3. Video tab
ここでやること:
映像圧縮方式の選択(使用するエンジン、作成するコンテナ形式、映像ビットレート、解像度など)
3.1. Video Codec
かなり不正確な図なので細部を信用しないように。
ffmpegXは内部に「エンジン」をいくつか内蔵している。
各エンジンは扱えるコデック(映像/音声)とコンテナに得手不得手がある。
Video tabとAudio tabでそれぞれコデックを選ぶと、整合性の無い組み合わせでも指定できてしまう。
Summary tabのクイックプリセットで、目的のエンジン、コデック(映像/音声)、コンテナの組み合わせをいっぺんに済ませる事ができるので、まずそちらで目的の形式を選び、このタブでは「Bitrate calculator」と「Video parametors」の調節にとどめるのが吉。
3.1.1.Video Codec
エンコードに使う「エンジン」と出力する形式を指定。前から順番に、ファイルフォーマット(MPEG4)、コンテナ形式と拡張子(AVI)、エンジン(mencoder)。選択肢は以下の通り。
- MPEG4 [.AVI] (ffmpeg)
- "libavcodec mpeg-4"として知られるコデック。DivX 4 /5再生機と互換性がある。エンジンのffmpegは、ffmpegオープンソースプロジェクト製の大変高速なエンジンで、Altivec に最適化済み。MPEG-4 コデックの中でも最高画質の一つでコンスタントに進化している。速度第一ならこれ。
- MPEG4 [.AVI] (mencoder)
- 同じく "libavcodec mpeg-4"コデックを mencoder エンジンで使う。ffmpegと比べると、より先進的なエンコードオプション、NTSC素材での映像/音声同期 の確実さ、フィルタ、字幕、自動クロップなどに優れる。反面、速度はffmpegよりかなり落ちる。これらの進んだ機能や、画質第一ならこっち。
- 注意点:ffmpegXの mencoder.AVIが作るのは AVI 1.0。最大サイズ 2GBまでという制限がある。
- XviD [.AVI] (mencoder)
- XviD コデックは現在すべてのプラットフォームで良く見られる mpeg-4 コデック。
- 注意点:ffmpegXの mencoder.AVIが作るのは AVI 1.0。最大サイズ 2GBまでという制限がある。
- DivX 3 [.AVI] (ffmpeg)
- libavcodec ファミリーに移植されたDivX3コデック。画質は上位コデックに劣る。このコデックはDivX3しか再生できない環境との互換性のために有る。
- DivX 3 [.AVI] (mencoder)
- 上に同じ。mencoderエンジン使用
- MsMPEG4v2 [.AVI] (ffmpeg)
- 古いコデック
- MsMPEG4v1 [.AVI] (ffmpeg)
- さらに古いコデック
- MPEG1 [.MPG] (ffmpeg)
- MPEG-1 はVCD規格のフォーマット。CDRに焼いてVCD-互換の DVD プレイヤでTVで見る事ができる。パソコンでしか見る事が無いなら MPEG-4のほうが同じ画質でより小さなサイズ、ビットレートにできる。ffmpegのMPEG-1エンコーダは非常に画質も良く、速度も早い。
- MPEG1 [.MPG] (mpeg2enc)
- mpeg2enc エンジンはVCDのために完璧な MPEG-1規格にそったエンコードを行う。
- MPEG2 [.MPG] (ffmpeg)
- ffmpeg エンジンの "fast mpeg-2" エンコードは長足の進歩を遂げた。2パスとVBR をサポートし、非常に早い。SVCD と DVD 作成もサポート。
- MPEG2 [.MPG] (mpeg2enc)
- MPEG-2 は SVCD, CVD (CDRに焼いてSVCD-CVD 互換の DVD プレイヤでTVで見る事ができる) DVDの標準形式。mpeg2enc MPEG-2 エンジンは、Altivec に最適化され、多数のオプションを備える。 CVD とSVCD 作成に非常に良い。
- Passthrough (ffmpeg)
- 素材の映像をエンコードせず、出力ファイルに単純コピーする。映像はそのままに、音声だけ変換したい際に使う。
- H.263 [.3GP] (ffmpeg)
- ffmpeg エンジンの "H263 (3GP)" エンコードは、スマートフォンや互換性のあるハンドヘルド用。搭載メモリの少ない機器向けに、非常に低いビットレートに最適化されている。"3GP" クイックプリセットはデフォルト設定。最適な画質を得るには、再生する携帯のスペックに応じて設定を変え、ffmpegX プリセットファイルに保存する事。Bluetoothがあれば、Apple Bluetooth File Exchange 経由で簡単に.3gp ファイルを対象機器に送る事が出来る。注意点:携帯によってはビデオ再生ソフトのインストールが必要。 (自分の携帯会社のサイトで調べる事)。これとは別に、Smartmovieプレイヤーを持った携帯向けには、単にDivX/XviD コデックで適切なサイズとビットレートでエンコードするだけで済む。 (これも携帯用設定をプリセットに保存しておく事)。
- DV [.DV] (ffmpeg)
- ffmpeg エンジンの "DV" ビデオは、PALとNTSCフレームレートをサポートする標準の DV コデック。音声は PCM 。かならず素材ファイルを先に指定し、次にクイックプリセットを選んで設定を変更しない事:画像サイズ変更不可、ビットレート計算機でのビットレート指定も不可。
- XviD [.AVI] (ffmpeg)
- ffmpeg エンジンから使う "XviD"コデックは mencoder XviDと同じ。利点は速度でmencoder XviDより最大で300%早い。速度第一、mencoderの字幕、やフィルタ機能が要らない場合むけ。
- MPEG4 [.MOV] (ffmpeg)
- ffmpeg AVI MPEG4とコデックは同じ。MOVコンテナに出力する。これでQuicktime Player やFinal Cut Proなど、他のQuicktime アプリケーションで再生、編集可能になる。追加の DivX コデックは不要。 (注意点: MOV フォーマットは PCやQuicktime非互換の DivX-ハードウェアプレイヤで再生できない事があり得る)。デフォルト設定でAAC音声のMPEG4.MOVを作るには、"MOV mpeg-4" クイックプリセットを選ぶ。mpeg/vob ファイルを編集可能なまま小さくしたい際や、テラバイトのストレージ抜きでアーカイブ化する際に使う。また、巨大な .DV キャプチャを編集可能なまま非常に小さくしたい際なども同様。 (DVを変換する際は "Deinterlace" を使う事)。 PC/DivX ハードウェアプレイヤとの互換性よりも、Quicktime MOV コンテナで残してQuicktimeで再生し、Quicktime の優れた機能とその上のアプリケーションの利点を享受したい際などに使う。
- XviD [.MOV] (ffmpeg)
- 上に同じ。コデックがXviD
- MPEG4 [.MP4] (ffmpeg)
- ffmpeg AVI MPEG4とコデックは同じ。コンテナにMPEG-4 .MP4 を使う。AAC 音声と共に使う事。
- XviD4 [.MP4] (ffmpeg)
- ffmpeg AVI XviDとコデックは同じ。コンテナにMPEG-4 .MP4 を使う。AAC 音声と共に使う事。
- MPEG-TS [.TS] (ffmpeg)
- ffmpeg mpeg-2とコデックは同じ。コンテナにmpeg transport stream (.TS) を使う。MP2 音声と共に使う事。(試験的実装の為、ハードウェアデコーダで再生できないかも知れない)。
- H264 [.MP4] (mencoder)
- H.264/Advanced Video Codec、コンテナはMP4、音声はAAC 。素晴らしい画質とmpeg-4よりも小さなファイルサイズ。なお、ffmpegXが使うコデックはx264。
ビデオエンコードのオンオフ。素材の音声だけ抜き出したい時に使う。ffmpeg のみで動作。
3.2. ビットレート計算機
ビットレート計算機は映像ビットレートの計算に使う。 ここに入力したvideo bitrateの値が、映像部分をエンコードする際に使われる。例えば 1000 kbit/sec なら、1秒ぶんの映像に1000 kbit 消費する。(概ね 24〜 30 枚の映像になる。枚数は'framerate'で指定する。従って、同じビットレートでもフレームレートが低ければ画質は向上する)。 しかし、エンコーダが必ずこの数値をコンスタントに守るわけでは無い。実際の結果数値は、エンコードエンジンのレートコントロールシステム、他のエンコード設定などの影響を受ける。例えば VBR モードでは実際のビットレートは素材映像の内容によって大きく変動する。 |
- "Best":先に'Video Size' (通常は素材と同じか縮小)と、'Framerate'を選んでから押す。そこから"Best"な値を出して'Video Bitrae'欄に入れる。
- "Rate":指定された長さ(min)の映像が指定されたCD枚数やファイルサイズ(MB)に収まるように'Video Bitrae'を計算(音声ビットレートも計算に含まれる)。必ず、 "Best" の数値と比べ、かけ離れた数値を使わないようにする事(上でも下でも)。
- "Time":上記の反対。指定されたCD枚数やファイルサイズ(MB)に何分入るかを、現在の設定を元に計算する(音声含む)。 "Best" に続けて "Time"を押すと、ベストのビットレートでエンコード可能なmin数が解る。
- "Size":入力されたビットレートと継続時間(素材の長さ)から出力結果ファイルのサイズ(MB)を計算。
- "Img":ビットレートとフレームレート、アスペクトレシオを元にVideo Sizeを計算する。(素材映像より大きくしたり、手持ちの再生機器の画面サイズより大きくしないこと)。
- "Auto":選択したCD容量を無駄無く満たすビットレートと解像度をbppを使って算出、入力する。Audio tabで指定した音声ビットレートも含む。もしも横幅が480以下になったら、画質はSVCD品質より下がる。240以下になったらVCD以下。したがって、こうした場合はメディアサイズを増やすべきだろう(1CDのつもりだったら2枚にするとか)また、解像度は素材映像より決して大きくしない方が良い。
- "Auto" と "Img"はmpeg-4 ベースのフォーマット (DivX, XviD)専用で、mpeg-1/2 ベースのフォーマットには使えない (VCD, CVD, SVCD, DVD)。これらの解像度は規格通りでなければならない。
- Video bitrateの数字には色がつく。
- 赤:ビットレート低すぎ。ビットレートを上げるか、解像度を縮小する。
- 緑:適正範囲。ビットレートも解像度もOK。
- 青:ビットレート高すぎ。緑との画質差が無い。無駄。ビットレートを下げるか、解像度を拡大(素材より大きくならないように)する。
3.3. Video parameters
出力映像の解像度、アスペクト比(縦横比)、フレームレートの指定。 通常のTV放送は640x480(4:3)にするのが一般的。 上下に黒帯の入った映画は16:9。この場合、黒帯はクロップする。 フレームレートは通常NTSC(29.97fps)。 NTSC FILM(23.976fps)は映画やアニメ向き。 |
- Video Size:幅 x 高さ。単位pixel。16の倍数でなければ、大半のコデックで適正に動作しない。
- Auto Size:幅を元に高さを自動計算。MPEG2を出力する場合、16:9にするとアスペクト比のフラグも書き込む。(図は横幅640を元に映画向けのシネスコサイズにしたところ。)
- Framerate:出力映像のフレームレートを指定。
- PAL<->NTSC間の変換は音ズレを生みやすい。
3.4. その他のオプション
DVDやらない為、未経験
- Title,Chap,Angle:mencoderエンジンでVIDEO_TSの入力パラメータを指定。