「Tラン/2011年春 T合宿/T合宿への意気込み」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
**「T合宿へ向けて」 鳥海一馬
つまりね、人間っていうのはある程度追い込んでおかなきゃいけないわけよ
生きてるっていうのかな
つまり生ってものを感じたいわけね
俺のハートと筋肉がね
人ってある程度は生を感じられると思うのね
感情ってものがあるからね
限界を迎えることによってその感情じゃカバーしきれない部分?
いや、これは俺も言葉で説明するのが難しいな
そう、感情っていうのが薄っぺらく感じちゃうわけよ
それが筋肉が限界を迎えるってことなわけ
でも、結局限界なんて存在しないんだよ この世界にはね
限界なんて自分で決めちゃったボーダーラインなわけなんだよね
地球に国境なんてないのに人間側が勝手にきめちゃうみたいな?
それでも、あえて俺は「限界」って言葉を使うんだよ
それが俺のアイデンティティーでもあり、覚悟でもあるんだよ
簡単に言っちゃえば、ここまできたら帰ってこれないんだよね
その「限界」を俺に感じさせてくれるのが「バイク」なんだよね
あっ、わかりづらかったね 俺自転車のことバイクって言うから
バイクで風を切る感覚?
まっ、筋肉も切れちゃうんだけどね ハハッ
いいよ、今のところ笑っても
結局、俺とバイクと風が一体化するんだよ
わかる?
わからないんだろうなぁ~
これは感じたことある人にしか
非難しかできない奴がいたら、まず俺は言っちゃうね
「いいから乗ってみろ」って
「それで走ってみろ」って
わかるから
それだけでわかるから
バイクに乗ったら他の事なんてどうでもいいんだよ
それを一番に感じさせるランにしたいんだよね
なんていうのかなー
来て良かったって思わせたい?
その一心なんだよ
言っちゃえば、
生きてて良かったって思わせたい そういうこと
その感覚さえ感じちゃえば
世界平和なんて簡単なんじゃないかなぁ?
世界なんて一つの輪なんだよ
輪であり和なんだよね
そこが今ちょっと欠けちゃってる
そのくぼみに俺がピースとしてはまれば
世界平和なんて簡単なんだよ
つまり、このランはそういうものなんだよね
この文章を読んで少しでも俺に共感できる奴がいたら
少しでいいんだ
少しでいいから俺に勇気を分けてくれないかな?
その勇気で俺は行動できるんだよ
**「T合宿へ向けて」 石井卓弥
400メートル
…それは短距離の中で特異な距離。
長いか?短いか?
自転車に乗る人から見れば一瞬であろう。
しかし陸上競技では、全力で走り抜けられる最大の距離なのだ。
400を全力で走りぬくとどうなるか。
全身の筋肉が痙攣し、呼吸が苦しい。
ハムストリングスが割れるように痛み、立てなくなることもざらにある。
体力だけじゃない。走りぬくための精神力も必要だ。
そんな過酷な距離を走りぬくために、日々の練習があった。
体力をつけるために川沿いを延々と走る。夏合宿では野尻湖ハーフマラソン。
スピードを維持するために、ダッシュもする。
練習はいつも過酷だ。
辛い、呼吸が苦しい、走るのをやめたい…
しかしそれでも走り続けると、ふと静かになることがある。
今まで感じていた風がやむ。
今まで聞こえていた音が聞こえなくなる。
聞こえるのは、自分の心臓の音。そして荒い息遣いだけ。
靴が地面をたたく音が、わずかに遠くからこだまする。
そして今までの辛さをふっと忘れることが出来る瞬間に出くわすのだ。
久しく忘れていたこの感覚。
自転車に乗っていても感じられることに気づいたのは、Tランでだろう。
辛いとか、きついとか、そういう感情が消え、自分が消える感覚。
よく自転車と一体化になると表現されるが、
まさにこの状態を言うのだろうか。
辛さの向こうにある境地は、いつも傍にいるんだ。
部活動で得た苦しみのその先にあるもの。
俺はそれをこの合宿でまた感じたい。
**「T合宿へ向けて」 津田哲
どうしたんだい、浮かない顔をして?
退屈してる?悩みがある?へこんでる?まぁ人生いろいろあるだろう。
そんなとき、気分がスカッとするいい方法を教えてあげよう。みんなにはナイショだ。
もしキミが、心にモヤモヤしたものを抱えているなら、とりあえず自転車を用意してみよう。
倉庫にしまいっぱなし?それはもったいない…今すぐ引っ張り出して、ピカピカに磨いてあげようじゃないか。
自転車の用意が出来たら走りだす準備をしよう。そうだな…地図と…ちょっとしたおやつがあるといいな。
もちろん1人で走りだしてもいいが、もしキミに一緒にサイクリングできる友達がいるなら、彼等にも声をかけてみるんだ。
誘い文句は…そうだ、「風を追い越しに行こう」なんてどうだろう?
仲間が集まったら走りだそう。ペダルにぐっと力をかける。
この季節、走り始めは風が冷たいかもしれない。
そんなとき、ペダルを回す足にもう少し力を込めてみるんだ。
もっと、もっと。ペダルが軽く感じ始めたら、今度は足を速く回してみる。
スピードに乗ろう。もっと速く、もっと速く。
するとどうだろう、さっきまで追い風を感じていたハズなのに、今は前から風を感じるじゃないか。
そう、今キミは風を追い越したんだ。
まだ寒いかい?
体の芯から湧き上がるアツいエネルギーを感じないかい?
まだ沈んだ気分かい?
自然と鼻歌を歌ってしまわないかい?
ホラ、いつの間にか笑顔がこぼれてる。
こうなればこっちのものさ。
シフターに指をかけ、1段重いギアにしてみよう。
ズンッと足にかかる重み。ごうごうと前から吹きつける風。
今キミは風を置き去りにしようとしているんだ。
空気の壁を切り裂き、地を蹴って自転車は進む。キミというエンジンを乗せて。
もう1段、もう1段。周りの空気が水飴のようにまとわりついてくる。
BBがたわみ、チェーンがよじれ、スポークがきしむ。
心臓と肺が悲鳴を上げ、太ももの筋肉が引き絞られる。それでも止まらない。
どんなに辛くても下を向いてはいけない。
常に前を向いて走る、そうでないとふらついてしまう。まるで人生みたいだと思わないかい?
空気抵抗を抑えるために姿勢を低くしたその姿は「地を這う」という表現がふさわしい。
願いはたった一つ。
「速く、もっと速く」
お疲れ様、ナイスな走りだったよ。
もうヘトヘトかもしれないけれど、浮かない気分はどこかへスッ飛んでしまったんじゃないかな?
今日の夜はご飯がおいしそうだ。
↑こんなランになる予定です