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「拓海②」(2008/03/08 (土) 20:36:05) の最新版変更点

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これから先、少しの間、自分を取り巻く環境が変わるというコトに対する不安を、拓海自身が本能的に察知していたからかもしれない。<br /><br />
「わかったか？つまりこういう走り屋達の事なんだよ！ちょっとまってろ～！」<br /><br />
イツキは店内に駆け込み、一冊の雑誌を持ってきた。<br />
車のﾁｭｰﾆﾝｸﾞや情報が載っているよくある雑誌である。<br /><br />
「たしかこの変に…あった！ほら！みろよ！」<br /><br />
イツキが指さしたページには見開きで大きく「首都高ランナー」の文字。<br /><br />
「へぇ…高速なんて走ってる人達いるんだな。」<br />
「あいつら、金かけてキチンとセッティングだしたりしてるって言うからなぁ。それにくらべて俺らは…」<br />
「なーにいってんすか！池谷ｾﾝﾊﾟｲ！ｾﾝﾊﾟｲの１３もド派手にﾂｲﾝﾀｰﾋﾞﾝにしましょうよ！ゆくゆくは俺のﾚﾋﾞﾝも…くぅーー！」<br />
「イツキ、お前の車じゃさすがに無理だな。」<br />
「やべ、店長！？」<br />
「全く、お前らしっかり仕事し…」<br /><br />
ガォァッ！<br /><br />
会話を切り裂くように衝撃音がスタンドに響いた。<br />
店に入ってきた車をみて、一瞬全員が血の気が引いた気がした。<br /><br />
今の時代には無い形、響くｲﾝｼﾞｪｸｼｮﾝとは違う特有の音。<br />
明らかに異形の車がソコにはいた。<br /><br />
「やべっ！客だ！いらっしゃいませー」<br />
「えっと、ﾊｲｵｸ３０で」<br />
「はい、ありがとうございます！」<br /><br />
「すげーっ！Zだ！古い車でもあついぜ～！」<br />
「ふーん、変な車だな…」<br /><br />
異形の車から降りる青年と拓海の眼があった。<br /><br />
「(何だ――？)」<br />
「(何だろう――?)」<br />
敵意などではなく、違う感覚。<br />
口では言い表せない微妙な感覚が拓海にふりかかった。