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数日後の群馬県、走り屋の間ではある噂が流れていた。
それは白い彗星と呼ばれた高橋涼介が首都高で負けた、という物である。


「おい、あの高橋涼介が首都高で負けたらしいぜ」
「そんなワケねーだろ!何馬力だろうが涼介さんなら関係ねーよ!」
「そうは言うけど峠と首都高の車じゃパワー差がまったく違うっての」

一方、悪魔のZによって赤城の白い彗星から一気に負け犬の烙印を押された涼介はずっと考え込んでいた。しかしそれは周囲が騒ぎ立てる敗北という感覚とは少々異なる物だった。

「あのZ・・・まるで俺のFCなんか眼中にないかのように走り去っていった・・・何処までも突き抜けるようなあの走り・・・俺がこれまで見てきた走り屋達とは何かが違う。もし・・あのZの前を走る事が出来たら―――」

涼介は研究室の窓から外を見上げた。
彼の目に映る上毛三山は何も言わずにただ、彼を見下ろすのだった。

 

同時刻、秋名山。
頂上から少し離れた湖畔の駐車場に黄色いRX-7と白黒のAE86が停まっていた。

「ええ!?涼介さんが湾岸で負けた?」

AE86の横に立つ青年が驚きの声を上げる。
彼の名は藤原拓海。穏やかそうな外見とは裏腹に群馬県最強の下り職人の異名を持つ一級の走り屋である彼はその腕を買われ、涼介、啓介と共に遠征バトルに赴く一員となっている。

「ああ・・・しかも古臭いS30Zにだ・・兄貴が負けちまってから赤城レッドサンズは皆やる気なしになっちまった・・・クソ!」

苛立ちを隠せない啓介は湖畔に石を投げる。
ボチャン・・・・波紋が広がり、やがて湖畔は何事も無かったように静まり返る。

「そう言えば・・・」
「なんだよ?藤原」
「ちょっと前に親父から聞いた事があるんですよ・・東京には悪魔と呼ばれたS30Zがいる・・・・って」
啓介は驚き拓海の胸倉をつかみ問いかけた。
「何!?お前の親父はあのZのことで何か知っているのか!?」
「い、いや・・・・俺はうちの親父から話を聞いただけですから。親父に聞いてみれば何か分かるかも・・・」
「お前の親父が!?」

急ぎ自宅へと帰った啓介は涼介に、拓海の父が悪魔と呼ばれたS30Zの情報を持っていることを涼介に伝えた。

「悪魔の・・・・Z?」

涼介は自分の中で何かが動き出すのを感じた。