Vブレーキ vs ディスクブレーキ

目次


0. 何回説明すればいいんだよ!

 なぜこのページが必要か。それは、たびたびくりかえされる手間を少しでもなくすためである。経緯はこうだ。

 「もうホイール変えないとだめですかー、3年目なんですけど」
 「3年目ね、変えたほうがいいんじゃない、みんなそれくらいで変えてるよー」

 いつもの部室での、いつもの会話。部室依存症も末期になると、一月に3回は聞くことになるだろう。

 「どんなやつがいいんですか?」
 「え、カタログの、これとか、これとか」
 「このみずいろのとかってどうなんですか」
 「それはディスク用だから、ディスク化しなくちゃ」
 「ディスク??」
 「自転車、V用でしょ?」
 「できないんですか?」
 「できるけど、お金かかるよ」
 「どっちがいいんですか?」
 「え、えっと、ディスクはさー・・・えっと」
 「????」

 ↑↑ けっこういつもの会話。

 ホイールを変える相談で、面倒なもののひとつがこのブレーキの選択。あくまで、できる限りわかりやすく解説したい。説明する側はもちろん、説明を受けたい側も簡単に読んでほしい。

1. Vブレーキ vs ディスクブレーキ

 Windows vs Mac、犬派 vs 猫派、きのこ vs たけのこ、決着が着かない戦いはいろいろなところに転がっている。きっと、これはそのうちのひとつであろう。
 ここでは簡単に、Vブレーキとディスクブレーキの違いを、ブレーキの重要視される特徴から考える。
 以降、VブレーキはV、ディスクブレーキはディスク、と表記する。

制動力

 一般的には、ディスクが圧倒的に優位。Vでもセッティングによって強い制動力を出すが、例えば雨の日などは大分効かなくなる。一方ディスクはおおよその状況で安定した制動力を発揮する。

コスト

 本体自体はVが安い。しかし、Vはブレーキシューの交換頻度が高いため、ブレーキパッドが長持ちするディスクが、長い目で見るとコストを抑えられる。

輪行

 ディスクのほぼ唯一ともいえる弱点。油圧ディスクはオイル漏れのおそれがあり、メカニカルでも、ロータをぶつけて曲げてしまうと機能しなくなる。以前チャリ部がツーリングにディスクを敬遠していた最大の理由。

メンテナンス性

 Vが簡単と言われる。メカニカルは基本的にはVと同じような調整をするが、非常にシビアで、慣れなければうまく決まらない。油圧の場合は調整自体はメカニカルより多少楽だが、取り付けに専用工具、ケミカル、知識が必要なため、ツーリング中にトラブルが起きると対処できない可能性が高い。

重量

 Vの方が多少は軽いが、チャリ部で気にする人を見たことがない。

見ため

 ディスクの場合はリムを選ばないため、リムにカラーを入れたりもできる。また一応、メカメカしててかっこいいなんて言う人もいる。Vは至ってシンプル。

2. 結局、どっちがいいんですか?

 メンテナンスと輪行を考えるならVブレーキ、制動力とコスパならディスクブレーキと簡単に言える。できれば、特に輪行が多く長い合宿を考えると、Vブレーキの方が無難ではある。

3. あとがき

 しかしここ数年、Vブレーキ台座のついていないスポーツバイクが増えており、その場合ディスクブレーキしか選べない。ホイールを変える相談の前に現状のブレーキがどちらのタイプなのか、また、それぞれの台座の有無を確認した方が、話が進みやすくなるはずだ。

 実際のところ、大概は最初に設定されているブレーキを選んでしまうのではないかと思う。そして特に不満がないならば、その慣れたブレーキでいいとも思う。ブレーキの説明などそれほど必要ないんじゃないか、と、思う。

 なぜこのページが必要か、それはあくまで、部室でたびたびくりかえされる手間を少しでもなくすためである。みんな説明したがりだ。 

4.用語

  • オイル漏れ
 油圧ディスクで輪行するとオイルが漏れる、らしい。実際調べると、言われているほどには起こっていない。ただし、検証している人の大半は少なくともシマノ程度のグレードのため、安い完成車に装着されているものだとするのかもしれない。

  • きのこ vs たけのこ
 きのこたけのこ戦争。決して終わらない戦争。明治製菓がはじまりにして黒幕。

  • シュー
 shoe。Vブレーキの制動に使うゴムパッドの一般的な言い方。靴の形に似ているため。

  • メカニカル
 機械式のディスクブレーキ。パッドをワイヤでひっぱり動かす簡単な構造。対して油圧式は専門の宝庫。

  • メンテナンス
 整備、点検、手入れのこと。メンテナンス性は、どれだけ整備をしやすいか。

  • 油圧
 油圧式のディスクブレーキ。密閉されたホースに専用オイルを充填し、レバーを引いた圧力でパッドを動かす。
 ツーリングに使いたいならば、専用オイルと専用工具と替えホースは持っておいた方が無難。替えパッドは言わずもがな。

  • 輪行
 チャリ部におけるある種の儀式。男はいいとして女の子はガンガンチャリをぶつけるため、輪行袋の少し下よりになるロータが危険。

  • ロータ
 ディスクブレーキの部品で、ホイールの中心につける金属の円盤、これを専用のパッドで挟んで制動する。