乱れ撃ち読書録@chipmunk1984

梅田地下オデッセイ

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梅田地下オデッセイ



書名: 梅田地下オデッセイ
著者: 堀 晃




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紹介

あらゆるシャッター、スプリンクラー、照明などがコンピュータにより自動制御された梅田地下街。そこに、突如として異変が発生した。次々と降りるシャッターは複雑な迷路を形成し、外部への脱出は完全に不可能となった。野獣と化した者たちの争い……限られた小世界での苛烈な生存競争、そして生まれた胎児の如き外見の奇怪な子供。--近未来という設定でハードSFを書きあげるという、野心的な試みの表題作ほか、堀晃ならではのイマジネーション豊かなハードSF群を結集する意欲作品集!巻末に石原藤夫氏による80枚にもおよぶ堀晃論収録。

評価

評点:★★★★☆ ( 8/10点)
日本におけるハードSFの旗手 堀晃の初期短編集.その後の堀晃の作品のベースとなる作品を含みながら,どちらかというとファンジンらしいが連なる楽しい作品集です.パロディ有り,オマージュ有りで,プロ作品というよりSFファンの例会でヨタ(とは言いながら科学的にもSF的にもかなり高度なジョークを積み重ねる)話をそのまま書いてしまったようなものが多く,ちょっと青臭いけれど楽しい短編集となっています.(『”冷やし中華”を食しながら……』が最高!).堀晃のジョークなのでかなりハードですが,石原藤夫の怪説を読みながら楽しんでください.

おまけ

太陽風交点(徳間書店版)もそうだったんですが,この紹介文もなんか文章が変ですね.早川JA版からの転載なのですが,出版社はこういうところにもしっかり気を配って仕事して欲しいものです.堀晃ってなんかこういうところに運が無いんでしょうかねぇ?





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