乱れ撃ち読書録@chipmunk1984

タウ・ゼロ

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タウ・ゼロ



書名: タウ・ゼロ
著者: ポール・アンダースン(浅倉 久志 訳)




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紹介

50人の男女を乗せ、32光年彼方のおとめ座ベータ星第三惑星を目指して飛びたった恒星船。だが不測の事態が発生する。生まれたばかりの小星雲と衝突し、その衝撃でバサード・エンジンの減速システムが破壊されたのだ!亜光速の船を止めることもできず、彼らはもはや大宇宙を果てしなく飛び続けるしかないのだろうか……?現代SF史上に一時代を画したハードSFの金字塔登場!

評価

評点:★★★★★ ( 9/10点)
光速に近づいた宇宙船を止めるためにはさらなる加速を続けるしかない.この一点にすべてを集約して物語は進みます.とは言っても,閉鎖された空間での人間模様を巧く描くことによって物語として素晴らしいできとなっています.ハードSFと強調されがちですが,ウラシマ効果を知っていて,速度を上げれば上げるほど(タウを小さくすればするほど)船内時間は遅く進むようになるということだけ理解できれば難解な理論はありません.そんなにハードではなく,むしろ人間ドラマで読ませます.SF初心者にもお勧めできる作品でしょう.難点を言えば,一点のアイディア勝負の話なので,本来は短編くらいの長さがちょうど良くて長編にするには無理があったかなと思える部分がいくつかあったところでしょうか.

おまけ

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