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ピアノパートの特徴的な動きを見てみよう。
合唱が「けもののしろい」と歌う直前で一度ヘミオラの拍の動きの中で強く高い音を、タカタン、タカタン、タカタンと叩いている。
「もりの」のフレーズの終わりで、今度はボリュームをpに落として同じ高さで、さっきのヘミオラの中のリズムを使って叩いている。
続いて「たきの」のフレーズの終わりをさっきと同じようでありながらやや音を充実させてクレシェンドしながら叩いている。
「さあ」に入ると一拍めのタカタンのリズムがなくなるもののほとんどさっきと同じことの発展系で、さっきはスタッカートだったやや軽い音が今度はffのアクセント付きで叩き、
いよいよ最後の「さあ」にいたってはほぼ同じ動きをもう一回(2小節分)付け加えて、ffからクレシェンドしながら音の高さまでちょっと高くなりながら叩く。

たとえばこれを鐘の音だと思ってみよう。
町中に響き渡る鐘。その鐘が告げる何かの始まり。鐘の音が聞こえる村や町全体にかかわりがあるような何かすごいことがこれから始まる。
何が始まるか知っていますよね。何人くらいの人が関わることになることなのかも知っていますよね。どんなに長いことなのかも知っていますよね。
おぼろげながら始まりそうだったものからいまやはっきりと姿を見せ、遠くから聞こえていた鐘の音から、まさに今ここで始まらんとしていることを告げる鐘の音になる。
いまはまだ知らない振りをして、ただその壮大な物語を予感させるだけの、始まりの鐘が高らかに鳴り響く。

ヘミオラが繰り返される書法のところ(最後の2小節)は感極まったところだし、直後にGrandiosoという新しい遅いテンポに飛び込むところだし、自然にリタルダンドがかかっても不思議ではありません。何も書いてないので書いてないことはしない派の人なら淡々とテンポをキープするでしょうが、クレシェンドの効果をしっかり出すために時間をかけた音が欲しいなどの理由もあって、こういうところで勝手にrit.する濃い演奏もありえると思います。
合唱のみなさんは、ヘミオラに惑わされすぎず自分が伸ばすべき長さを自分で数えられるようになっておくことも必要でしょう。慣れれば何も難しくないところだと思いますし、全員揃っているから指揮者がわかりやすい指示をくれるとも思いますので、あまり不安に思う必要はないです。