乱れ撃ち読書録@chipmunk1984

マイナス・ゼロ

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マイナス・ゼロ



書名: マイナス・ゼロ
著者: 広瀬 正




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紹介

タイムマシンを駆って、少年時代の自分の住んでいた懐かしい古き良き時代にやってきたひとりの男……。非凡な空想力と奇想天外なアイディア、ユーモア精神と奇抜などんでん返しで、タイムトラベル小説の最高峰と謳われ、今や日本SF史の記念碑的存在となった著者の第一長編小説。   解説・星新一

評価

評点:★★★★★ ( 9/10点)
複雑なタイムトラベルテーマをモダンで洒脱な文体と構成で描いた日本SFの名作.太平洋戦争を挟む時代を描きながら,いたずらな悲劇に走らず,時代の空気をうまく描きつつ,主人公 浜田俊夫の数奇な運命を描ききっています.紹介にあるように,まさに日本SFの最高峰の一つです.
解説で星新一に『SFを長編で書く場合、いかに日本の風土に適合させるか。私はその問題への解答がみつからず、長編を書けず、書かずにいた。『日本アパッチ族』を読み、ああ、方法があったのかと思った。そして『マイナス・ゼロ』を読み、こんな手法もあったのかと、またまた感心させられた。』と言わしめた名作で,直木賞候補作品にもなりました.
何より,広瀬正の小説は,かっこいいというかモダンで読み応えがありストーリーと雰囲気の両方で楽しめます.

おまけ

手元の本は1982出版の集英社文庫ですが,広瀬正の全集は今や古書でも手に入りにくく,法外な値段で取引されています.是非,復刊投票にご協力ください.







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