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受け売り・モノマネ・オウム返し

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chikugogawa

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別のところでも書いたけど、同じフレーズが別のパートに少し時間をずらして書かれている場合の演奏の基本は、細かいアーティキュレーションを含めて、先行したフレーズにならうこと。とくにフーガでは、同じようにしろ、という意味にとらえてOK。

ここではまずアルトが最初に「まつりよかわをよびおこせ」と歌い、テナーが続く。ここでテナーはアルトのやった細かいニュアンスをコピーしなければならない、という意味だ。たとえばもしアルトが「まつりよ、かわをよびおこせ」と祭りに対する呼びかけの様子を強調するような「よ」の後ろの小さな間を作ったら、テナーも同じタイミングでそれをやるべきだし、もしアルトがついつい勢い余ってか、「わ」に鋭いアクセントをつけてしまったら、テナーも「わ」に鋭いアクセントをつけるべきだ。
楽譜どおりに演奏することは大切だけど、楽譜に書き込めることにはおのずと限界があって、どう演奏するかは指揮者の考えや気分、その場の雰囲気やメンバーの技量、ホールの鳴り具合、客の反応などいろんな要素が絡んで決まってくること。ある意味自由なのだけど、フーガがフーガらしく、繰り返しが、繰り返しらしくきちんと演奏されるためには、先行して起こったことに正しい影響を受けなければならない。フーガでは、先行の主題を模倣すべき。だからこそ、アルトの責任は重大。後続のパートにメッセージをこめて歌いきって欲しいところ。でも、難易度が高いので精一杯しっかりやった結果ついたアーティキュレーションが今回の主題だ、と思うのでもいいはず。
次に責任を被るのがテナー。アルトが作った流れをきちんと受け継いで音楽を作らなければならない。そのために是非やりたいことは:
1)自分なりにアルトが歌うべきor歌うだろう抑揚、アーティキュレーション、ニュアンス、ネタ、癖を予想しておく。その上でアルトの演奏を聴いて楽譜以上に何を起こしたのかを感じ取るべし。
2)日頃の練習で、調子のいいとき、悪いときのアルトの演奏を理解しておくべし。
3)自分がつけたいアーティキュレーションを練習の中でアルトに見せ付けて本番でやらせるように仕向けるべし。
4)何が起こっても追随できるようにテクニックを磨くべし。
5)本番には練習で一度も見せないような演奏になる場合があることを知っておくべし。
6)パート内の音をそろえるという意識は、これらに優先して重要なことだというのを理解しておこう。



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