「深い心の」の後にもブレス。(理由不明)
2) 「たくましい」の後に小節を半拍残してブレスがあり、同じ音形の「きよらかな」は小節の変わり目にブレスがあり、さらに同じ音形の「とらえ」のあとはノンブレス。(これは言葉の切れ目があるかどうか)
3) ハミングのところは、男声が2拍でブレスをするが、同じ音形の冒頭はノンブレス。(これはその前のフレーズから切らずにハミングして、でも2拍でブレスしていいよという配慮かと思われる)

たまにどう考えても、理由がわからないとき誤植か記譜ミスとかと判断して指揮者裁量でどうにかしてしまうことがあります。