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私が持っている『筑後川』の楽譜は、68刷なんですが、10年ほど前に買った楽譜の話。

歌の楽譜はふつうひらがなで歌詞が書いてあるけど、ところどころ、意味を誤解しないように漢字で書いてくれることがある。「ようがん」。誤解しようのない言葉だとは思うが、ここも一文字目だけを漢字で書いて、、、   !   おや? 後ろの詩と表記が違う。
楽譜は「溶がん」(68刷では「よう岩」)、詩は「熔岩」。
すでに何十回も増刷を重ねたこの楽譜が、くだらない誤植を放っておいているとも思えないし、多分、詩人、作曲家、それぞれの指示通りなのだろう。もしかしたら、芸術家特有の「なにがしかの意味」があるかもしれないから、よほどでなければ編集者は勝手に書き換えない。しかし、どう考えてみても、何の意味も見出せない。なんで詩人と違う文字を書いたのだろう。ここは単に、何も気にしないで普通に溶岩と思って楽譜に「溶」と書いてしまっただけじゃないかと。

「熔」と「溶」はJISコードでも区点コードでも1番違いのお隣さん。常用外漢字の「熔」に代わって、現在のこだわりがない文書では「溶」と書くのが正しい。もともと「熔」は金属がとける様を表した「鎔」の俗字。岩や釉薬は金属じゃないから「熔」って書いたのかな?
ところで、解ける、融ける、溶ける、熔けるの違いがわかりますか?
とりあえず、融けるvs溶ける。英語で言えばmeltとsolve。食塩水や砂糖水は塩や砂糖が水に溶けたもの。たとえば純物質である食塩の融点は約800℃。イオン結晶の結合の強さが伺えます。室温で融けることはありえません。お菓子作りをするひとなら直接火にかけてようやく砂糖を融かしたこともあると思います。ところがどちらも水に入れると液体になりますよね。固体の結晶となっていた食塩を水分子がイオンまでばらばらにしながら、砂糖はそれぞれの分子までばらばらにしながら、取り囲んで取り込んでいくから。溶けるというのは水や、そのほかの溶媒の分子が成分を取り囲んでばらばらにしていくこと。岩は溶けないだろう。
地下深くにうごめくマグマが大地の裂け目から現れたもの、それが熔岩。土や岩と同じ成分がドロドロになったケイ酸塩溶融体。火口付近では千度近くの温度という。っていっても所詮千度くらい。混合物である溶岩に融点という考え方を適用するのもどうかと思うし、厳密に言えば岩石の融点のような温度よりも低い温度なのに流動していて、それは水と反応して水酸基で取り囲まれるからだとか(ってことは溶けてるの?)、いろいろ奥が深いらしいし。うーーん知らないことは語りにくいなぁ。謎は解けません。

そういえば雪は解けるものです。春ですからね。日本語って難しい。まぁ、こんな問題は放っ「とけ」?
お後がよろしいようで。