乱れ撃ち読書録@chipmunk1984 魂の駆動体
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魂の駆動体



書名: 魂の駆動体
著者: 神林 長平




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紹介

人々が意識だけの存在として仮想空間へと移住しはじめた近未来。養老院に暮らす<私>は、確かな生の実感をとりもどすため、友人の子安とともに理想のクルマを設計する。いっぽう遙かな遠未来。太古に存在した人類の文化を研究する翼人のキリアは、遺跡で発掘された設計図をもとに、あるクルマの製作を開始するが……。機械と人間の関係を追究してきた著者が、“魂の駆動体”たるクルマと自由な精神の解放を謳う現代の寓話。

評価

評点:★★★☆☆ ( 5/10点)
年齢は関係なく『男の子』にとって『クルマ』というのはとても特別な存在で,作者がこの作品で試みようとしていることは良く理解できます.(この作品ってオトコしか出てこないですよね.)ただ,肝心の『クルマ』に関する考察のレベルが低すぎます.確かにミニは先駆的で良くできたクルマでしたが,そこに拘泥されていてはある意味クルマが主人公の物語に深みは与えられません.(参考文献の『ミニ・ストーリー』あたりに影響を受けすぎていることがありありです.)また,モノを作るとき設計思想以外にコストと時間を制約とすることは非常に重要で,その制約を超えるために技術的ブレイクスルーが出るのですが,この物語ではその制約が無いため,主人公の思いこみ(=作者の思いこみ)だけでクルマの設計が決まってきます.この辺も何だかなぁですね.作者には,高齋正のレースシリーズあたりをもう一度良く読んでクルマ造りとはどんなものか考えて欲しいと思います.

おまけ

後編は,鳥人間の世界の話なのですが,『鳥人間の街に何でオープンスポーツの走れる道があるのかなぁ』と思いながら読んでいたら,オチがとんでもないオチでした.これならそれもありかも知れませんが,ちょっと長編のオチとしては問題ではないでしょうか?
あと,主人公がクルマ造りに目覚めるきっかけとなったプレリュードですがこの初代ですよね.二代目と勘違いしてないですよね.初代プレリュードっていうのはすごい不人気車で確かにこれをレストアしようとするのはすごいマニアックなことなんですけど...