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「軸②」(2008/03/16 (日) 20:25:37) の最新版変更点
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人の気配の全く無い倉庫街に”それ”はいた。<br />
開いているシャッターからうかがい知れるその姿は、何度見ても背筋に冷たい物が流れる異様な迫力に満ちている。<br />
絶対的な存在感―――島のかつての親友の命だけではなく、数多の人間の命を啜ってきた呪われたその存在。<br />
ミッドナイトブルーに彩られた悪魔・・S30Zは傾きかけた陽の光を浴びて鈍く輝いている。<br /><br />
ゴトゴト・・<br /><br />
長く伸びたS30のボンネットルーフの中から音が響く。<br />
島は僅かに足が震えているのを感じた。<br /><br />
「なァーに固まってるワケ?そんなトコで」<br /><br />
背後から声をかけられ島は振り向く。<br /><br />
―――朝倉・・―――<br /><br />
一瞬出かかった声をなんとか島は飲み込んだ。<br />
まだ幼さの残る少年の姿がそこにあった。しかしその周りには威圧するでもない、独特の雰囲気があり、彼が普通の少年<br />
ではない事を物語っている。<br /><br />
「無用心だネ・・開けっ放しで外出の癖は控えた方がイイと思うヨ」<br />
「5分くらいの買出しくらい大丈夫だって あ何か飲む?水とおにぎりは俺の昼飯だから駄目だけど」<br />
「・・じゃあコーヒーを」<br />
「飲むんだ(笑)」<br /><br />
少年はコンビニの袋から缶コーヒーを取り出すと島に手渡すと、ジャッキアップされてタイヤの外されたZの脇にしゃがむ。<br /><br />
「エア抜き・・かい?」<br />
「そそ コーヒー飲んだついでにブレーキ踏んでヨ(笑)」<br /><br />
ググゥ・・カチャ、キュゥ・・<br /><br />
ペダルを踏む音、ボルトを締め、緩める音が倉庫を支配する。<br /><br />
「そー言えば珍しいよネ ソッチから俺に会いに来るなんて・・ポルシェのフレームにクラックが入ったとか?(笑)」<br />
「いや・・そうじゃない 実は君に会って欲しい人がいてね・・今夜辺り首都高に上がれないか?」<br />
<p>人の気配の全く無い倉庫街に”それ”はいた。<br />
開いているシャッターからうかがい知れるその姿は、何度見ても背筋に冷たい物が流れる異様な迫力に満ちている。<br />
絶対的な存在感―――島のかつての親友の命だけではなく、数多の人間の命を啜ってきた呪われたその存在。<br />
ミッドナイトブルーに彩られた悪魔・・S30Zは傾きかけた陽の光を浴びて鈍く輝いている。<br /><br />
ゴトゴト・・<br /><br />
長く伸びたS30のボンネットルーフの中から音が響く。<br />
島は僅かに足が震えているのを感じた。<br /><br />
「なァーに固まってるワケ?そんなトコで」<br /><br />
背後から声をかけられ島は振り向く。<br /><br />
―――朝倉・・―――<br /><br />
一瞬出かかった声をなんとか島は飲み込んだ。<br />
まだ幼さの残る少年の姿がそこにあった。しかしその周りには威圧するでもない、独特の雰囲気があり、彼が普通の少年ではない事を物語っている。<br /><br />
「無用心だネ・・開けっ放しで外出の癖は控えた方がイイと思うヨ」<br />
「5分くらいの買出しくらい大丈夫だって あ何か飲む?水とおにぎりは俺の昼飯だから駄目だけど」<br />
「・・じゃあコーヒーを」<br />
「飲むんだ(笑)」<br /><br />
少年はコンビニの袋から缶コーヒーを取り出すと島に手渡すと、ジャッキアップされてタイヤの外されたZの脇にしゃがむ。<br /><br />
「エア抜き・・かい?」<br />
「そそ コーヒー飲んだついでにブレーキ踏んでヨ(笑)」<br /><br />
ググゥ・・カチャ、キュゥ・・<br /><br />
ペダルを踏む音、ボルトを締め、緩める音が倉庫を支配する。<br /><br />
「そー言えば珍しいよネ ソッチから俺に会いに来るなんて・・ポルシェのフレームにクラックが入ったとか?(笑)」<br />
「いや・・そうじゃない 実は君に会って欲しい人がいてね・・今夜辺り首都高に上がれないか?」</p>