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もだえて「もだえて」うねって「うねり」

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chikugogawa

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何日か前に「もだえる」の辞書の意味を書いたけど、
その後の家族会議で議論したところ
  • (恋愛沙汰で)心配する
  • (怪我や病気で痛くて)苦しむ
  • (性的な感情の欲求不満で)苦しむ
という3つの意味を分けて捉えるべきじゃないかという根拠に乏しい話になりました。
古くは1番目だけで、その後2番目が派生。3つめは非常に現代的な用法ではないかと(根拠なし)

さて本題、團伊玖磨が「もだえて」と「うねり」の楽譜に託したこと。

見ればすぐわかることは、クレシェンドとデクレシェンド。
細かく見てみると
まず「もだえて」
直前の「あおばをくぐり」と「もだえて」の対比が
  • mp → f
  • スタカート → レガート
  • 音量一定 → 真ん中をふくらます
  • ベースなし → ベースも参加
という指示になっている。
そこであらためて「もだえて」という言葉の意味を考えてみると、標準語的なら、物理的にせよ、精神的にせよ、(暗黙:性的にせよ)、思いどおりにいっていない状態で、発散しきらない力がたまっていることが外にあふれ出ているような感じ、ですよね。本来フォルテシモでも歌えるようなブレスをもって、それを押し殺してfで歌い、忍ぶれど色にいでにけり(←しつこい)、な感じのクレシェンドとすぐさまデクレシェンドがあるとか。
まぁ文字にするよりこの言葉が持っている力と楽譜に書いてあることを同時に何とかしてみようと思えば、わりと簡単にどういう音が欲しいかは見えてくると思う。
 それをあんまり濃くやりすぎるとキモいかもしれないので、バランスや理性は適宜よろしく。

ここまでいえば「うねり」も同じようなこと。うねるという言葉を歌っているのだから、ただ単にクレシェンドしてみましたという程度ではなく、膨らませ具合にも何か味付けのしようがあるだろう。何か外力が働いてゆがんだ感じがする膨らみ方。でもこういうときに音の高さがぶれると聞き苦しいし、何となく恥ずかしいのでご注意を。

最後の「うねり」の「り」に入ると音楽をピアノパートが持っていってしまうので、そこから先は主張し過ぎずに3+1拍で収めてください。


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